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クリニック・治療院 OGメディック

  • 桑原

    公開日: 2020年07月28日
  • リハビリと機器

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#新型コロナウイルス

新型コロナウイルスの治療と急性期から退院後までのリハビリ。オージー技研がおすすめするリハビリ機器の適応についてもご紹介します

新型コロナウイルスは全世界でパンデミックを起こし、いまだにその新規感染者も増え続け人々を脅かしています。
最近では新型コロナウイルスによる一連の症状(COVID-19)からリカバリーされた方も多くなり、新型コロナウイルスのリハビリなども研究が進んでいます。
今回は、新型コロナウイルスの治療とリハビリについて解説、またリハビリ機器の適応についてもおすすめしていきます。

COVID-19治療とリハビリ機器の適応

長期化する新型コロナパンデミック。新型コロナウイルス罹患による二次障害が問題化

長期化する新型コロナパンデミック。新型コロナウイルス罹患による二次障害が問題化

2020年3月11日、新型コロナウイルスの世界的な流行(パンデミック)が宣言され、たくさんの方の感染が確認されましたが、今では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)からの回復者もたくさん増えています。
COVID-19の症例は優位に集中治療室(ICU)への滞在期間が長いとされ、長期臥床によるさまざまな二次的な障害を引き起こしています。
ポストコロナの症状としては、1)肺機能や呼吸機能の低下、2) 長期臥床による筋力低下や多発性神経障害と筋疾患、3)運動強度(AT値)の低下、4)関節痛と関節拘縮、5)栄養障害、6)認知障害、7)認知機能の低下、8)不安・抑うつ、9)ADLの低下などが挙げられます。
したがって、退院後の理学療法的サポートの必要性が声高に叫ばれ始めています。
https://www.og-wellness.jp/support/covid19_01

新型コロナウイルス罹患時の急性期のリハビリは何が重要なのか

前項でもお話ししたようにICU滞在期間が長期になりますと、長期臥床に伴う筋力や体力低下が大きな問題となります。
そのため、早期からの関節モビライゼーションや運動療法を行うことは全身状態を保つために必要であり、ほかにも神経筋電気刺激を両脚の大腿四頭筋や下腿三頭筋に与え、筋量の減少を防ぐことは重要です。
このように大腿四頭筋や下腿三頭筋への電気刺激は、人工呼吸器装着下、またECMO装着下においても行うことができます。
https://www.og-wellness.jp/support/covid19_02

新型コロナウイルス罹患(COVID-19)による筋力の低下について

新型コロナウイルス罹患(COVID-19)による筋力の低下について

COVID-19によりICUに入院している患者さんには筋力低下や痛み、認知障害、せん妄や不安、抑うつなどさまざまな障害がもたらされるといわれています。
特に筋力低下については重症疾患ポリニューロパチーや重症疾患ミオパチーといった神経と筋の両方が関係しているといわれており、双方が影響しているといわれています。
これらをICU関連筋力低下(ICUAW)と呼び、これらを防ぐことは理学療法士にとって重要な役割であり、期待される効果の一つです。
ICUAWは人工呼吸器使用下においても、神経筋電気刺激(NMES)などの機械を用いることで予防できるといくつかの研究が証明しています。
また、高齢者に対し電気刺激による筋の収縮は随意運動としての筋の収縮より心拍数の上昇を抑えるとされており、重症疾患の治療中において筋の萎縮予防として用いる電気刺激は効果的であるといえるでしょう。
実際に、重度の慢性閉塞性肺疾患(COPD)で人工呼吸器を装着、床上安静が必要な患者さんで、末梢筋の萎縮がある方に対してモビライゼーションに加えて電気刺激を行ったところ、ベッドからの移動能力獲得日数の減少が見られました。
ほかの研究についても以下のサイトにNMESの有用性が記載されています。
https://www.og-wellness.jp/support/covid19_03

新型コロナウイルス罹患時の神経筋電気刺激療法の実際について解説します

新型コロナウイルス罹患時の神経筋電気刺激療法の実際について解説します

ICUなどで早期リハビリテーションとして行われたNMESは、さまざまな疾患で良好な結果が報告されています。
主なNMESのターゲットは大腿四頭筋と下腿三頭筋であり、これらの筋肉に電極を取り付け、2相性の方形パルスを用います。
収縮時間6秒、弛緩時間8秒、ランプアップがそれぞれ1秒の合計16秒で、5Hzの持続的な3分間のウォームアップを含む18分間、患者さんが不快にならない強度で行います。
これらのNMESは人工呼吸器管理下であっても行うことが可能であり、離床時の日常生活動作の低下を予防し、リハビリがスムーズに移行できます。
https://www.og-wellness.jp/support/covid19_04

新型コロナウイルスのICUのリハビリと退院後のリハビリに望まれていること

COVID-19の患者さんやその家族に対して、どのようなリハビリテーションやアフターケアが最適なのかという研究結果はまだ乏しいというのが現状です。
現在は過去のSARS、MERSなどの類似した感染症に対するリハビリテーションに基づいて治療を行い、ガイドラインやプロトコルを作成しようとしています。
オランダではeConsultというシステムを用いて、隔離中の患者さんにさまざまな情報提供を行っており、理学療法士による肺リハビリテーションもその中に含まれます。
またCOVID−19非感染例としっかりと隔離したリハビリテーション環境を用意する必要があり、個人の身体状況に合わせたリハビリプランを立てる必要があります。
身体学的所見を定期的に取ることにより、患者さんの再評価を容易に行うことができ、患者さん自身にもフィードバックすることが可能となるでしょう。
https://www.og-wellness.jp/support/covid19_05

新型コロナウイルスのリハビリは週に2~3回の筋トレを行うことがおすすめ!

新型コロナウイルスのリハビリは週に2~3回の筋トレを行うことがおすすめ!

COVID−19の症例に対しては週に2~5回のリハビリとそのうちの2〜3回に筋力トレーニングを行うことが推奨されます。
筋トレの強度に関しては徐々に増やすのが望ましく、予備心拍数の40~60%もしくは修正ボルグスケール4もしくは5、最大心拍数の50〜80%とするのが理想的です。
現在COVID-19症例に対するリハビリがどのぐらいの期間で行われるのが望ましいのかははっきりしませんが、COPDを例に挙げますと、12週間を超える長期のトレーニングを行ったほうがよいという研究がある一方、4〜7週間でも臨床的に意義があるという意見もあります。
今後、症状や筋力、運動能力、日常生活活動などを繰り返し、評価・検討していく必要があるでしょう。
https://www.og-wellness.jp/support/covid19_07

新型コロナウイルス対策!オージー技研の機器の有用性

新型コロナウイルス対策!オージー技研の機器の有用性

ICU入室後や急性期治療早期からのリハビリテーションにNMESを用いることは、患者さんの安静度に関係なく行うことができ、また日常生活動作の再獲得に向けての筋力維持が可能であり、大変注目すべき有用な方法です。
オージー技研が取り扱っているエンラフ・ノニウス社の電気刺激装置は左右の足の主要な筋(この場合、大腿四頭筋と下腿三頭筋)を同時に刺激できるものも用意されており、効率的です。
またさまざまな機能が一台の機械に組み込まれており、多様な用途があることも魅力の一つです。
エンラフ・ノニウス社の製品はCOVID-19患者さんの急性期治療に重要かつ適しており、有用なデバイスがたくさんあります。
オージー技研ではエンラフ・ノニウス社の製品を取り扱っています。
https://www.og-wellness.jp/support/covid19_09

ICU入室早期より神経筋刺激を用いたリハビリは、COVID-19患者さんの筋力や日常生活動作に大きな影響を与える

今や世界中が感染の危機にさらされている新型コロナウイルスは、重症化するとICU入室期間が長期化するとされており、ICUAWのような筋力低下を引き起こします。
高齢者のCOVID-19患者さんは重症化が危惧されており、二次障害である筋力低下により日常生活動作に大きく影響を与え、再獲得にも長時間のリハビリが必要となります。
今回ご紹介したNMESのような機器を使うことにより、未然にICUAWを防ぐことはリハビリにとっても重要です。
この機会に、リハビリ機器のICU患者さんへの使用も検討されてみてはいかがでしょうか。

※必ずお使いの製品の添付文書および取扱説明書をご確認の上、ご使用いただきますようお願い致します。
  • 執筆者

    桑原

  • 1998年理学療法士免許取得。整形外科疾患や中枢神経疾患、呼吸器疾患、訪問リハビリや老人保健施設での勤務を経て、理学療法士4年目より一般総合病院にて心大血管疾患の急性期リハ専任担当となる。
    その後、3学会認定呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士の認定資格取得後、それらを生かしての関連学会での発表や論文執筆でも活躍。現在は夫の海外留学に伴い米国在中。

    保有資格等:理学療法士、呼吸療法認定士

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