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クリニック・治療院 OGメディック

  • syusei

    公開日: 2019年05月28日
  • リハビリと機器

下肢荷重計や筋力計を使いこなそう!整形理学療法士が機器の特徴と活用方法を紹介

リハビリの現場では下肢の荷重量や筋力を評価する機会が多くあります。
荷重量の確認が必要な場面では体重計を使用したり、筋力はMMTで評価したりすることが多いのではないでしょうか。
しかし、より正確かつ客観的な測定をして、患者さんに有用なフィードバックをするためには測定機器の活用がおすすめです。
そこで、今回は最新の下肢荷重計や筋力計の特徴や活用方法を紹介します。

より正確かつ客観的な測定をして、患者さんに有用なフィードバックをするためには測定機器の活用がおすすめ

下肢荷重計で歩行時の荷重測定が可能に!

下肢骨折後や片麻痺の場合、患側にどれくらい荷重がかかっているのか、どのくらい免荷できているかを評価する機会が多くなります。
静止立位では体重計を活用することで、ある程度正確に測定できますが、歩行時となると測定が難しくなります。
そこで、歩行時の荷重測定には下肢荷重計を活用することで正確な測定ができます。
今回は床に敷いて使用する「シート式」と、靴のように履いて使用する「靴式」の2種類の商品の特徴を紹介します。

●シート式は屋内のさまざまな歩行パターンでも対応可能

シート式は屋内のさまざまな歩行パターンでも対応可能

シート式は床に80cm×60cm(測定部分:60cm×60cm)のシート状の測定器を置き、その上を歩くだけで下肢荷重の測定ができます。
また、歩行したときの時間や距離も同時に測定できますので、そこから詳細な歩行能力の評価ができます。
さらに、接地足跡や圧力分布状態をリアルタイムに測定できるため、目視やビデオ撮影だけではできない、正確で客観的な歩行分析が簡単にできます。
シートの枚数を工夫すれば歩行する環境を自由にカスタマイズできるため、評価したい患者さんの状態に合わせて以下のような設定ができます。

シート枚数 評価内容
シート1~2枚 静止立位の評価
シート4枚(長さ2.4m、幅60cm) 安定した歩行の評価
シート8枚(長さ2.4m、幅120cm) 松葉杖の歩行やUターンの評価
シート16枚(長さ4.8m、幅120cm) 不規則、不安定な歩行の評価

枚数を少なくすれば省スペースで立位バランスの評価ができます。
また、シートの幅を広くすることで、松葉杖や不安定な歩行でも評価することが可能です。
神経疾患などで不規則な歩行パターンを呈する場合は、シート幅だけでなく歩行距離を長くとることで、歩行評価をより確実にすることができます。

●靴式を使えば屋外でも気軽に荷重量が測定できる

靴式を使えば屋外でも気軽に荷重量が測定できる

靴式の下肢荷重計は骨折後や術後のような荷重制限が必要な患者さんの使用に最適です。
前足部と後足部にセンサーが導入されており、詳細な荷重量の評価をすることができます。
また、アラームによるフィードバックができ、体重あたりの荷重量を設定すれば、荷重量が設定値に達した場合にアラームがなり、正確な免荷や荷重の練習ができます。
さらに、ワイヤレスでタブレット型のモニターと接続されているため、どのような環境で歩行しても、その歩行結果をリアルタイムでモニタリングすることができます。
そのため、シート式のように平地だけでなく、屋外や階段での歩行・荷重評価ができます。

最新の筋力計は固定ベルトでより正確な測定が可能

最新の筋力計は固定ベルトでより正確な測定が可能

筋力計の中でもハンドヘルドダイナモメーター(以下HHD)は、持ち運びが簡単で、どのような場面でも活用できる機器です。
今回はOGウエルネスで取り扱っている、「ミュータスF1」の特徴を紹介します。

●固定ベルトの使用で誰でも正確な測定が可能

固定ベルトの使用で誰でも正確な測定が可能

最新のHHDは機器自体の測定精度が高いのはもちろん、固定ベルトを使用することで検査者の違いによる誤差も最小限にできます。
一般にHHDにくらべて、設置式の筋力計のほうが検査者による誤差が少ないとされています。
しかし、固定ベルトを使用したHHDと設置式の筋力計の測定精度を検証した実験では、固定ベルトを使用することで、設置式と劣らない程度に誤差を減らすことができるとされています。
また、HHDのデメリットとしては、女性が使用した場合に被験者の力に負けてしまい正確な測定ができないという点があります。
しかし、固定ベルトを使用すると男性が検査する場合と女性が検査する場合とを比較しても測定精度に差がなくなるというデータが示されています。
固定ベルトは以下のような部位の筋力測定に活用できます。

  • ○膝の屈伸
  • ○股関節の屈伸
  • ○股関節の内外転

下肢筋力は上肢筋力にくらべ筋力が大きく、検査者が力負けしやすいので従来のものにくらべ正確な検査が可能です。

●測定精度の高いセンサーを内蔵

器具自体にも測定精度を高める工夫がされています。
厚さ7mmの超薄型センサーのため、手にしっかりはまりやすく、測定しやすくなっています。
また、センサーは4つ搭載されているため、どの方向からの力に対しても、正確に反応するようになっています。

下肢荷重計と筋力計の具体的な活用方法を紹介

荷重量や筋力を客観的に評価できる機器は、臨床場面でさまざまな活用方法が考えられます。
そこで、下肢荷重計や筋力計の活用事例を紹介します。

●シート式が1セットでもあれば歩行以外の評価の質も向上

シート式の下肢荷重が1セット(4枚)あれば、歩行の評価はもちろん静止立位や立ち上がり動作の評価ができます。
たとえば、片麻痺患者さんの立ち上がり練習をシート上で行い、麻痺側への荷重がしっかりできているかをリアルタイムで視覚的にフィードバックしながら練習ができます。
片脚立位検査やファンクショナルリーチテストなど立位のバランス検査でも、シート上ですることで、足圧の変化を同時に観察することができます。

●靴式が1つあれば施設内だけでなく在宅での使用も可能

持ち運びが簡単にできる靴式の荷重計があれば、在宅リハビリでも歩行状態の客観的なモニタリング可能です。
自宅周辺の不整地や自宅の階段などの歩行でも活用でき、生活現場でのADLやIADLに必要な歩行の評価に活用できます。
わかりやすいモニターで、患者さんだけでなく家族にもすぐにフィードバックができ、質の高い評価やリハビリを実施することができます。

●筋力計の数値を用いた具体的なフィードバックで説得力アップ!

最近の研究では、筋力計で測定した等尺性膝筋力の数値とADL動作との関係性が示されています。
たとえば、川渕らによると慢性期の片麻痺患者さんが自宅内の歩行自立に最低限必要な非麻痺側の筋力は、0.30kgf/kgであるとしています。
また、山崎らは高齢者が段数16段の階段を上るためには、両側の平均値が0.25kgf/kgの筋力が最低限必要であるとしています。
このような研究結果と実際の現場で測定した数値を比較することで、患者さんや家族、他職種へ説得力のあるフィードバックをすることができます。
さらに、MMTでは漠然とした改善具合でしかフィードバックできませんが、具体的な数値で示せば、患者さんのモチベーションを向上させることにもつながります。

機器の活用で正確な評価をして患者さんの満足度をあげよう

「歩くために筋力が不足していますので頑張って力をつけましょう」と言ってもどれくらい不足しているのか、どこまで力をつければいいのか疑問や不安に思う患者さんは少なくありません。
それにくらべ、「歩くためにはあと5kgの筋力が必要です」と言った具合に伝えれば、運動へのモチベーションも高まり、リハビリの質や患者さんの満足度の向上につながります。
また、歩行や筋力は臨床でも頻繁に評価する項目ですので、最新の機器を活用して正確な評価をすることで、患者さんはもちろんリハビリ職自身も、やりがいを持って臨床に取り組むことができるのではないでしょうか。

参考:
OGウエルネス カタログ2019.(2019年5月21日引用)
OGウエルネス カタログ2019.(2019年5月21日引用)
川渕正敬, 他: 脳卒中片麻痺者の非麻痺側膝伸展筋力と移動動作の関連.高知リハビリテーション学院紀要12: 29-33-365, 2011.
山崎裕司, 他: 等尺性膝伸展筋力と移動動作の関連-運動器疾患のない高齢患者を対象として.総合リハ30:747-752,2002.

  • syusei

    公開日: 2019年05月28日

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