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介護施設の入所者が徘徊することをAIで防止!徘徊を防ぐサービスをご紹介

介護施設から入所者が徘徊することは管理上の問題にとどまらず、事故などの原因にもなります。
これに対して近年ではAIを活用し、徘徊を防ぐシステムが続々と登場しています。
本記事ではAIを用いた徘徊防止システムの特徴について、解説していきます。

徘徊防止に役立つAI

介護施設の入所者が徘徊することがもたらすリスク

介護施設の入所者が徘徊することがもたらすリスク

介護施設の入所者の中には認知症を患うなどの理由で、徘徊する方も少なくありません。
このことは入所者本人だけでなく、介護施設やご家族、社会に対してもさまざまなリスクをもたらします。

2019年6月に警察庁が公表した「平成30年における行方不明者の状況」によると、原因に認知症またはその疑いがある方は、全体の19.2%(16,927人)となっています。
特に70代以上では以下の通り、「認知症またはその疑い」が行方不明の主な原因となっています。

  • ○70代:全体の65%(6,577人)
  • ○80代以上:全体の78%(8,857人)

入所者は高齢者が主体ですから、徘徊に遭遇することは決して珍しくありません。
もし入所者が意図せず施設外に出た場合は、以下のような事態に陥るリスクがあります。

  • ○脱出した際にけがを負う
  • ○交通事故に遭う
  • ○自転車や自動車を運転し、遠くへ行ってしまう。あるいは交通事故を起こしてしまう
  • ○熱中症や低体温症になる
  • ○踏切に入り列車と衝突することで、損害賠償を求められる

また施設内にとどまっている場合でも、徘徊により転倒や転落・骨折するなど、思わぬ事故に遭う場合があります。
いずれの場合も施設の対応に不備がある場合は、家族などから責任の追及や、損害賠償を求められるリスクがあります。

このため安全確保のためにも、入所者の徘徊を極力防ぐ必要があります。
一方で介護は限られた人数で行う必要があるため、人手に頼らず徘徊を防ぐ仕組みも求められます。

AIを活用した徘徊の検知方法

AIの活用により、徘徊が起きる前に予測し、検知するシステムが実用化されています。
その検知方法には2通りありますから、それぞれについて特徴を取り上げ、解説していきます。

●顔認証で検知

顔認証で検知

徘徊を検知する方法の1つに、入口などにカメラを設置しておき、あらかじめ入所者の顔画像を学習させておく方法があります。
もしカメラが入所者の姿を捉えた場合は、すぐに介護職員に知らされます。

この方法には、以下の特徴があります。

  • ○入所者の無断外出だけを検知し、通知できる。家族などの訪問者は検知しないので、無駄な通知がない
  • ○施設やフロアの出入口だけ設置した場合でも効果がある
  • ○入所者の顔画像を使うため、プライバシーへの配慮が必要

従って顔画像で検知する方法は、徘徊防止に重点を置きたい場合に向いています。

●センサーで検知

センサーで検知

もう1つの方法は、居室などにセンサーを設け、退室しようとする行動を検知するものです。
この方法には、以下の特徴があります。

  • ○顔認証と異なり、プライバシーへの抵抗感が少ない
  • ○問題行動のパターンをあらかじめAIに学習させているため、徘徊以外の異常も検知できる
  • ○個室に設置する場合は、入所者との紐づけが可能
  • ○入所者以外の人も検知される可能性がある

従ってセンサーで検知する方法は、徘徊の芽を事前に摘み取りたい場合や、入所者の安心をトータルに確保したい場合に向く方法です。

実用化されているサービスの例

さきに紹介した2つの検知方法それぞれについて、実用化されているサービスがあります。
ここではその例を取り上げ、特徴を解説していきます。

●顔認証徘徊防止システム LYKAON(リカオン)

顔認証徘徊防止システム LYKAON(リカオン)

LYKAONは入所者を顔認証で検知し、徘徊を防止するシステムです。
あらかじめ入所者の写真を撮影しておき、LYKAONに登録しておきます。
同時に施設の出入口には、専用のカメラを設置します。
カメラが無断外出しようとする入所者を検知すると、さまざまな方法で直ちに通知が行われます。

  • ○ランプ
  • ○ブザー
  • ○スタッフや管理者が持つ、スマートフォンや携帯電話

LYKAONを活用することで、多くの機器を設置しなくても確実に徘徊を検知でき、入所者の安全を守れます。
また入所者だけを検知できるため、誤検知に悩まされずに済む点も特徴の1つです。

●A.I.Viewlife(エイアイビューライフ)

エイアイビューライフ
エイアイビューライフ

A.I.Viewlifeは、広い範囲を見守ることが可能な「広角IRセンサー」を活用しています。
センサーには退室を検知する機能もありますから、もちろん徘徊防止にも使えます。
しかし退室以外にも、以下の通り幅広い異常を検知できる点が特徴に挙げられます。

  • ○転倒
  • ○うずくまり、横たわり
  • ○柵を越えたり、ずり落ちたりする

異常を検出した場合は画像とともに、介護職員のスマートフォンに送られます。
また検知履歴は自動で保存されますので、後からでも確認が可能です。

このためA.I.Viewlifeは徘徊を防ぐだけでなく、入所者の安心をトータルに守れることが特徴です。
また画像は画質を粗くするなど、プライバシーにも配慮されているため安心です。

徘徊を減らすにはAIだけでなく、介護職員の工夫も必要

AIを活用した徘徊防止システムの活用により、早期に徘徊の兆候を知ることができ、適切な対処ができるようになりました。
しかしシステムを使うことで徘徊自体を防ぐことはできても、入所者の不満が高まるようではいけません。
入所者が安心して過ごすためには、規則や監視でがんじがらめにするだけでは不十分であり、介護職員の工夫も求められます。

一例として、本サイト「施設全体で見直したい。事例から考える認知症ケアで習得すべきエッセンスとは」で紹介されている方法が挙げられます。
入所者への関わり方を見直し、入所者に寄り添い安心感を与えることで、徘徊行動自体を減らすことが可能です。

AIの活用で、徘徊の防止と入所者・介護職員のストレス低減を両立できる

ここまで解説した通り、入所者に「監視されている」というストレスを与えないまま、徘徊を防ぐシステムが実用化されています。
いざというときは直ちに介護職員へ通知されますから、スタッフのストレスも軽減されます。

AIに任せられるところは任せることで、今よりも入所者への時間を割くことができ、入所者に寄り添った対応が可能です。
その結果、入所者にとって暮らしやすい施設が増えることも期待できるでしょう。

参考:
警察庁 平成30年における行方不明者の状況.(2019年12月18日引用)
警察庁 平成30年における行方不明者の状況について(全体のポイント).(2019年12月18日引用)
LIFULL senior 認知症による徘徊―その原因と対応方法.(2019年12月18日引用)
HITOWAケアサービス 認知症で徘徊し始めた人への正しい対応と介護疲れしない方法.(2019年12月18日引用)
リカオン 認知症患者による徘徊の現状.(2019年12月18日引用)
北海道 老人施設等における事故事例集.(2019年12月18日引用)
明治安田システム・テクノロジー MY介護の広場 法律でひもとく介護事故 テーマ5 徘徊して事故.(2019年12月18日引用)
加藤智幸: 見守り・徘徊感知システム. 地域リハビリテーション13: 258-262, 2018.
リカオン 認知症対策 顔認証徘徊防止システム【LYKAON】-リカオン株式会社-.(2019年12月19日引用)
リカオン 顔認証システムを使った医療・介護施設の無断外出防止策.(2019年12月19日引用)
リカオン 導入メリット. (2019年12月19日引用)
リカオン 認知症対策に 徘徊検知器の種類と選び方.(2019年12月19日引用)
リカオン 『顔認証 徘徊防止システムLYKAON』プロモーション映像.(2019年12月19日引用)
リカオン 顔認証徘徊防止システムLYKAON 導入イメージ動画.(2019年12月19日引用)
エイアイビューライフ 製品紹介 | A.I.Viewlife エイアイビューライフ.(2019年12月19日引用)
エイアイビューライフ A.I.Viewlife導入による具体的なメリット.(2019年12月19日引用)
エイアイビューライフ A.I.Viewlifeパンフレット_2018年12月版.(2019年12月19日引用)
エイアイビューライフ A.I.Viewlifeご紹介資料.(2019年12月19日引用)
エイアイビューライフ A.I.Viewlife 新プロモーションビデオ(5分).(2019年12月19日引用)
オージー技研 施設全体で見直したい。事例から考える認知症ケアで習得すべきエッセンスとは.(2019年12月18日引用)

  • 執筆者

    稗田 恵一

  • 千葉県在住で、ITエンジニアとして約14年間の勤務経験があります。過去には家族が特別養護老人ホームに入所していたこともありました。2018年からは関東にある私大薬学部の模擬患者として、学生の教育にも協力しています。
    現在はライターとして、OG WellnessのほかにもIT系のWebサイトなどで読者に役立つ記事を寄稿しています。

    保有資格:第二種電気工事士、テクニカルエンジニア(システム管理)、初級システムアドミニストレータ

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