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【修士課程編】理学療法士・作業療法士が大学院で学位を取得するまでの道のり

理学療法士や作業療法士としてスキルアップしたい…。
そんな思いをお持ちの方は、認定・専門の資格をはじめ、さまざまな関連資格を取得しているかもしれません。
スキルアップのために大学院へ進学するという方法もあり、社会人が働きながら通っているケースも少なくありません。
大学院ではどんなメリットがあるのか、修了までどのような道のりなのか、気になる情報をお伝えしていきます。

理学療法士・作業療法士が大学院で修士号を取得するメリット

スキルアップのために「大学院に行きたい」と考える理学療法士・作業療法士のなかには、十分な情報がないために具体的なイメージを持てない方もいると思います。
実際に筆者が学びを通して感じた、大学院で修士号を取得するメリットを挙げていきます。

  • ●論文を読み解くことができるようになる
  • ●研究の方法論に関する知識を学べる
  • ●学会や論文発表の経験を積める
  • ●論理的思考や想像力が鍛えられる
  • ●人脈を作ることができる

正直、理学療法士や作業療法士が修士号を取得しても、お勤めの病院・施設で待遇が良くなることはあまりないでしょう。
研究に力を入れている病院・施設などでは、少し給与をアップしてくれるケースもありますが、あまり期待はできません。
しかし、論文を読み解く力であったり、論理的思考であったり、臨床でも必ず役に立つ力が鍛えられるというメリットがあります。
やはり情報を扱う力は一朝一夕では身に付かず、トレーニングが必要になりますが、そうした訓練ができる場として活用する価値はあると思います。

働きながら修士号を取得!?夜間でも授業を開講している大学院も

理学療法士や作業療法士の養成校を卒業し、そのまま大学院に進学する人もいますが、なかには臨床で働きながら通う人もいます。
「フルタイムで働きながら大学院に通う」というのは、医療以外の学問領域ではなかなか見ない例だと思いますが、実現不可能ではありません。
修士課程の場合は、授業に出席して所定の単位数を取得しなければなりませんが、こうした授業は夜間に開講されているケースも多いのです。
筆者も修士課程に在籍しているとき、日中は病院・介護施設などで勤務したり、大学でティーチング・アシスタントの仕事をしたりして、18時から21時頃まで大学院の授業を受けていました
そのあとも大学に残って、夜間や休日に自身の研究を進めたり、授業の資料作りを行っている方も多かったので、ハードな日々だったかもしれません。
養成校での学習スタイルとは異なり、大学院では調査やディスカッションがメインとなるため、資料作りの時間を確保することは大変であると感じました。
また、日中に体を動かす仕事をしている理学療法士・作業療法士にとっては、夜間の授業は体力的にもつらいと感じる方は多く、自分なりの眠気対策をしている大学院生も見かけました。
働きながら大学院に通う場合は、職場と条件を交渉してから入学に向けたアクションを起こすことをおすすめします。
体力的・精神的につらいと感じることもあるかもしれませんが、働きながら学位を取得することも不可能ではないでしょう。

通信制の大学院で学位を取得するという選択肢

理学療法学修士・作業療法学修士の学位を、通信制の大学で取得するという方法もあります。
通信制の大学では、年に何度かスクーリングを行い、あとはレポート提出と修士論文審査などを経る必要があります。
実際に大学に通うのは年間で10日前後など限られた期間で済むので、忙しい臨床家が省エネで修士号を取得するという目的を達成するには良いプログラムだと思います。
ただ、やはり先にご紹介したように、ディスカッションを通して、論理的思考を養っていくという意味では少し物足りなく感じるかもしれません。
また、毎日のように仲間と顔を合わせるわけではなくなるので、人脈作りにも発展しにくいでしょう。
それぞれのスタイルによってメリット・デメリットはあるので、自身の状況と相談しながら進学先を検討してみてください。

研究論文を書くという大仕事!大学院を修了するまでの道のり

修士課程を修了して学位を取得するためには、修士論文の審査を通過しなければなりません。
修了の要件などは学校によっても少し異なりますが、授業で必要な単位を取得して、さらに論文審査に通る必要があることは共通しているでしょう。
修士論文の研究テーマをどのようなものにするかは、指導教員となる先生の考え方によっても変わります。
所属する研究室ですでに取り組んでいる研究をベースに、関連研究ということでテーマを設定することもあります。
もしくは、臨床で得られた疑問を解決したいという思いがある場合、指導教員の先生が対応可能な分野であれば、そうしたテーマを新たに選定する場合もあります。
どちらのパターンでも研究の理由が「個人的興味」では意義が薄いため、「社会的にどのようなインパクトがあるのか」「人の健康や暮らしにどう役立つのか」ということを考える必要があるでしょう。
テーマを選定したら次の手順に示すように、具体的に研究計画を進めていくことになります。

研究のステップ 内容
先行研究のレビュー まずは自分の研究テーマに関連する論文をたくさん読みます。現時点でどこまで科学的に明らかにされていて、どのような問題・課題があるのかを探っていきます。すでに明らかになっていることを研究しても、意味がなくなってしまうからです。新しい知見を得るために、英語の論文を読む作業も必要になります。レビューの結果によっては、選定したテーマを軌道修正する必要もあります。
研究計画の立案 大学で指定されている方法で、研究計画を立案していきます。研究背景をはじめ、研究の具体的な方法、対象者、統計解析の方法などをまとめていきます。なぜその方法を選択するのか、根拠とともに示していきましょう。また、仮説を立てることも大切な作業です。
研究計画の審査 これは大学によってどのくらいのレベルのことを行うか差があります。自身の研究計画についてプレゼンを行い、研究計画の意義や妥当性などを判断されます。また、内容によって倫理審査を通過する必要があります
データ収集 計画に沿って、データ収集を行います。本格的なデータ収集の前には、予備実験を行っておきましょう。
データ分析 収集したデータを分析していきます。量的研究の場合は収集したデータを入力し、ExcelやSPSSなどの統計解析ソフトで処理をしていきます。質的研究の場合はいくつか方法論があるため、それに従いカテゴリ化などを進めていきます。
論文執筆 最後に論文執筆を行います。図表を付けながら結果を記述していき、それに対する考察も書きます。最後に推敲することはもちろん、自分以外のメンバーに目を通してもらうことをおすすめします。

概ねこのような手順で修士課程での研究を進めていきます。
理学療法士・作業療法士のなかには卒業論文を書いた経験がある方もいると思いますが、それとはまた違ったフローになってくると思います。
1つの論文を科学的な観点から丁寧に書きあげる作業は大仕事になりますが、この過程のなかで論文を読み書きする力は確実に養われていきます。
研究の基礎を学びたい方は、修士課程で十分学ぶことができるでしょう。
研究の知識を深めていき、大学教員・専門学校教員・研究者になりたいという方は、修士号の取得後、博士課程でブラッシュアップしてみてください。

まとめ

理学療法士・作業療法士が大学院で修士号を取得するのは、「想像以上に大変そうだ」と感じる部分もあるかもしれません。
社会人であっても働きながら学ぶことは不可能ではありませんし、日々の臨床でも役立つ力を必ず身に付けられることでしょう。
職場での待遇はあまり変わりませんが、それ以上に得られるものは多いと思うので、ぜひ進学を視野に入れてみてください!

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