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認定看護師制度が大幅に見直しへ 今、リハビリ看護師が目指すべき資格は何?

1995年に認定看護師が誕生してから23年経った2018年。
日本看護協会は認定看護師制度の見直しを、HP上で発表しました。
認定看護師制度が大きく変わるなか、リハビリ看護師が今目指すべき資格について、2018年7月現在の情報を元にご紹介します。

現行の認定看護師制度は、2026年度をもって終了へ

1995年に認定看護師制度が導入されてから、看護師のキャリアアップとして、多くの看護師が認定看護師の資格を取得しました。
2017年7月現在、認定看護師は18,728人登録されており、毎年約1,500人が新たに認定看護師として登録されています。
そんな中、日本看護協会は2017年6月に行った記者会見にて、今の認定看護師制度を大きく見直すことを表明しました。
そして、2018年5月には日本看護協会HP上にて、現行の認定看護師教育は2026年度をもって終了すると明記されました。

●認定看護師制度見直しの理由は、特定行為を行える看護師をもっと増やしたいから

なぜ日本看護協会は現行の認定看護師制度を終了させ、認定看護師制度の再構築に踏み切ったのでしょうか。
その理由は、特定行為を行える看護師をもっと増やしたいからです。
戦後のベビーブーム世代が全員後期高齢者となる2025年問題に伴い、看護師の活躍の場は病院など医療機関から、地域への転換が求められています。
そんな中、日本看護協会では看護師による地域での貢献が進むよう、2015年度より認定看護師を対象として、特定行為研修を開始しました。
しかし2017年3月現在、特定行為研修修了者は583人と、当初の想定よりも大幅に少ない結果でした。
そこで日本看護協会では方向を転換し、現行の認定看護師制度を終了させ、代わりにこれまでの認定看護師制度を元として、新たに特定行為研修を取り入れた認定看護師教育制度を作ることで、認定看護師としての活動を発展させることにしたのです。

●認定看護師制度そのものが廃止されるわけではない。でも…

2026年度をもって終了となるのは、「現行の」認定看護師制度であり、認定看護師制度そのものが廃止される、ということではありません。
リハビリ看護領域の認定看護師としては、「脳卒中リハビリテーション」「摂食・嚥下障害」があり、すでに認定看護師の資格を取得されている方や、これから取得したいと考えていた方もいらっしゃると思います。
しかし2018年現在で認定看護師取得を検討されている場合は、特定行為を行える認定看護師と、そうでない認定看護師との差が出る恐れがあることから、今後具体的にどのような点が変更となるのか、その動向を見極める必要があるといえます。

2018年現在、リハビリ看護師が目指すべき資格3選

認定看護師の再構築が行われるなか、2018年現在、リハビリ看護師はどのような資格を目指すべきなのでしょうか。
数ある資格の中から、特にリハビリ看護師へおすすめしたい資格は、以下の表にあげた3つの資格です。

資格名 運動器
リハビリテーション
セラピスト
回復期
リハビリテーション
看護師認定
心臓
リハビリテーション
主催団体名 日本運動器科学会 回復期
リハビリテーション
病棟協会
日本心臓
リハビリテーション
学会
取得条件 ・日本整形外科学会が認定する専門医資格を有する、日本運動器科学会の科員が、常勤勤務医として所属する医療機関へ勤務していること
・資格取得のためのセラピスト研修会を修了していること
・所属医療機関において、3カ月以上の実技プログラムを修了していること
・1回6日の研修を、遅刻や欠席、中抜けや早退なく、年3回、計18日すべて出席し、提出したレポートで合格の評価を得ていること
・出席した研修会に関して、レポートを作成し、提出すること
・研修が終了してから6カ月以内に回復期リハ病棟で行った4カ月以上の実践活動についてレポートにまとめ、合格の評価を得ること
・申請時に継続して2年以上日本心臓リハビリテーション学会の会員であること
・リハビリテーション指導の実地経験が1年以上あること、または心臓リハビリテーション研修制度により受験資格認定証の交付を受けていること
メリット 理学療法士に代わり、
リハビリ要員として診療報酬を請求できる
認定看護師よりもスクーリング期間が短い
(認定看護師は約半年)
リハビリ科のみにとどまらず、循環器や脳血管の知識を得ることができる
デメリット 勤務先が変更されると、資格も無効となってしまう 研修会は東京でのみ開催されるため、地方在住の方は参加しにくい 学会に2年以上在籍していなければ、資格を取得できない
特記事項 資格制度開始は2006年とほかの資格にくらべて遅いが、医療機関を中心にニーズは高い 毎年希望者が多いことに加え、研修申し込みは先着順のため、早期の申し込みが必要 学会へ所属している時点でも勉強会等に参加できるため、スキルアップには最適

今回ご紹介した資格は、どれも取得までにはかなりの努力を要します。
しかし、資格取得のためにレポートを作成したり、勉強することで、リハビリ看護師として成長できる資格ともいえます。
認定看護師の制度が変わる今だからこそ、受験条件が合えば、これらの資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

看護師プラスαの資格が必要となる時代がすぐそこに

今後も増え続けるであろう医療費を軽減するため、国は急性期病棟を減らすことを推進しており、病棟で働く看護師の人数も今後は減ることが推測されます。
この流れに伴い、看護師の資格以外に今回ご紹介したような資格を取得していることが、今後も医療機関で働き続ける上での条件になっていくと考えられます。
認定看護師制度も変わる今だからこそ、看護師プラスαの資格取得を検討されてみてはいかがでしょうか。

参考:
日経メディカル 日看協会長「特定行為研修、地域での学習環境整備を」(2018年7月17日引用)
日本看護協会 認定看護師制度の再構築(2018年7月17日引用)
厚生労働省 今後の高齢化の進展(2018年7月17日引用)
日本運動器科学会 運動器リハビリテーションセラピスト研修認定制度規則(2018年7月17日引用)
回復期リハビリテーション病棟協会 回復期リハビリテーション看護師認定コース(2018年7月17日引用)
日本心臓リハビリテーション学会(2018年7月17日引用)
株式会社 日医工医業経営研究所 研修を要件とする診療報酬点数2014(その他職種編)(2018年7月18日引用)

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