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聴診器もデジタル化の恩恵を受ける。4つのメリットと代表的な製品を紹介します

2019年に、デジタル化された聴診器が登場しました。
一般的な聴診器とくらべて楽に利用でき、小さい音でも診断しやすいこと、感染症への罹患を防げることが魅力です。
本記事では4つのメリットと、代表的な2つの製品を紹介します。

聴診器をデジタル化することで得られる4つのメリット

古くから使われている聴診器にも、課題がある

聴診器は、世に出てから200年もの歴史を持っています。
複雑な構造をしていないこともあり、一見すると技術革新は尽くされた機器のように見えます。
しかし21世紀になって、改善すべき点が目立つようになってきました。

ここでは4つの課題を取り上げ、解説します。

耳が痛い 聞きづらい

●健康診断など多くの人数を診察すると、耳が痛くなる

聴診器は付けたり外したりを繰り返すと、耳が痛くなることは難点の1つです。
たとえば健康診断の場合は、ときに300人から400人もの診察を1人で行う場合があります。
このため「耳が痛い」という悩みを持つ方も、少なくありません。
なかには頭痛を訴える方もいます。

もし耳に接触する「イヤーチップ」や「イヤーピース」をヘッドフォンに変えることができれば、耳や頭への負担は大きく軽減します。
しかし聴診器の構造上、難しいことが実情です。

●対面かつ患者さんに接触して使うことが必須

聴診器は対面で、かつ患者さんに接触して使うことが必須です。
女性が受診する場合、患部によっては男性医師の診療を受けることに抵抗を感じる場合もあるかもしれません。
この点について橋本らは2001年に、以下の調査結果を公表しています。

  • ○男性医師に抵抗を感じる女性の割合は、腹部の診療で24.1%、胸部の診療で30.7%
  • ○産婦人科的診療の場合は、男性医師に抵抗を感じる女性の割合が64.8%に達する

特に産婦人科に関する診療で、抵抗感が強いことがわかります。
胸部や腹部、頭部などの診療には抵抗を感じなくても、産婦人科では男性医師を避けたいという患者さんも少なくありません。

加えて新型コロナウイルスなど、感染症の疑いがある患者さんを対面で聴診する場合は、医師や看護師が罹患するリスクを伴う点も課題に挙げられます。
もし非接触での聴診が可能になれば、リスクの低減が期待できます。

●音量を調整できない

聴診器は低い音を聞く「ベル面」と、高い音を聞く「ダイヤフラム面」での使い分けはできます。
一方で音が聞き取りにくいからといって、ボリュームを上げることはできません。
このことに、もどかしさを感じた方も多いのではないでしょうか。
特に耳が遠くなってしまった方が診療に携わる場合、この点は大きなハードルとなり得ます。

●結果を記録し、ほかのスタッフと共有できない

従来の聴診器で得られる情報は音だけです。
電子機器ではないため聞き取った音を記録できず、後で聞き返すこともできません。
データを自分で記載しなければならないため 覚え違い・記載間違いが発生することも
またほかのスタッフの意見やアドバイスを得ようにも、あなたが聞き取った音そのものをもう一度聞かせることはできません。
代わりに、あなたが音を聞いて感じた内容を言葉に翻訳し、意見などを聞くことになります。
このため、100%正確な情報をもとにしたアドバイスを得られるとは限りません。

聴診器もデジタル化の恩恵を受ける。活用する4つのメリット

聴診器が持つ課題のなかには、デジタル化によって解決できるものも多いです。
デジタル化された聴診器を活用する4つのメリットを取り上げ、その内容を解説します。

●ヘッドフォンやスピーカーを使えるため、耳を傷めずに済む

デジタル聴診器は、以下の2つの部分が分離されていることが特徴です。

  • ○患者さんに接触する部分(チェストピース)
  • ○医師が音を聞く部分

音を聞く機器はイヤホンだけでなく、ヘッドフォンやスピーカーも選べます。
耳への負担が少なく、使い慣れた機器を用いて音を聞けることは、円滑な診療を行うためにも見逃せないメリット
に挙げられます。

●非接触での聴診が可能

デジタル聴診器ならばBluetooth®(ブルートゥース)といった無線通信の活用により、非接触での聴診が可能となります。
これにより、以下のメリットが得られます。

  • ○患者さん自身が患部にチェストピースを接触させるため、羞恥心を感じにくい
  • ○ビニールカーテンやアクリルパネル越しでの聴診ができるため、医療従事者の感染リスクを減らせる
  • チェストピースの消毒がしやすくなる

デジタル聴診器の活用により、患者さんに安心感を与えることが可能です。

●ボリュームを調整できる機器もある

デジタル聴診器のなかには、ボリュームを調整できる機器もあります。
音がはっきり聞こえない場合でも、ボリュームを上げることで診断しやすくすることが可能です。
加えて低音域や高音域など、特定の音域を聞きやすくするよう調整できる機器もあります。

聴診器でボリュームを自由に調節できることにより、上半身裸になることを必須とせず、服を着たままでの健診も行いやすくなります。
受診者が寒さや恥ずかしさをがまんせずに済むことは、大きなメリットです。

●録音や可視化もできる機器もある

録音できる、また音を可視化できる機器があることも、デジタル聴診器の特徴に挙げられます。
録音することでその場にいないスタッフとも情報を共有でき、より良い診断や治療に役立てることが可能です。

また機器によっては、聴診器で聞き取った音を画像に置き換えて可視化する、アラーム音や人の声を取り除くといった機能を搭載しているものもあります。
これらも、より正確な診断に役立つ機能です。

代表的なデジタル聴診器を紹介

デジタル化された聴診器は、複数のメーカーから製品が提供されています。
ここからは2つの製品について、特徴を解説していきます。

●シェアメディカル「ネクステート(Nexstetho)」

Nexstetho® エモーション

ネクステートはチェストピースに、複数の操作ボタンを持つボックスがついた製品です。
ボタンを押すことで、一般的な聴診器ではできない以下の操作が可能です。

  • ○音を調節する
  • ○心臓の音や、呼吸音だけを強調する

また音は、ヘッドフォンやイヤホン、スピーカーで聞けます。
機器が以下に示すいずれかの方法に対応していれば、デジタル聴診器に接続し音を聞くことができます。

  • ○3.5mmの出力端子(パソコンに設けられているヘッドフォン用の端子と同じサイズ)
  • ○micro-USB端子
  • ○Bluetooth 4.2

ヘッドフォンなど、耳を傷めない機器を使えることはありがたいもの。
Bluetoothを使えば、患者さんに接触せず聴診できることは大きなメリットです。
加えてICレコーダーを接続すれば、聴取した音の録音も可能です。

●AMI「超聴診器」

超聴診器は、以下に挙げる2つの機能を持っています。

  • ○心臓の音を聞くだけでなく、画面上で可視化できる
  • ○心電図を取得する

心音と心電図、両方の画面を合成できるため、診断する上で強い味方となります。
もし音が聞き取れなくても、画面上で確認できるため見逃すリスクが減ることは見逃せません。

デジタル聴診器の活用で体への負担を軽減しつつ、より良い診療を行える

デジタル聴診器の活用により、医師・患者ともに、体への負担を軽減できます
なかでも感染症への罹患防止に役立てる点は、重要なポイントです。

加えて、音が聞きやすくなる点も大きなメリット。
音量の調節や特定の音を聞きやすくできるため、診断しやすくなります。
録音もできるため、ほかのスタッフと情報共有しやすくなる点も見逃せません。

今よりも快適かつより良い診療のため、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

参考:
メディアジーン 「耳が痛い!」から始まった聴診器デジタル革命、医師不足の救世主に?(2021年7月18日引用)
日経BP 聴診器に200年ぶりの革新、デジタル聴診デバイスを開発(2021年7月18日引用)
オプティム コロナ禍の診療を聴診器が変える!?~デジタル聴診デバイスの最前線(2021年7月18日引用)
クイック 看護roo! 聴診器の仕組み|基礎編(1)(2021年7月18日引用)
橋本成修, 山城清二, 他 身体診察に対する女性患者の抵抗感についての意識調査(2021年7月18日引用)
KDDI 『Bluetooth』ってなに? Wi-Fiとの違いは? 接続方法や便利な使い方を徹底解説(2021年7月20日引用)

シェアメディカル Nexstetho 200年ぶりに聴診器が超進化。(2021年7月18日引用)
シェアメディカル デジタル聴診デバイス「ネクステート」(2021年7月18日引用)
シェアメディカル ネクステートが実現したWithコロナ時代のイノベーション(2021年7月18日引用)
シェアメディカル ネクステートを使って整形外科医の私が一日約300人の学校健診を完了!(2021年7月18日引用)
シェアメディカル ネクステートを用いた発熱外来の運用(2021年7月18日引用)

AMI(2021年7月18日引用)
AMI Business(2021年7月18日引用)
AMI 「COVID-19 遠隔聴診プロジェクト」について(2021年7月18日引用)
AMI COVID-19遠隔聴診プロジェクト(2021年7月18日引用)
AMI 超聴診器-解説動画- AMI株式会社(2021年7月19日引用)
KDDI 聴診器が200年ぶりに進化! 『超聴診器』を開発した医師に聞いた(2021年7月18日引用)
AMI 超聴診器と遠隔聴診システム~診断アシスト機能付遠隔医療対応聴診器~(2021年7月18日引用)
日本政策金融公庫 熊本県次世代ベンチャー創出支援コンソーシアム支援先企業 AMI 株式会社に初めて資本性ローンを適用した融資を実行 ~ 日本政策金融公庫が肥後銀行と連携支援 ~(2021年7月18日引用)

  • 執筆者

    稗田 恵一

  • 千葉県在住で、ITエンジニアとして約14年間の勤務経験があります。過去には家族が特別養護老人ホームに入所していたこともありました。2018年からは関東にある私大薬学部の模擬患者として、学生の教育にも協力しています。
    現在はライターとして、OG WellnessのほかにもIT系のWebサイトなどで読者に役立つ記事を寄稿しています。

    保有資格:第二種電気工事士、テクニカルエンジニア(システム管理)、初級システムアドミニストレータ

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