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クリニック・治療院 OGメディック

超音波療法の特徴と効果。適正疾患と禁忌

クリニックや治療院では医療従事者が物理療法を、患者の治療・評価で積極的に活用する事が多くあります。
物理療法と一言で言っても機器の種類は多く、その効果ももちろんさまざまです。
機器の特徴を知り、どんな疾患や症状にどの機器が一番効果が発揮されやすいか、
それを知っておくことは当たり前のようで、実は深くは知らない、そんな医療従事者もいるのではないでしょうか。
今回は、数ある物理療法機器の中でも、臨床において活用頻度が高く、
かつ効果に対するエビデンスが高い超音波療法について紹介していきます。

超音波療法とその特徴

●超音波とは

「超音波」という言葉自体はみなさん聞いたことがあると思います。しかし、超音波とはつまり何でしょうか。
超音波とは、人が聞く事のできる音波の周波数は20kHz以下なのですが、それを超える周波数帯の音波のことです。

そしてこの「超音波」を利用した治療のことを「超音波療法」といいます。
超音波療法の特徴は

  • ◯急性期からの使用ができる
  • ◯深い部分までのアプローチができる
  • ◯温熱効果と非温熱効果がある

ということが他の物理療法とは違った特徴です。

急性期から使用できる

ほとんどの物理療法機器は、受傷して間もない頃、つまり炎症期では使用する事が出来ません。炎症を助長させてしまうからです。
しかし、超音波療法では積極的に取り入れて治療することができます。
なぜなら、炎症組織の治癒促進の効果があるから。
超音波の微細な振動が細胞と細胞の間の組織液の循環を改善させて
浮腫の軽減や周辺組織の治癒力を高めるので、炎症が助長することなく、むしろ改善していくわけです。

そして急性期治療の最も効果が期待できるのが骨癒合の促進効果。
これはセーフスが有名ですね。
超音波で微弱な刺激を与えることで、骨癒合を促進するといったメカニズムで、
その効果はエビデンスが高く健康保険の適応にもなっていて、骨折治療として病院でもよく使用されます。

そして皮膚組織の修復効果。
マウスの創傷治癒実験で超音波・磁気刺激・レーザー照射でその効果を比較したところ、
超音波以外では癒着につながるような結合織がみられたのに対し、
超音波では薄い膜状の結合織にとどまっていた事などが発表されています。
これはつまり、正常な皮膚組織をつくることができるということを表しています。

創部の早期修復、褥瘡治療への適応などが注目されそうですね。

深い部分までアプローチできる

超音波治療器で使用される周波数は、主に2つ、1MHzと3MHzの2種類です。
皮膚から浅い部位(筋膜までなど約1~3㎝)には3MHzを、
深い部位(骨など約3~5㎝)には1MHzが適応となります。

ホットパックやパラフィン浴・赤外線などの他の温熱療法では皮下数㎜‐1cm程度の温熱療法となりますが、
それに対して超音波ではより深部の組織まで熱伝導が可能であることが特徴です。

特に関節包の癒着による関節拘縮では、関節包にまで超音波の効果が及ぶので伸張性が改善され有効です。
関節包が癒着してしまうと、外部からどんな治療をしてもなかなか効果が得られにくいのですが、
深部にまで届く超音波でこその効果です。

また超音波と同じように深部への温熱効果が可能とされている極超短波というものもありますが、
これは照射部位に金属が挿入されている場合は使用できないという欠点があります。
しかし超音波は金属部位にも照射可能なため、より広い適応範囲となっていることも
ありがたく感じるところです。

温熱効果と非温熱効果がある

超音波療法には温熱効果と非温熱効果があります。
超音波治療には大きく2つのモードがあります。「連続モード」と「間欠モード(パルス)」です。
この2つを切り替えることで治療の効果、つまり温熱効果か非温熱効果かを変えることができます。

連続モードと間欠モードは簡単にいうと超音波を連続して照射するのか、それとも休止時間が含まれているのか、ということです。
この照射している時間と照射してない時間の割合を示すものを照射時間率(デューティ比)といいます。
照射時間率100%が「連続モード」、照射時間率が20~50%が「間欠モード(パルス)」です。

そして、温熱効果は、連続モードで連続した音波を当てることで得ることができます。
一方、非温熱効果は、間欠モードで休止と照射を交互に行い、機械的な振動を間欠的に与えることで
効果を得ることができます。

温熱効果としては、

  • ◯循環を改善させて疼痛の緩和、
  • ◯組織の伸展性改善、
  • ◯筋スパズムの軽減、

を目的として使用され、

非温熱効果としては

  • ◯骨癒合の促進効果、
  • ◯皮膚組織の修復効果
  • ◯炎症組織の治癒促進

を目的として使用されます。

超音波療法の適応疾患と禁忌

超音波療法の基本的な適応疾患と禁忌についてご説明しておきます。

適応疾患

  • ◯神経筋および骨格系疾患(関節周囲炎やリウマチ、関節拘縮)
  • ◯筋の病変(筋の損傷や腱の損傷など)
  • ◯神経の病変
  • ◯損傷後の組織再生(褥瘡や創傷部)

禁忌

  • ◯ペースメーカーを装着している方(ペースメーカーを加熱したり誤作動が発生するため)
  • ◯知覚障害を有している方(過量の照射をしてしまう恐れがあるため)
  • ◯悪性腫瘍
  • ◯重篤な血管疾患(心不全や血栓性静脈炎など)
  • ◯成長骨端線
  • ◯妊娠している人
  • ◯眼球、脳、生殖器
  • ◯脊髄疾患
  • ◯合成樹脂や関節セメントが留置されている場所(人工関節など)

などです。さきほど金属挿入部位への照射が可能と書きましたが、
人工関節などの術式によってはセメントや合成樹脂構成部分への照射が禁忌となりますので注意が必要です。

まとめ

近年、臨床では様々な物理療法が使用されていますが、その中でも超音波は、非侵襲的で副作用もないため、臨床的に活用されやすいです。
また、機器はコンパクトな設計で簡単に操作できるタイプが多くなっているため他の物理療法機器に比べて使いやすいことも、活用されている理由の一つだと思われます。
いかがでしたでしょうか?
超音波療法について、特徴をまとめてみました。
特徴をしりそれに見合った治療の選択をして行って頂ければと思います。

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