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クリニック・治療院 OGメディック

  • 桑原

    公開日: 2019年12月23日
  • リハビリと機器

リハビリ職のための聴診器の選び方。機能性、お手入れ方法などオススメをご紹介

心臓リハビリや呼吸リハビリ、急性期のリハビリにおいて、心音や肺や気管支の聴診は重要なアセスメントの一つです。
呼吸音のアセスメントを行う際に重要な機器の一つが聴診器であり、その種類や使い分け方、使い方を知ることでアセスメントをスムーズに行うことができます。
今回は、聴診器の種類や使い分け方、お手入れの方法にも少し触れ、解説することにしましょう。

リハビリ職のための聴診器の選び方

聴診器には膜面とベル面の2つの構造がある。リハビリの目的にあったそれぞれの使い方を知ろう

聴診器には膜面とベル面の2つの構造がある。

聴診器の音を拾う部分には2つのサイドがあるものとそうでないものがあります。
そのサイドは異なる構造をしており、それぞれ用途も異なります。

●リハビリ中に聴診器を使用するのはどんなとき?

リハビリ中、聴診器を使用する場面は主に2つです。
1つ目は血圧測定をするとき、2つ目は呼吸音の聴診を行うときに使用します。
心臓リハビリでは心音の聴診に使われることがありますが、リハビリスタッフが心音の評価を行うことはほとんどありません。
血圧測定に使用する際には、動脈上での心拍を聴取する必要がありますが、音を聞き分けるわけではなく基本的な機能があれば十分です。
しかし、呼吸音の聴診には精密な聞き分けと聴診器の精度も重要となります。

●聴診器の音を拾う部分には膜面とベル面の2つの構造がある。それぞれの用途とは?

聴診器には音を拾う面が1面のものと2面のものがあり、それぞれ膜型またはダイアフラムと呼ばれるものとくぼんだ盃のような形をしたベル型の2面です。
膜型はその面全体で音の振動を拾うのに対して、ベル型はゴムで覆われた円形の周囲部分だけが触れてその中心にあいた穴で音を拾います。
膜面(ダイアフラム)は人の体の表面にピッタリとくっつき、広い範囲からの音を拾うのに適しているのに対して、ベル面は主に狭い範囲の音、心音の聴取に適しています。
膜面(ダイアフラム)は軽く設置させるのと強く押し付けるのとで拾える音の音域が変わり、呼吸音の聴診をより精密に行うことができます。
またこれらは聴診器のヘッド部分を回すことで簡単に切り替えることができます。

リハビリスタッフのための聴診器のカスタマイズ、お手入れ方法とは?

リハビリスタッフは呼吸音の聴診の際に肺野のさまざまな部位を聴診します。
また、治療の成果を確認するために呼吸音を繰り返し聞く必要があります。

●聴診器を自分用にカスタマイズ。イヤープラグも自分の耳にフィットするものを選ぼう!

耳に入れる聴診器の先端部分をイヤープラグと呼び、イヤープラグと耳の間に隙間があると音が漏れ、聞きづらくなります。
イヤーチップは柔らかいものとそうでないものがあり、周径も異なるため、自分の耳に合うものを使用するといいでしょう。
また、聴診器のチューブ、ヘッド、イヤーチップにもさまざまな色があり、ほかのリハビリスタッフと混同しないように違う色を選んだり、自分の名前をヘッド部分にローマ字で刻印することも可能です。

●聴診器のお手入れ方法は?常に清潔に保とう

聴診器のお手入れ方法は?常に清潔に保とう

聴診器の膜面やベル面などは使用するごとにアルコール綿などで拭き、清潔に保ちましょう。
膜面(ダイアフラム)は、枠を外すと分解が可能です。
ゴム枠と膜の間にゴミなどが挟まる場合もありますので、定期的に拭き取る事をおすすめします。
また、耳垢などがイヤーチップの内部にたまり、聴診器のチューブを防いでしまい、聞こえづらくなることもあります。
時折イヤーチップの部分も外して、綿棒などで内部をきれいにしましょう。

最新の聴診器はワイヤレスや録音可能なものも。リハビリ職に適した聴診器はどれか?

呼吸音の聴診も、対象が小児であるか成人であるかによって、聴診器のセレクトは異なります。
最近ではさまざまな機能を持った聴診器もあり、用途によって使い分けることができます。

●小児用のヘッドの小さな聴診器もある。付属品で小児に対応可能なものも

小児用のヘッドの小さな聴診器もある

聴診器は膜面を患者さんの体に密着させて音を拾います。
小さなお子さんのリハビリの場合では、呼吸音の聴取用にヘッドの小さな聴診器もあります。
小柄な痩せ型の女性や高齢者の場合にも、小児用の聴診器は有用です。
聴診器の種類によっては、付属品を利用することで小児にも対応できるタイプのものもありますので、診療する患者さんに合わせて選ぶといいでしょう。

●最新の聴診器は録音機能やワイヤレスのものもあり、リハビリチーム全体での評価などにも使える!

最新の聴診器は録音機能やワイヤレスのものも

最近の聴診器には録音機能のついた電子聴診器もあり、専用のソフトを使うと画面に表示することもできます。
主観的な評価である聴診を客観的な評価にすることにより、リハビリチームや大勢での呼吸音のアセスメントに使用することが可能です。
また、開発中のワイヤレス聴診器は、スマホやコンピューターに聴診のアセスメントを送ることが可能で、コンピューターが異常音を察知し、判断・表示するように試験的に行われているものもあります。
この技術が確立されれば、かかりつけ医などと自宅にいながら患者情報を共有することができるため、今後の開発が待たれるところです。

自分にあった聴診器を選び、感染防御の観点からも清潔に保とう

今回は呼吸リハビリを行う上で重要な機器である聴診器についてご紹介しました。
聴診器にはさまざまな種類や価格がありますが、ご自分の専門分野や聴診のしやすさなどを考慮して選ぶようにしましょう。
また、お手入れは聴診器の寿命、感染防御の観点からもしっかりと行うことが重要です。
個人で聴診器の購入を考えている方の参考になれば幸いです。

参考:
3M Littmann 製品.(2019年12月12日引用)
3M Littmann 使い方とお手入れ方法.(2019年12月12日引用)
Welch Allyn 聴診器.(2019年12月12日引用)
kenzmedico 製品紹介.(2019年12月12日引用)
病院に行く前に家庭で肺の音をチェックできるワイヤレス聴診器「StethoMe」開発中.(2019年12月12日引用)

  • 執筆者

    桑原

  • 1998年理学療法士免許取得。整形外科疾患や中枢神経疾患、呼吸器疾患、訪問リハビリや老人保健施設での勤務を経て、理学療法士4年目より一般総合病院にて心大血管疾患の急性期リハ専任担当となる。
    その後、3学会認定呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士の認定資格取得後、それらを生かしての関連学会での発表や論文執筆でも活躍。現在は夫の海外留学に伴い米国在中。
    保有資格等:理学療法士、呼吸療法認定士

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