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リハビリ業務支援システムの機能を紹介。日々の業務に有効活用を

リハビリの現場で導入されている「リハビリ業務支援システム」。
さまざまな機能に気づかないまま、不満を持つ方もいるかもしれません。
本記事ではリハビリ業務支援システムの機能を取り上げます。

システムの選定や使いこなすきっかけとしましょう。

リハビリ業務支援システムの機能、使いこなせていますか?

リハビリ業務支援システムでできること

リハビリ業務支援システムでできること

リハビリ業務支援システムでは、以下に挙げるさまざまな機能を搭載しています。
活用するメリットを解説する前に、どのような機能があるかおさらいしておきましょう。

  • ○患者さんとスタッフのスケジュールや実績管理
  • ○リハビリの実施計画書や、実施後のリハレポート(リハカルテ)を作成
  • ○患者ごとの機能評価
  • ○診療報酬の点数チェック
  • ○さまざまな帳票の出力
  • ○院内のWebブラウザやスマートフォン、タブレットなどから入力可能

上記に示した機能のうち、一部を活用できていない職場もあるかもしれません。
うまく活用することで追加投資の必要なく、業務環境を改善できる可能性があります。

リハビリ業務支援システムを使う4つのメリット

リハビリ業務支援システムを活用するメリットは、大きく4つに分けられます。
それぞれのメリットについて、詳しく解説していきましょう。

●手書きから解放。帳票や報告書も作りやすい

リハビリ業務支援システムの導入により手書きの手間から解放されることはもちろんですが、メリットはそれだけではありません。
さまざまな帳票や報告書を、手間なく作成できることも特長です。
一例として、以下の書類が挙げられます。

  • ○リハビリテーション総合実施計画書
  • ○患者さん向けの評価表(FIMやBIなど)
  • ○日報や月報
  • ○病棟管理統計
  • ○勤務表

ExcelやCSVでの出力が可能なシステムもあり、データを自由に加工できるメリットも得られます。
また医療機関指定のフォーマットで作成できるシステムでは、作成後に煩雑な加工をしたり、手で転記したりする手間を省けることもメリットです。

●他システムとの連携も可能

リハビリ業務支援システムのなかには、医療機関で使われている他システムとの連携が行えるものも少なくありません。

  • ○電子カルテ
  • ○医事会計システム
  • ○オーダリングシステム
  • ○ORCA(日医標準レセプトソフト)

これらの機能を活用することで同じ内容を二度入力する必要がなくなるなど、事務作業の手間を削減できます。
空いた時間は患者さんへの対応や残業時間の削減などにあてることができ、サービスや経営の改善に役立ちます。
すでにシステム化が進む医療機関で採用する場合は、他システムと連携できるサービスを選ぶと導入効果が高まります。

●Webブラウザやスマートフォン、タブレットからのアクセスも可能

リハビリ業務支援システムのなかには、院内のWebブラウザやスマートフォン、タブレット端末からアクセスできるものもあります。
すべての端末にプログラムをインストールする必要がないため、導入の手間が省けます。
使いたいときにすばやく使える点は、大きなメリットといえるでしょう。

なかには、タブレット端末で手書きのサインが可能なシステムもあります。
患者さんによるサインを電子的に済ませることで、以下の手間を省けることは見逃せないポイントです。

  • ○あらかじめ書類を印刷する手間
  • ○記入済みの書類を保管するスペース

●画像や動画を使って、臨場感あふれる情報を共有できる

リハビリ業務支援システムのなかには、画像や動画を添付できるものもあります。
言葉や文章で説明しにくくても、患者さんの動作を見れば一目瞭然といったケースもあるでしょう。
臨場感あふれる情報によりスピーディーかつ正確な情報共有を行えることは、大きなメリットの1つです。

リハビリ業務支援システムを選ぶ3つのポイント

リハビリ業務支援システムを選ぶ3つのポイント

ここまで、リハビリ業務支援システムを使うメリットを解説してきました。
さまざまな機能があることに気づいた方も、多いのではないでしょうか。

一方で新規導入を検討する場合、良いシステムを選ぶためにはいくつかのポイントがあります。
ここでは3つのポイントを取り上げ、解説していきます。

●操作性は重要。直感的なものが使いやすい

リハビリ業務支援システムを活用する方の多くはリハビリスタッフです。
ITに関してあまり詳しくないという方も、多いのではないでしょうか。
複雑な操作が要求されるシステムでは現場で敬遠されてしまい、せっかくの導入費用が無駄になりかねません。

このため以下のように、直感的に使えるシステムを導入すると良いでしょう。

  • ○必要な情報が1枚の画面で表示される
  • ○マウスでのダブルクリックや、ドラッグ&ドロップが可能
  • ○過去に入力した記録を参照しながら入力できる

可能であれば事前の試用やデモンストレーションを受けるなど、事前に操作性をチェックすると良いでしょう。
操作の研修があるかどうかも、重要なポイントに挙げられます。

せっかく良いシステムを導入しても、現場で使われなければ意味がありません。
そのため操作性にこだわり、現場の方が使いやすいシステムを導入することをお勧めします。

●充実したサポートも重要

リハビリ業務支援システムを選ぶ際には、サポートが充実していることもチェックしておきましょう。
診療報酬の改定に対応することはもちろんですが、定期的な機能強化が行われることも重要なポイント。
また電話やWebなど、さまざまな方法でサポートが受けられると便利です。

●導入・運用には製品以外にも、さまざまな費用がかかることに注意

多くのリハビリ業務支援システムでは、業務システムそのもの以外に以下の製品が必要です。

  • ○サーバーや端末
  • ○基本ソフト(いわゆるOSのこと。Windowsなど)
  • ○データベースソフト(Oracle、SQL Server、PostgreSQLなど)

これらの導入費用は、業務システムと別に必要です。
その価格は、データベースソフトだけで数百万円単位となる場合も少なくありません。
さらに製品によっては保守サポート費用として、年間数十万から百万円以上のランニングコストがかかる場合もあります。

このように導入費用やランニングコストを算出する際は、業務システム以外の部分で多額の費用がかかる可能性があることに注意が必要です。
「業務システムそのものの費用は高いが、トータルで見ると割安」という場合もありますから、費用を算出する際はトータルでのコストで比較することが重要です。

今後はクラウドサービスの登場も期待される

リハビリ業務支援システムの多くは「オンプレミス」と呼ばれる、施設内にサーバーと端末を置くタイプとなっています。
一方でパナソニックでは2020年度中の製品化を目指し、デイサービス事業者向けのリハビリ支援クラウドシステムを開発中です。

クラウドサービスはインターネットが必須で、データはサービス運営会社が指定する場所に預ける必要があります。
一方で、以下のメリットが得られます。

  • ○施設内にサーバーを置かずに済み、初期費用が大きく抑えられる
  • ○契約後、短期間で利用開始できる
  • ○サーバーの保守費用や、メンテナンスの手間がかからない

パナソニックのプレスリリースでは、「タブレット一台で効率化」という文面もあります。
導入へのハードルが下がるなどのメリットがありますから、クラウドサービスの登場と普及が期待されます。

特徴あるリハビリ業務支援システムの例

リハビリ業務支援システムは、さまざまなサービスから選べます。
そのなかには、特徴のあるシステムも少なくありません。
ここでは3つのシステムを取り上げ、どのような特徴があるか確認していきましょう。

●ピクオス「リハメイト」「リハメイト エイト」

ピクオスが提供する「リハメイト」は、以下の特徴を持つシステムです。

  • ○1,100件以上の導入実績。全国どこでも導入可能
  • ○患者さん、予約、実績の3つの情報を1つの画面で確認できる
  • ○医療機関独自の書式を使える
  • ○Webでも電話でもサポートを受けられる
  • ○Webブラウザの活用で、院内どこからでもリハビリデータを閲覧可能
  • ○事前に試用できる
  • ○本稼働前に操作研修が受けられる

導入実績が豊富で使いやすく、手厚いサポートを整えていることが特徴です。

またピクオスは、機能が少ない代わりに費用も抑えた「リハメイト エイト」も提供しています。
システム連携や医療機関独自の書式などは使えず、操作研修は電話となる点などが「リハメイト」と異なる点です。
しかし基本的な機能は搭載しており、使いやすさもそのままである点が特徴です。

●タック「リハビリテーション支援システム」

タック「リハビリテーション支援システム」

タック株式会社が提供するシステムでは、以下の通り特徴ある機能を搭載しています。

  • ○動画や写真を登録でき、リハビリの状況を視覚的に確認できる
  • ○90種類以上の統計を用意。さまざまなデータを出力できる
  • ○年1回以上のレベルアップを実施。もちろん診療報酬改定にも対応
  • ○Web機能を活用し、リハビリスタッフ以外でも状況を確認できる

便利な機能が備わっていますが、とりわけさまざまな角度から分析したい職場にお勧めのシステムといえるでしょう。

●セラPOST

セラPOST

セラPOSTは、以下の特徴を持つリハビリ業務支援システムです。

  • ○Webブラウザやスマートフォン、タブレット端末での利用が可能
  • ○タブレット端末を活用し、患者さんに直接画面上でサインしてもらうことができる
  • ○動画や画像、WordやExcelなどの文書を取り込める
  • ○さまざまな規模の医療機関で活用できる

「スタッフにとって使いやすいシステム」という印象を持った方も多いでしょう。
使い勝手を追求したシステムであることが特徴です。

システムの機能を再確認し、業務効率化に生かそう

リハビリ業務支援システムにはさまざまな機能があり、システムごとに異なる特徴があります。
現在のシステムに不満がある場合は、まず搭載されている機能を確認してみましょう。
未活用の機能で課題が解決できるならば、追加費用なしで課題を解決できます。

また新しいシステムを導入する場合は職場のニーズに合うか、事前のチェックが必要です。
多くのシステムでは製品そのもの以外の費用が必要な点にも留意して選定しましょう。

参考:
ピクオス リハメイト(2021年2月22日引用)
タック リハビリテーション支援システム(2021年2月22日引用)
セラPOST リハビリテーション業務支援システム セラPOST(2021年2月22日引用)
SFKメディカル 【取扱製品】リハビリテーション業務支援システム セラPOST(2021年2月22日引用)
マルマンコンピュータサービス リハビリテーション業務支援システム リハ物語POST(2021年2月22日引用)
ソーネット 医療リハビリシステム 「リハねっと」(2021年2月22日引用)
グリーム リハビリ管理支援システム リハッシュ(2021年2月22日引用)
ソフトサービスライフケア リハスタにできること(2021年2月22日引用)
パラマウントベッド FIM(機能的自立度評価法)とは?(2021年2月22日引用)
パラマウントベッド 介護度判定で使われる動作評価法バーセル・インデックスとは(2021年2月22日引用)
オラクル Oracle Global Pricing and Licensing Price Lists(2021年2月19日引用)
オラクル Oracleテクノロジー製品 価格表 p2(2021年2月19日引用)
システムエグゼ 第1回:各DBにかかるコストについて(ライセンス費用、保守費用)(2021年2月23日引用)
パナソニック デイサービス事業者向けリハビリ支援クラウドシステムを開発(2021年2月19日引用)

  • 執筆者

    稗田 恵一

  • 千葉県在住で、ITエンジニアとして約14年間の勤務経験があります。過去には家族が特別養護老人ホームに入所していたこともありました。2018年からは関東にある私大薬学部の模擬患者として、学生の教育にも協力しています。
    現在はライターとして、OG WellnessのほかにもIT系のWebサイトなどで読者に役立つ記事を寄稿しています。

    保有資格:第二種電気工事士、テクニカルエンジニア(システム管理)、初級システムアドミニストレータ

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