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#コミュニケーション #看護

整形外科患者さんのクレームやセルフケア低下、コミュニケ―ション不足に対し、看護師としてこうアプローチしてみよう!

看護師として働く中で、患者さんとの関係に悩むことは多くあります。
その中でも、クレーム対応・セルフケアの低下・コミュニケーション不足については、多くの方が悩むのではないでしょうか。
そこで今回は、クレーム対応・セルフケアの低下・コミュニケーション不足に対し、整形外科看護師としてどうアプローチすればいいのか、そのヒントを考えていきたいと思います。

患者さんからのクレーム・コミュニケーション不足どう対応する?

クレームは先入観を持たず、素直に受け入れる

クレームは先入観を持たず、素直に受け入れる

患者さんからクレームを受けたとき。
私が直接やったわけじゃないのに、という思いや、なぜ私に言ってくるの?など、つい負の感情で対応してしまいがちです。
しかし、クレームを受けたときに医療者としてまず行うべきことは、自身が冷静になり、そしてクレームを伝えてきた患者さんに対し、誠実に対応することです。
クレームを受けたら、相手が持った不満や不快な思いをまず受け入れた上で、患者さんの話を最後まで聞きます。
そして、患者さんの気持ちを理解したことを直接言葉にして相手に伝えるとともに、迅速な解決方法を提示します。
たとえば、病棟において、伝えていた検査時間を大幅に超過してしまったことに対し、患者さんからクレームがあったとします。
このとき、看護師としてまず患者さんの時間を守られていないという怒りを受け止めるとともに、お待たせしてしまっていることに対して謝罪を行います。
そして、患者さんに検査先へ確認することを伝えた上で一度退席し、あと何分後に検査が始まるのか、確認します。
検査時間を確認できたら、すぐにその内容を患者さんに伝えるとともに、最後にもう一度お待たせしてしまったことに対して謝罪を行います。
同時に、医療者に時間が遅れていることを伝えてもらえたことに対し、感謝の気持ちも伝えると良いでしょう。
患者さんの多くは、不満に思っていてもそれを実際に医療者に伝えることはありません。
そのまま内に秘めてしまうことで、医療者側も不備に気付くことができず、いつまでも改善されないという悪循環に陥ってしまうのです。
クレームや苦情のなかには、病院側の改善すべき点を指摘するものや、医療者側が見落としていた患者さんのニーズを知るきっかけとなるものがあります。
よって、クレームを受けるにあたっては、医療者として、先入観を持たず素直に受け入れ、伝えてもらえたことに対して感謝する、という心構えが重要となります。

セルフケアが低下している背景を探る

セルフケアが低下している背景を探る

自分自身でできることが増えているにも関わらず、医療者や家族へ依頼し、自身で行おうとしない。
この状態は、「自分自身の健康を維持し、よりよくするために自分で行う心身のケア」というセルフケアが大きく低下している、といえます。
しかし、医療者は単純にセルフケアが低下した、と評価するのではなく、なぜ低下しているのか、その背景を探る必要があります。
たとえば、リハビリではすでに車いすに乗車し、一人でトイレへ行くことが可能になっているにも関わらず、リハビリ以外では看護師や家族の付き添いがなければ行けない、と話す患者さんがいたとします。
このとき、単純に「リハビリのときだけは頑張っていて、ほかでは依存が強くなっている」と考えず、「なぜ一人で行けるのに、家族や医療者へ依存してしまのか」を探ります。
もしかしたら、以前転倒したときの恐怖から、一人でトイレへ行くことに対し強い恐怖心があるのかもしれませんし、リハビリで習った手順をまだ自分の中で十分理解できていないためにできないと思っているのかもしれません。
患者さんのなかには、医療者の心がくじけてしまいそうな、理不尽な返答をされる方もありますが、患者さんの表面上の言動や表情だけで評価せず、患者さんの背景を知った上で、解決方法を探ることが大切なのです。

コミュニケーション不足には、関わる時間で評価せず、内容で勝負!

患者さんともっと触れ合いたいのに、コミュニケーションを取る時間が取れないし、取る方法も思い浮かばない、そう思ってしまっていませんか?
コミュニケーションは、関わる時間がすべてではありません。
特に整形外科外来やクリニックでは、毎日たくさんの患者さんが来院されるため、患者さん一人ひとりに対して十分なコミュニケーションを取る時間はありません。
わずかな出来事であってもなにかあれば、短い時間でもコミュニケーションを取ることは十分可能です。
では、どうすれば短い時間でもコミュニケーションを取ることができるのでしょうか。
それは、患者さんへのアンテナを常に立てておくことです。
限られた時間の中で、少しでも不安を持たずに過ごしていただくために、常に患者さんへアンテナを張り、患者さんの待っている様子や呼ばれた際の立ち上がり、歩行状態や表情などを観察します。
そして少しでも異変を感じたら、看護師側から声を掛けることが大切です。
患者さんたちは、私たち医療従事者が感じている以上に、看護師のことをよく見ています。
歩行時の表情や歩くスピードによっても、声を掛けやすい看護師とそうでない看護師に分けられてしまうのです。
患者さんから声を掛けやすい印象を与える接遇については、こちらの記事(患者さんとのコミュニケーションは表情と声を観察した上で、共感を言葉にすることが重要!)にて詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。

患者さんの行動には必ず理由がある

患者さんの行動には必ず理由がある

患者さんの対応をしている中で、仕事の忙しさによる時間のなさから、つい看護師側の目線で物事を考えてしまいがちです。
しかし、患者さんが起こす行動にはすべて理由があります。
患者さんの起こした行動に目を向けるのではなく、その理由を知ろうとすること。
それが、患者さんを理解する第一歩であり、クレームやセルフケア不足などを解消する一番の近道になるのではないでしょうか。

参考:
神崎初美:患者さんのセルフケア能力を育てる看護とは?:整形外科看護:2014年19号6巻:pp.65-67
松村福広:患者説明のポイント:整形外科看護:2015年20号6巻:p15
中村千鶴子:こちらリウマチ看護相談室:整形外科看護:2014年19号11巻:pp.78-81
屋敷良江他:第2回 クレーム対応:整形外科看護:2015年20巻2号

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