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作業療法士の仕事が楽しくなる「作業科学」の視点!オススメの学習方法を解説します

作業療法士として働くうえで学んでおきたい知識の一つが「作業科学(Occupational Science)」です。
作業療法士のなかでも聞いたことがないという方もいるかもしれませんが、アプローチの視点が増えると仕事がより一層楽しくなるかもしれません。
今回は、作業科学に関するオススメの学習方法について本や研修会の情報を交えながらお伝えしていきます。

作業科学ってなに?まずは基本を確認しておこう

作業科学は、作業療法士の養成校でも深く教わっていない方が多いと思います。
病院や施設のリハビリ部門でも、「作業科学」というワードが飛び交うことは少ないのではないでしょうか。
「作業科学」とは、人が毎日従事するセルフケア・仕事・余暇などの作業について、体系的に考え、探っていくことができる学問の一つです。
人の作業が持つ機能・形態・意味はなにか、その作業が健康や幸福感とどのように関連しているのかなど、作業が持つ意味を多角的に分析していくことができます。

●具体例から考える「作業」が持つ意味

筆者は、趣味としてヨガを行っていますが、これは自身にとっては欠かせない作業の一つになっています。
職業柄、普段はパソコンに向かって過ごすことが多いため、ヨガは体を動かす唯一の機会といっても過言ではありません。
筆者にとってのヨガという作業について深く掘り下げていくと、単なる余暇活動にとどまらず、体力維持という側面でも大きな意味があります。
また、ヨガ教室に出向いて他者と交流することもまた大切な活動になっており、結果的に幸福感にも影響を及ぼします。
このことから、筆者にとってのヨガは健康や幸福感にも影響を及ぼす、価値ある作業ということがいえます。

上記のように、筆者にとってはヨガという特定の作業が意味のあるものになっていますが、別のだれかにとっては価値がまったく異なるでしょう。
単に「重要度が高い作業」として位置づけるというよりは、実際に対象者がどのように感じているのか、その機能や意味はなにか、といったことを考えていきます。
このように、作業の意味を体系的に追求していくとき、作業科学の考え方は役立つのです。
医学だけなく、社会学や文化人類学、哲学などの側面を包含した学問領域ということができ、実際にさまざまなバックグラウンドの方が取り組んでいます。

作業科学に関連した本を読んでみることもオススメ

臨床で働くなかで、作業科学を学びたいと考えるようになる方も少なくありません。
作業科学に関する本がいくつか販売されていますが、実際に筆者もこうした本を使って学んだことがあります。
「作業」という存在をより深く解釈していけるため、一読してみると面白いと思います。

著者名 タイトル
吉川ひろみ 「作業」って何だろう 作業科学入門
Ruth Zemke, Florence Clark, 佐藤剛(監訳) 作業科学−作業的存在としての人間の研究
山根寛 ひとと作業・作業活動−ひとにとって作業とは?どのように使うのか?

これらの本は、初めて作業科学を学ぶ方でも親しみやすいでしょう。
特に吉川ひろみ氏の書籍は、作業科学を学ぶうえで導入としては最適の一冊という印象です。
Ruth Zemke氏らが書いた本は、さまざまな分野から人の作業が持つ意味や機能、形態について学術的な見地から解釈しており、読み応えがあるでしょう。
山根寛氏の本は「作業科学」にフォーカスしているわけではありませんが、人と作業のあり方をひも解いていくためには役立つと思います。
まずはこうした本を使って、独学で作業科学の基礎を学んでみることもおすすめです。

より専門的に学ぶには、セミナーや大学院を活用しよう

独学で学ぶという範囲にとどまらず、より本格的に作業科学を学んでみたい方には、セミナーや大学院を活用することをおすすめします。
ぜひ作業科学を深く学んで、周りの作業療法士と差をつけてみてください。

●日本作業科学研究会の研修会で学ぶ

日本作業科学研究会のホームページでは、講習・研修会の案内を公開しています。
年に2回、講習・研修会が開催されており、作業科学セミナーは毎年12月に行われる傾向にあります
また、研修会については開催時期が固定されていないようですが、4〜6月を目安に開催されることが多いです。
ただし、事前申し込みの期間が設定されているため、参加を希望する場合には定期的にホームページで情報をチェックしておくと良いでしょう。

●詳しい教員がいる大学院で学ぶことも可能

筆者も大学時代には作業科学について「聞いたことがある」という程度でしたが、大学院に進学したあとで、初めて本格的に学ぶ機会がありました。
作業科学の教育・研究指導にあたることができる先生はそう多くないため、すべての大学院に作業科学の講座が設置されているわけではありません。
筆者の場合は別の研究分野に軸足を置いて学んでおり、修士課程のときに選択科目として作業科学を学びました。
そういったスタイルとは別に、作業科学を専門とする先生に師事し、それに関連した研究を進めていくという方法もあります。
掘り下げて考えていくことが好きな方には面白いと感じる学問領域なのではないでしょうか。
大学院への進学を希望する場合は、その研究室の先生にコンタクトをとり、詳しくお話を伺ってみると良いでしょう。

まとめ

臨床において、すべてのことが作業科学の知識で解決できるわけではありませんが、視点の一つとして身につけておくと視野が広がります。
まずは本を活用して独学で理解を深めていくこともおすすめですが、より本格的に学びたい場合はセミナー・大学院などを活用することも可能です。
なに気なく使っている「作業」という言葉について、作業科学を通して学びを深めてみると、臨床をより一層楽しめるようになるかもしれません。

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参考:
日本作業科学研究会 講習・研修会(2018年1月28日時点)

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