医者に英語は必要?いまからでも遅くないオススメの英語学習法を解説
医者というと英語がペラペラというイメージを持たれる傾向にありますが、実際に英語は必要になることがあるのでしょうか?
医者にとって英語が必要になるのはどんなときなのか、多忙な業務があるなかでどうすれば効率的に英語学習を進められるのか…。
今回は医者が知っておきたい英語に関する情報について、筆者の経験とともに解説していきます。
医者として働くなら…英語力は必要?不要?
医者のなかにも、英語を話せる人とそうではない人がいます。
医者にとって英語が必要かどうかについてはさまざまな意見がありますが、筆者の見解として英語は「必要」だと思います。
医者の仕事において、英語が必要になると想定されるシチュエーションを挙げていきます。
- 1)英語の医学論文を読む・発表する
- 2)国内外で開催される国際学会に参加する
- 3)研究や臨床を学ぶために留学する
- 4)研究室や職場の外国人とやりとりする
- 5)海外から訪れる医者・研究者の接待をする
上記のように、医者が英語を使う機会がある場面は意外と多いのです。
もちろんネイティブのような英語力が必須とはいいませんが、少なくとも医学論文を読み書きしたり、学会発表したりするときに困らないだけの力はあった方が良いでしょう。
医療に関して新たな研究成果が世界中で発表されるなど、情報のアップデートが非常に多い業界といえるからです。
日本の医療をけん引していくうえでは、やはり世界の情報に目を向け、自身でも発信していかなければなりません。
医学生のうちからある程度の英語力を身につけておくことが理想ですが、医者になってからでも遅くはないでしょう。
医者が学会・論文・留学で求められる英語力のレベル
学会・論文・留学など、英語を使うシチュエーションはさまざまですが、医者にはどのくらいの英語力が求められるのでしょうか?
それぞれのパターン別に確認していきましょう。
●学会参加・発表で必要な英語力
国際学会では、参加するだけなのか、発表まで行うのかによって求められる英語力は変わってきます。
学会に参加するだけなら受け身的に演題を聞きながら過ごすこともできますし、専門領域であればスライドを見ているだけで大まかな内容は理解できると思います。
学会で研究成果を発表するとなると、質疑応答の時間があるので、どうしても英語力を使う必要に迫られます。
ただ、学会発表で使う単語や表現に関しては非常に限定的といえます。
想定できる応答のパターンを練習しておけば、ある程度は対応できると思います。
医者の方にお話を伺うと、「専門分野に関する英会話はできるけれど、日常会話はさっぱりわからない」という方も少なくありません。
日常英会話では用いる表現のバリエーションが広いですが、専門分野に特化した会話のほうが習得しやすい側面があるのです。
●医学論文の読み書きで必要な英語力
受験英語を極めてきた医師にとっては、英語を「読む」という作業はそれほど苦痛にならないことが多いでしょう。
問題となるのは論文を「書く」作業ですが、こちらは自分のなかに表現のパターンが蓄積されていないと対応が難しいです。
論文を書くときには、最初から日本語で書き、業者を利用して英語に翻訳してもらうこともできますが、サービス料金は高くなります。
完璧ではなくても良いので、英語で文章を書けるスキルがあると英語から英語への校正依頼のみになり、コストはかなり抑えられます。
細かな文法などは理解していなくても校正で対応してもらうことができるので、まずはひととおり英語で論文を書けるだけの力は身につけておきたいところです。
●海外留学で必要な英語力
海外留学となると、研究をするための留学なのか、臨床研修を行うための留学なのかによって、求められる英語力は変わってきます。
しかし、いずれも海外で一定期間生活することになるので、先にご紹介した学会や論文で求められる英語とはレベルが変わってきます。
学会では決まったパターンである程度対応できますし、論文では有料の校正サービスを利用するという方法もありますが、留学ではそうはいかないのです。
現地で生活しながら英語力を身につけていくという方もいますが、やはり基本的な受け答えができないと最初のうちは大変苦しい日々になってしまいます。
研究ではテンポを合わせてくれることもありますし、「のちほどメールで詳しく資料をお送りします」といってその場をしのげる場合もあります。
臨床に軸足を置く場合には、ある程度会話のスピードも大切になってくるので、留学まえには英語を話すためのトレーニングをしておいた方が良いでしょう。
多忙な医者が英語を話せるようになるには?オススメの学習法はコレ!
筆者は英語が得意な方ではありませんでしたが、海外に留学する機会があったため、英語に困らないよう準備をしておきました。
ただ、臨床で働き、さらに大学で研究を行いながらの準備だったので、英語学習に十分な時間をとることはできませんでした。
筆者の経験から、医師の方にオススメできると感じる効率的な英語学習法をお伝えしていきます。
●時間があれば英会話教室でディスカッションの練習を
休日などに時間がとれる医師は、やはり英会話教室で外国人と話す訓練をしておくと良いと思います。
特に留学を控えている医師、頻繁に外国人と話す機会がある医師には必要な作業でしょう。
筆者の場合は大手の英会話教室を利用したのではなく、掘り下げてディスカッションをするのが好きな外国人講師を見つけ、マンツーマンのレッスンを受けていました。
月に2〜3回しか通えませんでしたが、それでも外国人と話す度胸はつきました。
自身の研究についてプレゼンする練習や、あるテーマについてディスカッションを行う練習を中心に対応してもらい、これが学会発表や留学でかなり役立ったと感じます。
●テレビ電話を利用した英会話レッスンも視野に
やはり対面で英会話の機会を持つことが理想ですが、現実的に時間がとれない医師も多いと思います。
そんなときはSkypeなどのテレビ電話を使った英会話レッスンを受けてみることも効率的です。
格安のサービスではフィリピンなど東南アジアの先生が多いですが、日本人やアメリカ人がレッスンを提供する会社もあります。
海外在住の方がレッスンをしてくれることが多く、時差があることから深夜や早朝でも英会話の機会を持つことができるのです。
良い先生を見つけるまでは少し大変かもしれませんが、多忙な方にはぴったりの英語学習法だと思います。
●通勤などのスキマ時間で「Podcast」を活用
英語を話す力を身につけるには、先述の通り話す機会を持つことが大切です。
しかし、英語を聞きとれないと応答することはできないので、日頃から耳を慣らしておく必要はあるでしょう。
筆者の場合は、インターネットラジオのような感覚で英語音声を聞ける「Podcast(ポッドキャスト)」を活用していました。
スマートフォンでも聞けるので、通勤時や移動時などスキマ時間を使って英語を聞くようにしていました。
すぐに成果が出るわけではありませんが、コツコツと取り組んでみてください。
まとめ
どれくらいの英語力が必要になるのかについては、医師の働き方や環境によって異なります。
ただ、学会・論文・留学など、英語を使う機会は少なくないため、習得しておくにこしたことはないでしょう。
毎日の業務が多忙で英語学習に時間を割けない方も多いと思いますが、便利なサービス・ツールもあるので、ぜひ有効活用してみてください。