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リハビリ職の人数が多い病院は要注意!5人のスタッフに聞いたプラットホームの過不足|順番待ちが必要な例も…

病院・介護施設などで、リハビリ室のあるところなら必ずといっても過言ではないほど普及しているプラットホーム。
理学療法士や作業療法士が行う、リハビリのための訓練台を指しますが、現場のスタッフのなかには「数が足りない」と感じているケースも少なくありません。
プラットホームが足りていない・追加購入してほしいと感じているスタッフはどのくらいの割合でいるのでしょうか。
その実態を探るべく、5人の理学療法士・作業療法士にお話を聞いてみました。

順番待ちも…リハビリでプラットホームを使用する頻度は多い

リハビリ部門があるほとんどの病院や介護施設には、特殊な分野を除き、プラットホームが設置されているのではないでしょうか?
プラットホームの使用用途としては、次のようなものが挙げられます。

  • ●関節可動域訓練
  • ●筋力トレーニング
  • ●ストレッチ
  • ●座位保持訓練
  • ●立ち上がり訓練
  • ●リーチ動作訓練

上記のようなリハビリを行う際の使用が代表的ですが、ほかにも患者さん・利用者さんのニーズに合わせて、さまざま用途でプラットホームが用いられます。
クッション性に優れたプラットホームも多く普及しているため、仰向け・うつぶせなど横になった状態でも快適に使用することができます。
リハビリスタッフが、入院や外来の患者さんに訓練を提供する際には高頻度で使用するので、理学療法士や作業療法士が仕事をするうえでは必要不可欠なものでしょう。
ただ、使用頻度が高い備品であるがゆえに、プラットホームが「混雑」してしまうことも少なくありません
実際に筆者も作業療法士として勤務するなかで、勤務先によってプラットホームの順番待ちをすることを経験しました。
順番待ちをしている間は違う場所で別のリハビリメニューを提供していきますが、やはりタイムロスになる部分もあり、もどかしさを感じる瞬間はありました。
リハビリの時間は限られているので、できるだけ患者さんを待たせないようにしたいところですが、スペースの問題が伴うケースは少なくないのです。
製品についての詳細は、オージーウエルネス「プラットホーム」で紹介しています。

プラットホームは足りない?5名の理学療法士・作業療法士を対象に実態調査

筆者の経験では、「プラットホームが足りない」と感じる瞬間が頻繁にありますが、これは領域や診療科によっても差がある部分だと思います。
そこで、実際にさまざまな現場で働く5人のリハビリスタッフに、勤務先のリハビリ室にあるプラットホームの過不足について尋ねてみました。
結論から述べると、5名のリハビリスタッフのうち、3名は「足りない」、2名は「足りている」と回答しました
リアルな声が多かったので、次にご紹介する回答を一読してみてください。

●人数が多い施設では「プラットホームが足りない」という傾向に

まずはプラットホームの数が足りないと感じているリハビリスタッフの声を整理していきます。
勤めている職場の診療科など、環境面では異なる部分がありますが、共通している事項もありました。

◯T.Aさん(整形外科・理学療法士)
「プラットホームが足りない」ということは日頃からよく感じています。
勤務先の病院は1年前に建て直したので、そのときに治療用ベッドも増えました。
そのため、以前よりはかなり状況が改善されましたが、順番待ちが生じることはあります。

◯A.Aさん(脳神経外科・作業療法士)
私が勤めている病院では、理学療法室と作業療法室が分かれています。
スタッフ数が多いので、どちらにあるプラットホームも混雑していることが多いです。
作業療法室のほうがスペース的に狭いこともあり、こちらは常時混んでいる状況ですね。
ほかのスタッフと譲り合いながら使用していますが、それでもやはり患者さんを待たせてしまう場面はあります。

◯K.Iさん(整形外科・理学療法士)
リハビリのスタッフが毎年どんどん増えていくので、リハビリ室はいつも飽和状態です。
スタッフが多くなると、その分同時進行でリハビリを提供していくことになるので、プラットホームはいつもスペースが足りなくなります。
本当は臥位(仰向け・うつぶせなど)の姿勢でリハビリをしたくても、スペースの問題があるので、状況によっては座位での訓練に切り替えることもあります。

整形外科・脳神経外科など、リハビリスタッフの数が比較的多い職場では、プラットホームの数が足りないと感じる方は多い傾向にありました
リハビリ室の広さにも影響を受けますが、人数が多い病院・施設は人口密度が非常に高くなっていることはイメージしやすいのではないでしょうか。

●勤務先の環境によっては「プラットホームが足りている」という意見も

先にプラットホームが足りずに困っている例をご紹介しましたが、逆に「数は足りている」と感じるスタッフもいました。
いくつか特徴的な点があるので、次にご紹介するコメントから実態を探っていきましょう。

◯H.Oさん(急性期病院・理学療法士)
私は救命センターの機能も備えた急性期病院で働いています。
ベッドサイドでのリハビリが多くなるため、プラットホームの使用頻度は少ないです。
回復期以降であれば使用頻度が高くなりますが、急性期の環境では現状で十分だと感じます。

◯Y.Uさん(特別養護老人ホーム・作業療法士)
私の職場は特別養護老人ホームであり、常勤・非常勤合わせてもリハビリのスタッフ数が少ないです。
プラットホームを使いたい人が複数集中するなどの事態はほぼないので、一つあるだけで、設備的には十分であると感じます。

このように、同じリハビリ部門でも状況によってはプラットホームの数に問題がないケースもあるようです。
ケースバイケースではありますが、急性期などでベッドサイドのリハビリを中心に行う場合や、職場のリハビリスタッフ数が少ない場合には、それほどニーズがない傾向にあることがわかりました。

現場の声に耳を傾けることが大切!必要な備品は充実させていこう

今回、5名のリハビリスタッフにプラットホームの過不足について意見を伺いました。
その現場によってニーズは異なりますが、やはりリハビリスタッフを増員している病院は、リハビリ室のあり方を検討したほうが良いかもしれません。
筆者が通っていた整形外科でも、新卒のリハビリスタッフが毎年4名ずつ入職するそうで、リハビリ室も飽和状態になっていました。
患者目線で考えても、「スペースがなくて待たされる」ということには、あまり良い印象を持てない方が多いでしょう。
こうした設備面での不備はスタッフの働きにくさにつながるだけでなく、病院にくる患者さんの満足度低下にもつながりかねません
したがって、リハビリで用いる備品やリハビリ室のスペースについては、現場のニーズをくみとり、随時検討していく必要があります。
今回ご紹介したプラットホームは、スタッフが増えるとどうしても不足してしまいがちな備品の代表例といえます。
リハビリ部門の管理者や病院経営者は、ぜひ現場の声に耳を傾け、リハビリ室の環境について検討してみてください。

まとめ

リハビリスタッフにとってはなじみがあるプラットホームですが、「順番待ち」をすることに不便さやストレスを感じているケースも少なくありません。
スタッフ数を増員している病院・施設は、リハビリ室が飽和状態になっていないか注意する必要があるでしょう。
なお、プラットホームには通常よく用いられるクッション性のあるタイプのほか、和室での動作を想定した「畳」のタイプも存在します。
和室でのリハビリや、畳タイプのプラットホームについては次の記事で解説しているので、ご興味のある方はこちらの記事(意外と盲点になりやすい和室の動作指導 リハビリ場面で活用したい「畳のプラットホーム」)も一読してみてください。

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