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クリニック・治療院 OGメディック

  • 高木雪絵

    公開日: 2020年02月26日
  • リハビリ病院の悩み

ブランクがある作業療法士が復職するには?働き方や職場の選び方を解説

作業療法士の資格や経験があっても、結婚や出産などを機に臨床を退き、ブランクが生じている方も少なくありません。
落ち着いたタイミングで、再び資格を生かして働きたいと思っても、ブランクがあれば何かと不安をともなうものです。
今回は、ブランクがある作業療法士が復職を考える際に知っておきたい働き方の選択肢についてお伝えしていきます。

ブランクがある作業療法士が復職するには?働き方や職場の選び方を解説

ブランクのある作業療法士が不安に感じるポイント

ブランクのある作業療法士が不安に感じるポイント

医療関係者ではない人からは「医療の資格があればいつでも現場に復帰できる」というイメージを持たれがちですが、実際にはブランクがあると復職への不安はつきものです。
具体的にどのような点が不安に感じられるのか、よくあるポイントを整理します。

1.体力的な不安

作業療法士の資格を取得した頃とは違い、年齢とともに不安に感じやすいのが体力です。
毎日、20分や40分刻みで次々と患者さんのリハビリを行う業務では、なかなか体力を使うものです。
毎日の通勤や業務だけでも、それなりに体力は使いますし、体が慣れていないうちは一層ハードに感じられるでしょう。
どれくらいの体力を使うのかについては、職場や領域、働き方によっても変わってくるので、選び方次第という側面もあります。

2.評価・治療のスキルに関する不安

3年、5年、10年…と臨床を離れる期間が長くなっていくと、患者さんとの関わり方から、評価・治療のやり方まで、スキルが失われていきます。
正確にいうと、失われたというよりも、忘れている部分が大きいでしょう。
ROMやMMTなど、作業療法を学ぶ学生でもわかる検査のやり方を忘れてしまっていると、どうしても自信が持てないものです。
しかし、現場もブランクがあれば思い出すまでに時間がかかることは理解していますし、実際にやっていくうちに感覚は取り戻していけるものです。

3.リハビリや医療の進歩に関する不安

現場を離れている間に、リハビリの指針が変わったり、新しい医療技術が普及したり、環境が変わっている部分もあるかもしれません。
10年前はこのやり方だったのに、今は方針が変わっている、なんていうこともあります。
そして、コンピュータの操作が苦手な人にとっては、電子カルテ、iPadなどのタブレット端末の操作などの使用に関して敷居が高いと感じることもあります。
リハビリを取り巻く環境の変化に関して不安に感じられることがあるかもしれませんが、こちらはひとつずつ覚えていけば問題ないでしょう。

4.家事や子育てとの両立に関する不安

結婚や出産を機に作業療法士を辞めた人は、復職して日中の時間が拘束されるようになることで、これまで通り家事や子育てができるかどうか不安に感じる場合もあります。
要領よくテキパキとこなせる人であったとしても、やはりブランクができてしまうと、仕事と家庭の両立に自信が感じられないこともあるでしょう。
食事の支度や掃除、洗濯などの時間をどうやって確保していくのか、あらかじめイメージを持っておきたいところです。

ブランクにともなう不安があるときの働き方・職場選び

ブランクにともなう不安があるときの働き方・職場選び

ブランクがあって、作業療法士として復職することを検討するときには、次の点を参考にしながら働き方や職場を選んでみてください。
状況は十人十色ですが、無理なく続けられる勤務形態や内容を選択していきましょう。

●単発のアルバイトから始めてみる

10年などブランクが長くなり、外で働くこと自体に不安があるときは、1日〜3日程度でできる単発のアルバイトから始めてみてはいかがでしょうか。
作業療法とは関係がなくても、気軽に取り組めるうえに、挨拶したり、指示に従って行動したりといった基本的な経験を通して、「働く」といった感覚を取り戻すことができます
自信がないときはコミュニケーションや体力の面で「もう一度外で働けるんだ」という感覚を得てから、病院や施設での仕事に挑戦するという選択肢もあります。

●非常勤勤務・時短勤務にする

いきなりフルタイムで常勤の作業療法士として働くとなると、体力的にも時間的にも負担となります。
そこに不安があるときは、非常勤の作業療法士として、週に2〜4回程度、10時〜15時などの時短勤務をしてみることも良いでしょう。
体が慣れてきて、家庭との両立もできるようになってきたら、少しずつ勤務回数を増やしたり、時間を長くしたりすることも可能です。
非常勤の時短勤務であったとしても、その期間は作業療法士としてのキャリアを築くことにつながります
ゆくゆくは常勤を目指したい場合は、あらかじめその意思を伝えておき、理解が得られる職場を選びましょう。
非常勤のうちは、常勤とは異なり、比較的希望休も取りやすくなりますし、家庭がある方でも両立しやすいです。

●比較的ゆったりしたテンポの領域を選ぶ

同じ作業療法士でも、働く領域によって忙しさは変わってきます。
ブランクのある方は、急に忙しい領域に飛び込むよりも、比較的ゆったりと業務をこなしていける環境を選ぶほうがベターです。
急性期病院では入退院が頻繁なので、患者さんの評価が増えるのはもちろん、書類業務も多くなる傾向にあります。
高齢者施設などでは出入りがそれほど激しくないうえに、高齢者のテンポに合わせて介入していくことになるので、比較的ゆったりと業務をこなせるでしょう。
発達障害領域では子供を相手にするので体力を使いますし、精神障害領域では患者さんのペースに合わせてゆっくりと関わることが多いなど、領域による違いはあります。
ご自身がどの領域で何をしたいか、これまでにどんな経験をしてきたか、ということも大切ですが、どの分野であれば無理なく仕事ができそうか考えてみる必要もあります。

●家庭との両立に理解がある職場を選ぶ

家事や子育てなど家庭との両立に理解がある職場もあれば、そのような風潮のない職場もあります。
ママさんセラピストが在籍しているなど、仕事と家庭の両立に理解を示してくれる病院・施設を選ぶことも大切です。
子供がいる場合には、突発的に休む必要に迫られることもありますが、そういった点にもある程度理解を示してくれる環境が良いでしょう。
そもそも外来であれば急に予約をキャンセルすることが難しく、入院であれば多少の融通をきかせてもらいやすいといった違いもあります。
職場の特徴や考え方を踏まえて、働き方を考えてみてください。

常勤の作業療法士として復職する場合の条件

新卒の頃は「自分が興味を持っている分野で働きたい」という思いで職場を選んでいたかもしれません。
ブランクのある人が常勤の作業療法士として復職するときには、年間休日、各種手当など、もろもろの条件も含めて検討したいところです。

休日 ●年間休日がどれくらいか(120日以上だと比較的多め)
●GW、年末年始、夏季休暇の有無
●土日、祝日は休日かどうか
●有休取得率がどれくらいか
給与・賞与 ●給与は地域差も大きいが、どれくらいからスタートできるか
●賞与はどれくらいか(年2カ月〜4カ月が相場)
●住宅手当、資格手当、家族手当、寒冷地手当などが出るか。
昇給 ●毎年(または毎月)昇給、人事考課による昇給があるか

休日や給与などに関わる部分については、上記のような視点で確認しておきましょう。
面接時にしっかり確認しておきたいところですが、自分から聞きにくい場合はリハビリ職の転職をサポートしてくれるエージェントの力を借りることも方法です。

復職前には評価・治療について勉強しておこう

学生時代の教科書があれば、その分野の基本的な評価や治療、疾患の特徴などについて簡単に復習しておくことをおすすめします。
国家試験対策で勉強するレベルのことでも知っておけばイメージを持ちやすくなります。
そして、教科書がない場合もインターネットや書籍などで軽く勉強しておくと安心につながります。
やっていくなかで思い出す部分もあるので、過度に心配せず、自分に合ったペースで作業療法士の仕事に挑戦してみましょう。

  • 執筆者

    高木雪絵

  • 作業療法士の資格取得後、介護老人保健施設で脳卒中や認知症の方のリハビリに従事。その後、病院にて外来リハビリを経験し、特に発達障害の子どもの療育に携わる。
    勉強会や学会等に足を運び、新しい知見を吸収しながら臨床業務に当たっていた。現在はフリーライターに転身し、医療や介護に関わる記事の執筆や取材等を中心に活動しています。

    保有資格:作業療法士、作業療法学修士

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