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経営者になる医師たち。開業のチャンスは40代!増加する医師の最強マーケティング

多くの業界で革新が叫ばれるなか、マーケティングは開業を目指す医師にとっても他人ごとではありません。
そこで今回は、実際に開業した医師の平均年齢や医師数の動向などを見ながら、開業医になるためのマーケティング戦略を検証していきます。

改行すべきか否かそこが問題だ。

開業医デビューは40代が最多

医学部を卒業し、前期・後期研修医を経て一人前の医師として働けるようになるまでは、最短でも28歳以上となります。
大学を卒業し、そのまま22歳で就職する他職種のケースとは違い、医師の場合は学生期間や研修期間が長いため、一般論に基づいてキャリアを考えることは難しくなっています。

では、医師のキャリアにおいて、一つの選択肢である「開業」を検討する先生が多いのは、どの年代になるのでしょうか。
検証をするうえで注目したいのが、日本医師会による「開業動機と開業医の実情に関するアンケート」です。

このアンケートは2009年に行われたものなので、2018年現在においては少し古い情報となってしまいますが、このアンケート結果を見ると、新規開業時における医師の平均年齢は、平均41.3歳という結果でした。
また、開業後30年以上経過している医師の開業時の平均年齢が37.5歳だったのに対し、開業から5年未満の医師の開業時の平均年齢は44.9歳と、この30年の間に開業平均年齢が約7歳高くなっている、という結果もでています。

このアンケートから約9年が経過した2018年現在においては、開業時の平均年齢は41.3歳よりもさらに上昇している可能性が考えられますが、おおよそ開業する医師が一番多いのが40代である、ということがいえます。

医師にとって40代は「開業医になる適齢期」

ではなぜみなさんは、40代で開業されるのでしょうか。
その理由としてまず考えられるのが、医師のキャリア事情です。
大手転職サイトのリクルートでは、医師の40代はまさに「脂がのっている時期」と表現しています。

40代の医師は大学内で教授選に立候補する方がいる一方で、ご自身がやりたい医療や就きたいポジションを求め、医局を出る方も多い年代といえます。
そのため、医師としてのキャリアを積み、医師としての今後を考えた結果、勤務医を辞め、ご自身での開業に踏み切る先生が多い、ということがいえるのではないでしょうか。

また、こんな見方もあります。
日経メディカルが2017年3月に実施したアンケートによると、50代以上の医師がキャリアチェンジした理由として最も多かったのが、「家族のことを考えて」でした。
医師に限らず、50代以上になると子どもの教育や親の介護など、さまざまな家庭の事情が関係し、自分の意向だけで仕事を選ぶことが難しくなります。
仮に転職を検討しても、こうした事情から、なかなか思うように進まない年代でもあるでしょう。

つまり40代は、医師として脂がのっている時期でもあり、家族の事情を考慮する必要がない年代でもある、といえるでしょう。
よって医師にとって40代はまさに人生の転換期といえ、結果としてこの時期に開業に踏み切る先生が多くなるということがいえるのです。

医師と患者のバランスがとれない?今後は医師が「余る時代」になる恐れも

開業する年齢を考えるうえでもう一つ注目したいのが、医師数の増加です。
2000年頃には年間3,300人程度だった増加数ですが、2014年には年間4,000人と、増加のペースがあがっています。

2018年現在、高齢化によって患者数の増加が見込まれている一方、長時間労働に伴う医師の過労死や劣悪な労働環境が問題となっており、早急に専門職を確保することが必須条件となっています。
そのため、医学部の受け入れを増やし、医師数を確保しようとする流れは当然といえます。

一方で、日本の人口は少子高齢化によって緩やかに減少傾向となっています。
2015年には1億2,700万人だった人口は、10年後の2025年には1億2,250万人になる見込みとなっています。
この流れを受け、今後2020年をピークに外来患者数は減少していくと推測されているのです。

つまり、現在は人数不足が叫ばれ毎年4,000人もの医師が誕生していますが、外来患者数の減少に伴い、今後医師が飽和状態となってしまう恐れがあるのです。
この話は遠い将来ではなく、これから10~20年先に実際に起こりうるものと考えられています。
だからこそ、これから開業するにあたっては、こういった「医師が余る恐れ」も十分に考慮したうえで決断する必要がでてくるのです。

どこで開業するか?マーケティングの本質はクリニックまでの導線をつくること

先生方は、1年間でいくつの診療所が新設、あるいは再開されているかご存じでしょうか。
診療所は年間7,600件が新たに開設あるいは再開されています。

しかし、ここ数年の診療所数を見てみると約10万件と横ばいで推移しています。
これは新たに7,600件開設、あるいは再開している一方で、ほぼ同数の診療所が廃業、もしくは休止に追い込まれていることを示しており、診療所経営の難しさを表す指標となっています。
またクリニック経営については、患者さんがどれだけ来院されるか、という点も注目しなくてはいけません。
厚生労働省の2014年度(平成26年度)患者調査によれば、日本全体の外来受療率は約6,000人となっています。

つまり、全人口の約6%が外来患者として毎日通院しているのです。
こちらのページ(整形外科クリニックを黒字経営にする必須条件は、来院患者数一日40人以上!)にて、一日患者来院数は40人を目指すことを提示していますが、

整形外科クリニックにおいて、1日あたり40人の患者さんを確保するためには、5,410人の人口が背景にある必要がある、という計算になります。
しかし実際には、人口が5,000人以上もいるような地域ではすでに整形外科クリニックが開設されている可能性は十分に考えられます。

また、既存のクリニックの評判がよく、近隣にとどまらず遠方からも多数の患者さんが来院されている場合、新たに同じ地域にクリニックを開業し、経営を軌道に乗せることは非常に困難であるといえます。
医師の数が増え、診療所を開設する先生も多い一方で、こうした開業後の激しい競争に対応できず廃業してしまうケースも増えています。
よって新たに開業するにあたっては、ご自身のキャリアやご経験以外にも、こういった開業場所におけるマーケティングを入念に行っておくことを、お勧めします。

まとめ

医師という職業は、病院に勤務して医療を提供する以外にも、開業して自身が思い描く医療を提供できるという点で、ほかの医療系資格と大きく異なります。
一方で、マーケティングについて十分な調査をせずに開業した結果、想像以上に過酷な経営となり、再び勤務医に戻らざるを得なくなった医師も、少なからずいます。
開業を検討するにあたり、今回お伝えした内容がご決断の一助となれば幸いです。

参考:
日本医師会 開業動機と開業医(開設者)の実情に関するアンケート調査(2018年1月16日引用)
日経メディカル 新天地を目指すベテラン50代医師たちの事情(2018年1月17日引用)
リクルートドクターズキャリア 医師のキャリアプランを考える(2018年1月17日引用)
小松大介:診療所経営の教科書 第2版:日本医事新報社、東京、2017,pp.20-23.58-61. 82-83

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