移動式スタンディングテーブルでどこでも起立・立位練習が可能!特長や使用方法を紹介
「介助が必要な患者さんの起立練習がしたいけど場所がない…」
スタンディングテーブルは場所を取るため、なかなか導入できない施設も多いのではないでしょうか。
そこで今回は移動ができて場所を選ばないOG Wellnessのスタンディングテーブルについて特長や具体的な使用方法を紹介します。
目次
移動できるだけじゃない!場所を選ばないコンパクトな設計
OG Wellnessの移動式スタンディングテーブルの最大の特長は、2つの大きな車輪により簡単に移動ができる点です。
しかし、それ以外にも場所を選ばない工夫がされています。
●コンパクト設計でどこでも使いやすい
ただ移動できるだけで器具が大きかったら、狭い場所では結局使用できないといったことになりかねません。
その点、移動式スタンディングテーブル(UA-3050)は以下のようなコンパクトな設計となっています。
- 横幅:約610mm
- 奥行き:約850mm
- 高さ:約820〜1150mm
この横幅や奥行きで想像しやすい大きさの例といえば「車椅子」が挙げられます。
OG Wellnessで取り扱っている車椅子 標準型(NS-1)の横幅や奥行きは以下の通りです。
- 横幅:約610mm
- 奥行き:約1050mm
このように標準型車椅子よりコンパクトな設計になっています。
そのため、リハビリ室の一角で使用することはもちろん、ベッドサイドに持ち運んでの利用も可能です。
●収納も便利!折り畳めばさらにコンパクトに
スタンディングテーブルはその大きさゆえに、収納に困るという声も少なくありません。
実際に筆者の施設で使用している別のスタンディングテーブルは、利用していないときでも大きなスペースを占めてしまっています。
その点、移動式スタンディングテーブルは収納するためにさらにコンパクトに折り畳むことができます。
折り畳むことで、以下のようなサイズに縮めることができます。
利用時 | 収納時 |
---|---|
横幅:約610mm 奥行き:約850mm 高さ:約820〜1150mm |
横幅:約610mm 奥行き:約470mm 高さ:約1230mm |
以上のように縮小できるのは、天板とステップベースを折り畳むことができるためです。
上半身を支えるための天板は垂直に畳むことができ、足をのせるステップベースも畳んで膝受けパッドの裏に固定することができます。
このようにコンパクトにできれば、使用する場所に応じて、居室や廊下などさまざまな場所へ収納することが可能になります。
患者さんに優しい3点のサポート機能
自力で立位を保つことが難しい患者さんでも、負担が少なく起立・立位練習ができるように、2つのバンドと膝受けパッドの3点で体を支えるようになっています。
バンドで骨盤、殿部を固定して股関節の屈曲を防ぎ、膝受けパッドで膝折れを防ぐことができるため、良姿勢での立位保持練習を安定して行うことができます。
移動式ですが、車輪が立位保持する側と反対に設置されており、車輪側に傾けなければ動くことはありませんので、患者さんが安心して体重をかけることが可能です。
体重が100kgの患者さんまで使用可能な耐荷重性が確保されています。
操作性を向上させる3つの工夫でスタッフにも優しい
場合によっては重度の患者さんに対して使用することもあるため、少しでも操作がしやすくスタッフの負担が少ないような工夫がされています。
そこで操作性を向上させる工夫を3つのポイントに分けて紹介します。
●ガススプリング方式の天板昇降で負担軽減
天板の昇降を調整するためにガススプリング方式が採用されています。
ガススプリング方式とはあらかじめ封入されているガスの圧力がバネのような働きをすることで、小さな力で重いものを持つことが可能となる方法です。
座ったままワンタッチで高さ調整が可能な椅子を想像してもらうとわかりやすいかもしれません。
この機能のため、力があまりないスタッフでも少ない負担で天板の昇降を操作することができます。
●ワンタッチでロックやロック解除が可能
天板を垂直にしたり、膝受けパッドやステップベースを折り畳んだりするとき、ワンタッチでロック、ロック解除が可能となっています。
そのため、複雑な操作がいらず、効率的に使用準備、片付けが可能です。
天板昇降のロックも足元の解除ペダルを踏んでいる間のみロックが解除され、ペダルから足を離すとロックされるというように、最小の操作で使用できる設計となっています。
●軽量かつ大きめの車輪で移動も簡単
移動の操作が行いやすい工夫として軽量・コンパクトな点と、大型の車輪を採用している点が挙げられます。
据え置きタイプの昇降式スタンディングテーブル(1人用)は60kgを超える重さなのに対して、移動式のスタンディングテーブルは約36.5kgと大幅に軽量化されています。
それに加えて、大きめの車輪を採用しており、転がして移動するのにも負担が少ない仕様になっています。
これまでになかった使いやすさで心置きなく起立・立位練習をしよう
スタンディングテーブルは比較的介助量の多い患者さんに使用されることが多いリハビリ機器です。
そのため、患者さんに移動してもらうのではなく、機器が患者さんのところに移動できる点は大きなメリットです。
また、離床開始直後でベッドサイドで使用をしたいと思う場合もあるかもしれません。
そのような場合に、居室で起立練習ができるのも魅力です。
これまでにはない使いやすさが盛りだくさんの移動式スタンディングテーブルですので、スタンディングテーブルの導入を検討されている場合、ご紹介した内容を参考にしていただければと思います。
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執筆者
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整形外科クリニックや介護保険施設、訪問リハビリなどで理学療法士として従事してきました。
現在は地域包括ケアシステムを実践している法人で施設内のリハビリだけでなく、介護予防事業など地域活動にも積極的に参加しています。
医療と介護の垣根を超えて、誰にでもわかりやすい記事をお届けできればと思います。
保有資格:理学療法士、介護支援専門員、3学会合同呼吸療法認定士、認知症ケア専門士、介護福祉経営士2級