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リハビリ病院の悩み

入浴動作のリハビリで使える!評価・介入のポイントから環境設定の知識まで解説

患者さん・介護者にとって、入浴動作の獲得に向けたリハビリは優先度が高くなる例も少なくありません。
毎日の生活を送るうえで、安全に入浴できるかどうかは大きな問題となるのです。
今回は、リハビリスタッフが毎日のアプローチで実践できる、評価と介入のポイントを整理してお伝えします。
どのような観点で評価すれば良いのか、環境調整はどうすれば良いのか…そんな疑問にお答えしていくので、日々のアプローチに役立ててください。

ポイントを整理!リハビリにおける入浴動作の評価手順

リハビリ場面において、入浴などの生活動作は作業療法士が中心となって評価することが多いでしょう。
病院や患者さんのニーズによっては理学療法士と作業療法士が連携して対応する例もあるかもしれません。
患者さんの入浴動作を評価するにあたり、どのような観点・手順で進めていけば良いのか、重要なポイントを抜粋してお伝えしていきます。

●まずは基本情報の収集から

入浴動作の評価にあたり、まずは患者さんの入浴スタイルについて把握しておく必要があります。
たとえば、普段は浴槽につかることが多いのか、シャワーで済ませることが多いのか、といった点も確認していきます。
ご自宅の環境について、浴室までどれくらい移動する必要があるのか、浴室に手すりはあるのか、といったことを聞いておくと介入の参考になります。
その方の生活環境やライフスタイルを考慮して、必要なアプローチをしていくことは基本となるでしょう。

●入浴動作を評価するときの着眼点

リハビリにおいて、入浴動作を評価するときには、多角的な分析が必要になります
たとえば、次のような観点から評価を行っていきます。

  1. 1)脱衣所・浴室までの移動は可能か
  2. 2)滑りやすい床で立位バランスを保持できるか
  3. 3)椅子から立ち上がる・座る能力は十分か
  4. 4)浴槽に出入りする能力はあるか
  5. 5)入浴で用いる道具の使用能力は問題ないか
  6. 6)体や髪をどの程度洗うことができるか
  7. 7)衣類の着脱には問題ないか
  8. 8)どのような環境設定であれば動作しやすいか

どのセルフケアにおいてもさまざまな視点から動作能力を評価していかなければなりませんが、入浴に関しては特に多角的に考える必要があると感じます。
やはり入浴に関連する工程は多いので、一つずつ確認していく作業が必要になるのです。
患者さんがご自宅に復帰されてから、安全に動作を行うためにも、リハビリにおいて丁寧に評価していくことは大切になります。
入浴場面を想定した評価ができるユニットを導入している病院・施設もあると思いますが、できるだけ実際の生活環境に近い状況で確認していくことをおすすめします。

入浴動作の自立に向けて実践できる2つのアプローチ方法

入浴動作の自立に向けて、リハビリ部門で行うことが多い2つのアプローチ方法をご紹介していきます。
どちらのアプローチも併用していくことが大切になるでしょう。

●基本的な機能訓練でベースの能力をアップ

リハビリにおいては、理学療法士や作業療法士が基本的な機能訓練も行っていきます。
病院のやり方にもよると思いますが、機能訓練は理学療法士が中心となって行うことが多いでしょう。
筋力・関節可動域・立ち上がり・立位や座位の保持といった観点で必要な機能を高めていきます。
機能訓練だけではカバーできないこともあるため、その場合は代償的な方法も検討していくことになるでしょう。
こうした基本的な機能訓練の効果は、入浴動作だけでなく、ほかの生活動作にも汎(はん)化されていきます。

●リハビリ場面で行う入浴動作の指導

リハビリでは、実際の入浴場面を想定した環境で、動作指導を行えることが理想です。
どうすれば安全に入浴できるのか、実際の環境に近づけて動作を指導していくことが必要になるのです。
入浴に関連する動作のなかで、筆者が最も注意が必要と感じるのは、やはり浴槽のまたぎ動作です
浴室のような滑りやすい環境であれば特に危険が高まるので、リハビリのスタッフが安全な方法を検討していくことが大切になります。
たとえば、脳血管障害で片麻痺のある患者さんが立位でまたぐことを目指す場合、非麻痺側の足から浴槽に入る練習を行います。
非麻痺側から浴槽に入った方が、お湯の温度を確かめることができますし、足でバランスをとりやすくなるといった利点があるためです。
あるいは、シャワーチェアを浴槽の隣に置いて座り、そこから片足ずつ浴槽に移っていく方法など、状態に応じて動作指導の内容も検討していきましょう。

入浴時の環境設定も考えよう!道具や福祉用具のアドバイスも

入浴動作へのアプローチでは、必要な環境設定を行っていくこともリハビリの仕事のうちです。
浴室の環境設定をはじめ、入浴で使うなに気ない道具に関するアドバイスまで行っていきましょう。

●介護用品・福祉用具の活用も視野に

リハビリのなかで自立に向けたアプローチは行っていきますが、場合によっては介護用品・福祉用具を活用することで、安全かつスムーズに入浴できる場合もあります。
シャワーチェアや浴槽用手すりなどは定番のアイテムですが、ニーズによっては浴槽に設置できる昇降リフトなども便利です。
どんな環境であれば安全に入浴できるのか、あるいは介護者の負担が軽減されるのか見極めていきます。

●ちょっとした入浴道具のアドバイスも有効

リハビリでは、自助具の選定やアドバイスも行っていきます。
たとえば、市販の細長いタオルにループ状の持ち手をつけた「ループ付きタオル」も、片手を中心に使って背中を洗うニーズがあるときには役立ちます。
このあたりはリハビリのスタッフが積極的にアドバイスを提供していきたいところです。
また、入浴ではシャンプーや石けん、風呂桶などさまざまな道具を用いることになります。
特別な福祉用具・自助具というわけではないのですが、ちょっとした入浴道具についてもともに考え、必要なアドバイスを行っていくと親切です。
患者さんのお話を聞いていくと、高齢の方では固形石けんを使用している方も少なくありません。
泡タイプのプッシュ式ボディソープだと片手で使えて便利という方もいますし、取っ手のついた小さめの桶の方が強い筋力が要求されないので使いやすいという方もいます。
リハビリのスタッフが、こうしたアイディアを蓄積していき、情報の引き出しを多く持つことがポイントであると感じます。
どんな環境設定がその方のニーズに合うかはケースバイケースですが、細かなところまでアドバイスができると、患者さんにとってはプラスになるでしょう。

まとめ

入浴動作の評価・介入は多角的に進めていかなければならないため、少し大変と感じるリハビリスタッフもいるかもしれません。
しかし、ポイントとなる視点を身につけることができれば、ほかの患者さんにも応用していくことができるでしょう。
動作指導では、一度の練習だけでは安全な動きを習得できないことも多いため、動作が定着するようにしっかりとサポートしていきましょう。
入浴動作が自立に近づくと介護者の負担も減るため、ぜひ丁寧にアプローチしてみてください。

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