自閉症のある子どもにおすすめのアプリ6つ!リハビリ・療育でも役立つツールをご紹介
発達障害の子どもの療育・セラピーを手がける医療機関や施設では、iPadなどのタブレット端末、スマートフォンなどを活用していることも多いのではないでしょうか。
近年は、便利なアプリも多数登場しているため、有効活用していきたいところです。
今回は、自閉症の子どもの療育に役立つおすすめのアプリをご紹介します。
療育に携わっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.コバリテ・コミュニケーション
対応 | 価格 |
---|---|
iOS | 無料 ※有料版もあり |
絵カードを動かし、文章を作ることができるアプリです。
「ジュース」+「ください」など、イラストの描かれた絵カードを選んで意思表示できます。
また、このアプリのいいところは、端末で写真を撮ってオリジナルの絵カードを作ることができる点にもあります。
紙ベースのカードのように、必要に応じて自分で写真を撮り、プリントアウトして、ラミネート加工するなどの手間はかかりません。
自閉症があり発話のない子ども、発話が苦手な子どもと一緒に使用してみてはいかがでしょうか。
https://apps.apple.com/jp/app/id1452447742
2.LED Timer
対応 | 価格 |
---|---|
iOS | 120円 |
自閉症の子どもでは、見通しが持てないと落ち着かなくなることがしばしばあります。
今やっている活動をいつまでやるのか、どうなったら終わりなのかがわからず、実際に別の活動に移る段階になると受け入れられないことがあるのです。
LED Timerは、残り時間の減少とともに、LEDライトのような光が減っていく仕組みになっているアプリです。
もともと、自閉症の方の支援を行う施設で働く職員からの要望を受けて作られたタイマーです。
残り時間を視覚的に提示できるため、自閉症の子どもが「活動の終わり」を把握しやすくなります。
また、LED Timerの場合は、縦横に並んだ小さなランプが順番に消えていく方式か、アナログ時計の針が時計回りに進んでいくような形で残り時間を示す方式か選択可能です。
https://applinote.com/ios/rd/app/39529
3.Time Timer
対応 | 価格 |
---|---|
iOS | 370円 |
療育などで残り時間を赤い色で表示できる時計「Time Timer」を机上において使用した経験のある方もいるかもしれません。
なんと、Time Timerにはアプリもあり、iPhoneやiPadで使用することができます。
療育現場でおなじみのTime Timerと同じデザインなので、これまで使い慣れていた子どもがいれば、こちらを選択するのも良いでしょう。
前述のLED Timerとは機能が似ていますが、見た目のデザインも異なるので、どちらが使いやすいか比較検討してみてください。
https://apps.apple.com/jp/app/time-timer/id332520417
4.子ども静かにタイマー
対応 | 価格 |
---|---|
iOS | 250円 |
子ども静かにタイマーは、活動時間を視覚的に示すのではなく、「静かにしなければならない時間」をタイマーやイラストで提示してくれる面白いアプリです。
静かにしてほしいときは、「シーだよ」「静かにしなさい」といった声かけにとどまってしまいがちですが、自閉症の子どもにとっては「いつまで、どれくらい静かにすればいいのか」が把握できないことがあります。
自閉症の子どもが、手を叩いたり、大声を出したりすることはありますが、場面や年齢など、状況によっては静かにする必要もあります。
そんな練習をしたいときに、子ども静かにタイマーが重宝します。
アプリの画面には、残り時間をカウントするタイマー、眠っている犬のイラストが出てきます。
iPhoneやiPadのマイク機能によって、音声をキャッチして、ある限界値を超えたら、画面の犬が怒って吠え出す仕組みになっています。
「寝ているワンちゃんを起こさないように」などと声かけできるので、子どもも楽しみながら静かにする練習ができます。
そして、保護者から「子どもがおとなしくできない」と相談を受けたときにも、このようなアプリがあると伝えることができます。
5.たすくスケジュール
対応 | 価格 |
---|---|
iOS | 1,840円(iPhone版) 2,580円(iPad版) |
たすくスケジュールでは、タイムラインにイラストを入れながら、一日のスケジュールを作成することができます。
「7:00 バスで待つ」「8:00 公園」といった具合で、時間とイラストを入れていけるため、その日の予定を視覚的に捉えやすくなります
療育場面でも、ホワイトボードなどに活動の順番を書いて子どもに見せることはあります。
手書きの場合よりも手軽であり、さらにイラストがあることによって、より情報を捉えやすくなります。
これからやることに対して見通しが持てない子どもに活用したいアプリです。
iPhone版
https://apps.apple.com/jp/app/id383317351?ls=1
iPad版
https://apps.apple.com/jp/app/tasukusukejuru-for-ipad/id429593198?ign-mpt=uo%3D4
6.こえキャッチ
対応 | 価格 |
---|---|
Android | 無料 (アプリ内課金あり) |
こえキャッチは、声の大きさを調整することを学べるアプリです。
自閉症をはじめ、発達障害のある子どもの中には、声量のコントロールが難しいケースもあります。
このアプリでは、声のボリュームをマイクが捉えて、動物たちがスイーツをキャッチするという仕様になっています。
ねずみ(小さな声)、ねこ(真ん中くらいの声)、ライオン(大きな声)といったように、動物によって出すべき声の大きさが変わります。
このアプリのゲームで声の調整を学び、日常生活においても「今はねずみさんの声で(静かに話そうね)」といった形で促すことができます。
見た目にもかわいらしく、子どもが楽しく声のボリューム調整を学べます。
課金した場合には、星がたくさん落ちてくるようになりますが、必要に応じて検討してみると良いでしょう。
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.litalico.voicevolumecatcher&hl=ja
自閉症の子どもの療育にはアプリを活用してみよう!
自閉症のある子どもの療育において、時間やスケジュールの提示、絵カードの使用など、すでにアナログな手法で行っていることも多いでしょう。
今はさまざまなアプリが開発されており、類似した機能があるものを、より便利で快適に使用できるようになりました。
自閉症に限らず、子どもはタブレットやスマートフォンを操作するのを好むという側面もあるため、興味をひくことができるかもしれません。
自閉症の子どもの療育に携わっている人は、ぜひ便利なアプリを活用してみてください。
-
執筆者
-
作業療法士の資格取得後、介護老人保健施設で脳卒中や認知症の方のリハビリに従事。その後、病院にて外来リハビリを経験し、特に発達障害の子どもの療育に携わる。
勉強会や学会等に足を運び、新しい知見を吸収しながら臨床業務に当たっていた。現在はフリーライターに転身し、医療や介護に関わる記事の執筆や取材等を中心に活動しています。
保有資格:作業療法士、作業療法学修士