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整形外科のトピック!注目を集める3Dプリンティング技術の基本と医療応用

3Dプリンターを使って、立体的な形状を作りだすことができる技術は、医療においても応用されようとしています。
特に、骨関節疾患を扱う整形外科領域では、3Dプリンティングのような技術のニーズがあることから、非常に関心が高まっています。
今回は、3Dプリンティングの技術の基本と医療応用に関する情報をお伝えしていきます。

まずは3Dプリンティング技術の基本を確認

3Dプリンティングは、さまざまな分野で応用の可能性が広がる技術であることから、非常に期待が高まっている新規技術です。
テレビなどで見てご存じの方も多いかもしれませんが、3Dプリンターとはそもそもどのような技術なのか、今一度確認しておきましょう。

●3Dプリンティングでは立体物を造形できる

3Dプリンティングとは、その名の通り、立体的に造形物を作りだすことができる技術のことです。
デザインは既存の立体物を三次元的にスキャンすることも可能ですが、自分で細かくサイズや形状を指定しながらソフトウエア上で作成することもできます。
つまり三次元的にスキャンしたデータを用いるか、自分でソフトウエアを使ってデザインを作成するかの2択ということになります。
機能は使用するソフトウエアによっても異なりますが、あらかじめ「円柱」や「球」などのテンプレートが入っていて、そこから必要な形状になるように微調整していくことも可能です。

●素材は液状樹脂・粉末素材などさまざま

3Dプリンターで用いる材料はさまざまであり、こうした素材はフィラメントと呼ばれます。
もっとも一般的に用いられる液体樹脂の場合は、レーザーを当てることで糸状になった樹脂が層を重ねることで造形されていきます。
また、ほかにも粉末素材を硬化させながらプリンティングするタイプなどがあります。
樹脂・粉末などは定番の素材ですが、金属を使った3Dプリンターも脚光を浴びるようになってきています。

3Dプリンターを使うことによって、金型がなくても自由自在に立体的な造形物を作ることができるため、さまざまな製品の開発において有用性があります。
これは時間的にもコスト的にもメリットがあるうえに、カスタムメイドのパーツなども容易に作成できるということです
メーカーが導入している例も多いですが、個人向け3Dプリンターも登場してきており、3Dプリンティングはより身近な存在になってきています。
通常は機械自体が高額であるため購入を躊躇しますが、個人向けであれば手が届く価格帯なのです。
個人やメーカーが造形に活用している状況ですが、必要なものを個別に作成できる利点から、医療や歯科の領域でも3Dプリンティングが注目を集めています。

医療において3Dプリンティングの応用が期待されている分野

すでにフィギュア・建造物の模型など、さまざまな分野で応用されている3Dプリンター。
医療においては、具体的にどのような分野での応用が期待されているのでしょうか?
近い将来、3Dプリンティングがあたりまえのように医療現場に普及している可能性もあるため、いまのうちから動向はつかんでおきたいところです。
医療や歯科に関連する領域では、次のような分野で3Dプリンティングの技術が用いられはじめています。

  • ●人工骨
  • ●義肢装具
  • ●実体模型
  • ●歯型
  • ●インプラント

上記のほか、動脈などの再生医療においても3Dプリンティングの技術を用いることができるのではないかと期待されています。
3Dプリンティングは人工骨や義肢装具といった分野で親和性が高い技術であることから、整形外科医には関心を持っている方が多い傾向にあります。

整形外科領域の関心度が高い!3Dプリンターを応用できる骨関節疾患

整形外科領域では、医師や理学療法士、義肢装具士などが3Dプリンティングに興味を示しています。
やはり患者さんに合ったカスタムメイドの人工骨・部品などを簡単に造形できる技術は革新的であり、これからの整形外科診療の質を大きく変える可能性があるものです。
2018年2月には、臨床整形外科53巻2号で、「骨関節外科への3Dプリンティングの応用」という特集が組まれました。
この雑誌に掲載されている記事のテーマを要約すると、次のようなものがありました。

  • ●脊椎外科
  • ●骨腫瘍分野
  • ●股関節外科
  • ●上肢手術
  • ●セラミックス製人工骨
  • ●金属3Dプリンティング

たとえば、脊椎外科領域では、手術時にスクリューを挿入しやすくなるようなテンプレートの作成など、さまざまな技術について触れられていました。
また、3Dプリンターで実物大の模型を作ることによって、難症例の術前プランニングや手術時のナビゲーションはもちろん、術前に実施する患者説明においても寄与します。
CTのデータに基づいて模型を造形することから、血管の走行も確認できるため、手術の精度をあげる目的での活用も期待されます。
このように、3Dプリンティングの応用可能性は広がっているといえるでしょう。
3Dプリンティングの応用は新しいトピックの一つであり、国内外で研究報告や総説などが発表されている状況です。
特に整形外科領域の関係者は、アンテナを張って情報収集をしていきたいところです。

まとめ

患者さんによって骨の形状や関節の状態はさまざまです。
この個別性にアプローチできる可能性を秘めた技術が、3Dプリンティングなのです。
特に整形外科では骨関節疾患の治療・手術に役立てるための研究開発・報告が盛んに行われており、トピックになっています。
手術を多く手がける整形外科の関係者は、新しい学術論文を検索し、最新情報の収集にあたってみてはいかがでしょうか。

参考:
藤林俊介, 竹本充, 他:脊椎外科における3Dプリンティング(樹脂・金属)の応用. 臨床整形外科53巻2号:97-108, 2018.

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