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クリニック・治療院 OGメディック

  • 蔵重雄基

    公開日: 2020年05月29日
  • リハビリと機器

めまいのリハビリではふらつきを定量化しよう!めまいの評価や平衡障害の判定に活用できるオススメの機器を紹介

めまいや平衡障害は疾患や加齢により生じ、日常生活に支障をきたしたり、転倒を招いたりします。
めまいや平衡障害の程度は評価しにくい部分ですが、定量化することで患者さんへのフィードバックや治療効果の判定に役立てることができます。
そこで、めまいや平衡障害について解説し、それらの程度を定量的に評価できる「グラビコーダ」について紹介します。

めまい・ふらつき平衡障害の評価判定にグラビコーダ

めまいや平衡障害を引き起こす疾患や原因

めまいや平衡障害を引き起こす疾患や原因

まずは、めまいや平衡障害について疾患や原因について解説します。

●めまいの原因は大きく2つ

めまいはぐるぐると周囲が回転するように感じる「回転性めまい」とフラフラした感覚が強くなる「非回転性めまい」に分けられます。
めまいは症状の特徴から疾患や原因を判別できることも少なくないため、症状の特徴を把握することが重要になります。

●回転性めまいが生じる疾患

以下のような疾患で回転性めまいが見られます。

  • 〇良性頭位性めまい
  • 〇メニエール病
  • 〇前庭脊髄炎
  • 〇突発性難聴

また、脳卒中や脳腫瘍、脊髄小脳変性症などの中枢神経に関する疾患でも見られる場合もあります(中枢性めまい)。
特に、脳幹や小脳は内耳から伝わった平衡に関する情報を処理し、運動を調整する役割を保つため、障害されるとめまいを引き起こします。
またパーキンソン病など自律神経障害により、生じることの多い起立性低血圧でも回転性めまいが見られることがありますが、急に意識がなくなる「失神性のめまい」であることも少なくありません。
このような疾患は、原疾患の治療はもちろんですが、めまいや平衡機能そのものを評価してリハビリによる治療が効果的なことも少なくありません。

●非回転性めまい

貧血や低血圧などで、フラフラするような症状のことをいいます。
また、肩こりや交通事故によるむち打ちなどで、頚部筋の過緊張や頚椎の異常で椎骨動脈の圧迫や狭窄、頚部交感神経の亢進が生じることで非回転性めまいが見られることもあります。
このような状態を頸性めまいと呼び、ふわふわする(浮遊感)やフラフラした感じなどはっきりしないめまいやそのほかの不定愁訴が見られるのが特徴です。

めまいや平衡障害の評価

めまいは前述の通りさまざまな疾患から起因するため、評価を行い原因や症状の程度をしっかりと把握することが重要です。
以下に具体的な評価を紹介します。

●問診

めまいの特徴をしっかり聞き取ることは医師の診断にとって重要なのはもちろん、その後の評価やリハビリにつながるため詳細に行う必要があります。
以下にめまいの問診のポイントを列挙します。

  • 〇めまいの種類(回転性、浮遊性、失神性など)
  • 〇発症した時期
  • 〇持続時間
  • 〇発症の頻度
  • 〇発症の状況(姿勢変化、頭部の運動、環境変化など)
  • 〇付随した症状(耳鳴り、難聴、嘔吐、痺れ、筋力低下など)

めまいの種類は前述のように、めまいの要因に大きく関係しています。
また、持続時間に関しては良性頭位性めまいでは数十秒ほどでめまいが消失するのに対して、メニエール病や前庭神経炎では1分以上続くため判別に重要な評価です。
めまいはさまざまな疾患で生じるため、付随する症状を細かく聴取することも重要で、痺れや筋力低下などがある場合は、脳卒中などの中枢神経の障害に起因する疾患が潜む可能性があります。

●眼振の評価

前庭は前庭脊髄反射や前庭動眼反射といった反射で、眼球運動の制御にも関与しています。
そのため前庭機能の評価には眼球の動きとして「眼振」を評価することが重要です。
以下に眼振評価の方法を示します。

1.安静時の眼振評価

正常な状態で眼振の有無を確認します。
また、座位や仰臥位の姿勢で頭部の位置を変化(前後屈、側屈、回旋)させた状態での眼振を観察します。

2.頭位変換眼球検査

頭部を素早く動かして三半規管に刺激を加えることで眼振の出現を意図的に促す検査です。
以下の2種類の評価を行うことで左右の三半規管(前半規管、後半規管、水平半規管)における原因部位を特定でき、リハビリテーションのアプローチを選択したり、効果を判定したりすることに活用できます。

〇Dix-Hallpike test

座位で頭部を45度屈曲した状態で、仰臥位で頭部をベッド端から垂らした頭部懸垂位に姿勢を変えます。
そして再び頭部懸垂位から座位へと姿勢を変化させ、回旋している側の半規管へ刺激を与えます。

〇Roll test

Dix-Hallpike test が前・後半規管の評価であるのに対して、水平半規管を評価する方法です。
仰臥位で頭部を20度屈曲した状態で、頭部を片側ずつ左右に回旋させます。
眼振が強く見られた側の水平半規管の障害が疑われます。

●姿勢の検査

Romberg検査や足踏み検査で動揺の評価を行います。
Romberg検査では閉脚で腕組みをして、開眼と閉眼における身体動揺を比較します。
前庭機能に障害がある場合は、開眼時にくらべ閉眼時の動揺が著明に大きくなります。
足踏み検査では100歩足踏みを行った際の体の回転や開始位置からの移動距離を評価します。
前庭機能に障害がある場合は、91度以上の回転や1m以上の移動が基準となります。

●重心動揺検査

直立姿勢で重心動揺計の上に乗り、開眼と閉眼を実施することで前庭機能にふらつきや平衡障害を定量評価することができます。
詳細は次のグラビコーダの紹介で解説します。

定量的な評価が実施できる重心動揺計「グラビコーダ」を紹介

定量的な評価が実施できる重心動揺計「グラビコーダ」を紹介

前庭機能の障害によるめまいやふらつき、平衡障害の評価として重心動揺計による重心のゆらぎを定量的に評価する方法があります。
今回はそのような平衡機能の評価にオススメのグラビコーダの特徴を紹介します。

●得られた数値から障害部位の特定が可能

グラビコーダは重心動揺における以下のパラメータを数値化できます。

  • 〇重心移動の長さ
  • 〇速度
  • 〇広がり(面積)
  • 〇方向

これらのデータを基に疾患や障害部位における特徴やパターンと比較することで、障害部位の特定が可能になります。

●症状改善や効果判定が視覚的にわかる

数値化、視覚化された平衡機能の評価結果を手術や服薬・リハビリの前後で比較することができます。
そのため、症状改善の程度や治療の効果判定が視覚的にわかりやすく、患者さんへのフィードバックも容易になります。

●転倒予防やバランスの評価に活用できる

グラビコーダで得られた評価結果は転倒予防やバランスの評価にも活用できます。
そのため高齢者に対して転倒予防に必要なバランスを評価するために活用したり、さまざまな疾患の患者さまで使用することが可能です。

めまいや平衡障害を定量化して治療の質や患者さんの満足度を高めよう

めまいやふらつきは訴えがあってもなかなか目に見えて評価をしにくいため、患者さんの自覚的な訴え以外に治療の効果や症状の程度を判定するのが難しいです。
しかし、グラビコーダのような重心動揺計を使用すれば、めまいや平衡障害を定量化して、症状の程度を判定することができます。
その結果、患者さんは症状が改善することが客観的に認識でき、満足度を高めることにもつながります。
高齢者の転倒予防の程度やバランス機能の評価など幅広く活用できるため、施設への重心動揺計の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

  • 執筆者

    蔵重雄基

  • 整形外科クリニックや介護保険施設、訪問リハビリなどで理学療法士として従事してきました。
    現在は地域包括ケアシステムを実践している法人で施設内のリハビリだけでなく、介護予防事業など地域活動にも積極的に参加しています。
    医療と介護の垣根を超えて、誰にでもわかりやすい記事をお届けできればと思います。

    保有資格:理学療法士、介護支援専門員、3学会合同呼吸療法認定士、認知症ケア専門士、介護福祉経営士2級

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