整形外科・リハビリ病院が抱える課題(ヒト・モノ・カネ)をサポート

  • Facebook

クリニック・治療院 OGメディック

AIによるケアプラン作成の現状と将来性。AIはケアプランをどこまで作れるのか?

AIは介護でも活用され始めており、2018年にはケアマネジャー向けAIのサービスも実用化されました。
一方でケアマネジャーは、ケアプラン作成に多くの時間を割いています。
ここではAIによるケアプラン作成の現状と、将来性について解説します。

AIによるケアプラン作成の現状と、将来性

AIによるケアプラン作成は実用化されている

AIによるケアプラン作成は実用化されている

2010年代の後半にAIが飛躍的に発達したことにより、2018年には日本初の「ケアマネジャー向けAI」サービスが実用化されました。
また他社でも、AIによるケアプラン作成の実証実験が続々と行われています。
ここでは実用化されたサービス内容と、実証実験の現状について解説します。

●AIによるケアプラン作成は実用化されている

株式会社シーディーアイは2018年10月10日より、日本初のケアマネジャー向けAI「CDI Platform MAIA」のサービス提供を開始しました。

「CDI Platform MAIA」では以下の機能が搭載されており、ケアプラン作成の手助けとなります。

  • ○介護を必要とする方の状態に応じて、3種類のプランを提示
  • ○選んだプランを実施した場合に利用者の状態はどうなるか、予測をグラフで表示
  • ○プランごとの状態予測を、わかりやすくグラフで表示

●他社でも実証実験が進められている

AIによるケアプランの作成は、各社で実証実験が進められています。

セントケア・ホールディング株式会社では、埼玉県和光市における2010年から2015年の介護保険データを利用して、AIがケアマネジャーと同じようなケアプランを作ることができるかという実証実験を行いました。

また介護関連ベンチャーの株式会社ウェルモでは、2018年9月から福岡市などの協力を得て、AIにより以下の提案を行う実証実験を行っています。

  • ○ケアプラン第2表「解決すべき課題」に記入すべき文章の候補
  • ○利用者の持つ課題に合った介護施設の選定

実証実験においてAIに学習させるデータは、福岡市内487事業所から提供を受けており、大規模な実証実験であることが特徴です。

AIがケアプランを作るメリットとデメリット

AIがケアプランを作るメリットとデメリット

AIでケアプランを作成するメリットには、以下の2点が挙げられます。

  • ケアマネジャーの業務量減少が期待できる
  • ケアプランの質が向上し、見落としが減る

一方でAIにはデメリットもありますから、それぞれのポイントについて解説します。

●ケアマネジャーの業務量が減少する

AIを用いるメリットの1つは、ケアマネジャーの業務量減少が期待できることです。
2016年5月に厚生労働省の「介護給付費分科会」へ報告された資料によると、ケアマネジャーについて以下の記述があります。

  • ○ケアプランの作成業務は主な業務の1つであり、月間で40~53時間を費やしている
  • ○利用者の受け持ち人数が30人以上の場合、月間の勤務時間は180時間を超える
  • ○利用者の受け持ち人数が増えても、ケアプランの作成時間が増えるとは限らない

このように受け持ち人数の多少にかかわらず、ケアプランの作成はケアマネジャーにとって、多くの時間を要する業務となっています。
実際に業務遂行における悩みのトップに、「記録する書式が多く手間がかかる」点が挙げられています。
AIを活用することで、ケアプラン作成業務にかける時間を減らすことが期待できます。

●ケアプランの質が向上する

ケアプランにAIを活用するもう1つのメリットは、ケアプランの質が向上することです。
AIもケアプランを作成することで、AIとケアマネジャーの両方の視点で利用者のケアプランを作成できるようになります。
このため経験の浅いケアマネジャーでも、AIが蓄積する情報を活用して、ケアプランを作成できます。

またベテランのケアマネジャーでも、意図せずに法令や条例に反するケアプランを作ってしまう場合があります。
このような事態が起きてもAIにより指摘がされますから、万全なケアプランを作成する手助けとなります。

●デメリットは、未知の事例にはうまく対応できないこと

AIは、過去のケアプランをもとに学習します。
そのため、未知の事例に遭遇した場合は適切なケアプランが作れないという弱点があります。

その場合は自分自身の知識・経験にできるだけ似たケースから類推して、適切なケアプランを作るように努めます。
この能力は人間のほうが優れていますから、すべてをAI任せにできるわけではありません。

ケアプラン作成にAIを活用することの将来性

ケアプラン作成にAIを活用することの将来性

ケアプランにAIを活用することには、将来性があるといえます。
ここでは主にAIそのものの進化と、社会的な要請について解説していきます。

●AIの進化は進んでいる

ケアプラン作成の分野において、AIの進化は日進月歩です。
AIの実証実験を行っている株式会社ウェルモにおいても、2019年秋のベータ版サービス提供を目指しています。

ただし、AIは情報を扱うことは得意ですが、それ以外のことはできません。
ケアマネジャーには多種多様な職務がありますから、AIはあくまでも業務の補助者であり、業務効率化のための道具として使われることになります。

●社会からの要請も、将来性を後押し

AIによるケアプラン作成が求められる背景には、社会からの要請もあります。

1つは、介護報酬の問題です。
介護報酬は国が決めていることに加えて、経営に十分な収入が得られていないという実情もあります。
AIを活用することによって、利用者と対面するなど人間でしかできない業務により多くの時間を投入することが可能です。
これにより、職員を増やさずとも利用者へのサービス向上が図れます
また厚労省にとっては、介護給付の費用を有効活用できることにつながります。

もう1つは、働き方改革という側面です。
さきに説明した厚労省のデータでは、受け持ち人数の多いケアマネジャーは長時間労働となっている方が多くなっています。
AIを活用することで、労働時間の短縮も期待できます。

ケアマネジャーの負担を、AIが軽減する

AIによるケアプラン作成は完璧ではなく、ケアマネジャーがチェックすべき点は将来も変わりません。
しかしAIの活用によりケアマネジャーの負担を軽減でき、人と向き合う仕事などに時間をまわすことができます。
その意味では、AIはケアマネジャーの業務を補助する力強い味方となります。
またAIをうまく活用することにより仕事のしくみを変えることができ、人員を増やせなくても利用者の満足を得ることが可能です。

参考:
インターネットインフィニティー ついに商品化! “ケアプラン×AI元年”を振り返る.(2019年2月22日引用)
シーディーアイ 自立支援を目指すケアデザイン人工知能 CDI Platform MAIA.(2019年2月22日引用)
シーディーアイ 自立支援を目指すケアデザイン人工知能「CDI Platform MAIA」のサービス提供を開始~日本初となるケアマネジャー向け人工知能がついに実用化~.(2019年2月22日引用)
日経BP AIでケアマネジャーを支援、ウェルモが実証実験.(2019年2月22日引用)
インターネットインフィニティー AI×ケアプランで日本初の大規模実験―福岡市、ケアマネ協会も支援.(2019年2月22日引用)
PR TIMES 介護関連ベンチャーのウェルモが、福岡市の協力でケアプラン作成支援AIの実証実験を開始.(2019年2月22日引用)
セントケア・ホールディング 自立支援を促進するケアプラン策定における人工知能導入の可能性と課題に関する調査研究報告書.(2019年2月22日引用)
社団法人日本介護福祉士会 (5)居宅介護支援事業所及び介護支援専門員の業務等の実態に関する調査研究事業(結果概要).(2019年2月22日引用)※2016年5月の「介護給付費分科会」で報告
東洋経済オンライン AIが福祉改革、目の前に山積する課題と奮闘.(2019年2月22日引用)
WIRED 動物と機械からはなれて-「自律性」という広大な未知を探索する.(2019年2月24日引用)

  • 執筆者

    稗田 恵一

  • 千葉県在住で、ITエンジニアとして約14年間の勤務経験があります。過去には家族が特別養護老人ホームに入所していたこともありました。2018年からは関東にある私大薬学部の模擬患者として、学生の教育にも協力しています。
    現在はライターとして、OG WellnessのほかにもIT系のWebサイトなどで読者に役立つ記事を寄稿しています。
    保有資格:第二種電気工事士、テクニカルエンジニア(システム管理)、初級システムアドミニストレータ

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)