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簡便に筋肉量の測定が可能!InBody S10を臨床で活用する方法をご紹介します

リハビリ場面において、定量的に筋力を測定することは重要ですが、筋肉量の測定ができることはご存じでしょうか。
骨格筋量の定量的な評価は、サルコペニアの診断基準としても取り入れられており、介護予防などの観点からも重要になります。
本記事では、簡便に骨格筋量を測定できるInBody S10について、その概要と臨床での活用方法をご紹介します。

筋肉量を測定するInBody

骨格筋量を測定することのメリットとは?

臨床現場や研究機関において、筋力を定量的に評価する機器はいくつかありますが、筋肉量の評価はあまり聞き慣れないと思います。
ここでは筋肉量の評価を行うことのメリットについてご紹介します。

●廃用が進行している?それとも神経性?筋力低下の原因を探る

廃用が進行している?それとも神経性?筋力低下の原因を探る

徒手筋力テストや機器を用いた測定などで筋力を評価することはできますが、筋力低下の原因を定量的に評価することは難しいです。
筋の出力は、筋肉(筋繊維)と神経筋接合部、運動神経などさまざまな要素が絡み合って発揮されるため、筋力低下の原因を探ることは重要です。
特に、神経原性の筋力低下の場合、早期では明らかな筋萎縮が見られない場合もありますので、神経伝導速度検査など大がかりな検査が必要になります。
しかし、InBodyでの筋肉量測定を用いると、簡便に四肢や体幹など分節ごとの筋量を測定できるため、筋力評価と併用することによって原因特定につながります
また、定期的に筋量を評価することによって、廃用が進行していないか、トレーニングの効果がでているかなど、中間評価としても利用することができるでしょう。

●骨格筋量の評価はサルコペニアの診断基準として有用

介護予防の観点から、サルコペニアやフレイルなど、加齢に伴う身体機能の低下が注目されています。
特にサルコペニアに関しては、加齢に伴う筋肉量の低下を表しているため、その診断には筋肉量の評価が必須になります。
筋肉量を測定するためには、CTやMRIなどの画像検査が有用ですが、InBodyを用いた生体電気インピーダンス法(BIA)でも測定が可能です。
BIAにおけるサルコペニアの診断基準は、骨格筋指数(SMI)が男性7.0kg/m2未満、女性5.8kg/m2未満と定義されています。
骨格筋指数は、四肢の筋量(左右の上肢と下肢)を身長の2乗で割ることで求めることができます。
一見健康そうな患者さんでも、サルコペニアの基準に該当していたということはよくありますので、骨格筋量の評価に基づいた運動指導をすることができます。
介護予防に力をいれている施設にとって、InBodyを用いて骨格筋量の評価を行うことは非常に有用であるといえるでしょう。

製品紹介、InBody S10の特徴と禁忌事項

ここでは、最新機種であるInBody S10の製品紹介と、検査時の注意点や禁忌事項について解説していきます。

●最新のInBody S10はここが違う

◯臥位での測定が可能

臥位での測定が可能

これまでのInBodyでは、測定には立位が取れることが条件であり、立位が不安定な方の測定は困難でした。
しかし、InBody S10は仰臥位での測定が可能であり、評価できる対象者が増えたことが特徴的です。
また、InBodyなどの体成分分析では、筋肉量だけでなく水分量も測定することができます。
ADLの低下した心不全患者さんの場合でも、水分の貯留を評価して内服薬の調整を行うなど、内科的治療のサポートも可能となります。

◯病棟などへの持ち運びが可能

病棟などへの持ち運びが可能

従来の測定機器は、体重計のようなデザインが主流となっていたため、基本的には検査室など決まった場所での測定が主流でした。
しかし、InBody S10はオプションの専用移動カートを用いることにより、どこでも検査が行えるようになりました
外付けバッテリーパックも付属しているため、病室間や病棟間の移動もスムーズに行えることも魅力の1つです。

●検査における注意事項と禁忌

InBodyなどのBIA法では、体内に微弱な電気を流して体成分分析を行うため、禁忌事項を把握しておくことが重要です。
検査における注意事項と禁忌は以下のようになります。

禁忌

  1. 1)心臓ペースメーカーを植え込まれている方

◯注意事項

  1. 1)体内に金属製品が挿入されている場合、禁忌ではないが筋肉量が多くでやすい
  2. 2)水分貯留が多い場合、筋肉量が多くでやすい
  3. 3)妊娠中の場合、安定期に入るまでは測定を避ける
  4. 4)食事前、または食事から2時間後に測定する

基本的に、心臓ペースメーカーを植え込まれている方以外は検査可能ですが、不安な要素がある場合は主治医やかかりつけ医に相談したほうがよいでしょう
食事や運動の前後、または排泄の前後などで測定結果に誤差が生じることがあるため、あらかじめ検査時間を決めておくことも大切です。

InBody S10での評価結果を活用するためのポイント

ここでは、筆者が臨床場面で体成分分析の結果をどう活用しているか、またどう活用することができるかについてご紹介したいと思います。

●CPXと併用して、運動耐容能低下の原因を探る

CPX(心肺運動負荷試験)では、最高酸素摂取量を求めることによって運動耐容能を評価することができます。
しかし、呼吸や循環機能に大きな問題がない場合、CPXだけで運動耐容能低下の原因を把握することは難しいです。
そのため、筋力測定や骨格筋量の測定なども併用し、さまざまな因子を総合的に評価することが重要になります。
骨格筋量の不足が原因と結論づけた場合、筋力トレーニングをメインとしたプログラムを立案するなど、より根拠に基づいた運動処方を行うことができます
心臓リハビリに携わるセラピストにとっては大きな助けとなるでしょう。

●定期的に、運動療法の効果判定として用いる

リハビリ分野において、定量的な評価で運動の効果判定をすることは重要です。
特に、糖尿病や心疾患などの内部障害に関しては、骨格筋量の増加や体脂肪の減少を1つの目標にすることが多いでしょう。
InBodyではこれらを簡便に測定することができるため、定期的に測定することで運動療法の効果判定をすることができます
また、患者さんに数値的な変化を伝えることによってモチベーションを維持したり、次の目標も設定しやすくなります
検査結果のレポートに関しても、体重、骨格筋量、体脂肪量のバランスが視覚的にわかりやすく記載されているため、患者さんからの評価も高いです。

●介護予防のため、トレーニング方法の指導に役立てる

体成分分析は、前述したような効果判定や治療方針決定のために活用することができますが、医療機関以外の場面でもさまざまな活用方法があります。
介護予防事業では、歩行能力やバランス能力など、身体機能低下のスクリーニングのためにいろいろな検査が行われています。
InBodyの検査結果レポートでは、左右の上下肢や体幹の骨格筋量を評価できるため、どこの筋力が低下しているかがひと目でわかります。
単に「筋力トレーニングをしましょう」という指導で終わるのではなく、「体幹が弱いのでコアエクササイズから始めましょう」など、具体的な目標設定が可能です。
しかし、医療機関外では検査料(体成分分析 60点)が算定できないことには注意が必要です。

InBody S10で臨床の質をアップしよう

InBody S10で臨床の質をアップしよう

体成分分析は、骨格筋量や体内の水分量を測定することができるため、病態や障害を評価する上で有用な検査といえるでしょう。
特に、本記事でご紹介したInBody S10に関しては、ベッドサイドへ持ち運びができること、ベッド上臥床の方でも検査できることが特徴的です。
リハビリ分野においても、これまでの経験論的な評価や治療ではなく、客観的な評価が重要になります。
運動療法の効果判定をしたい、介護予防事業に携わりたいとお考えの方は、ぜひInBody S10の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

参考:
オージーウエルネス 総合カタログ2020.(2020年3月26日引用)

  • 執筆者

    奥村 高弘

  • 皆さん、こんにちは。理学療法士の奥村と申します。
    急性期病院での経験(心臓リハビリテーション ICU専従セラピスト リハビリ・介護スタッフを対象とした研修会の主催等)を生かし、医療と介護の両方の視点から、わかりやすい記事をお届けできるように心がけています。
    高齢者問題について、一人ひとりが当事者意識を持って考えられる世の中になればいいなと思っています。

    保有資格:認定理学療法士(循環) 心臓リハビリテーション指導士 3学会合同呼吸療法認定士

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