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意外と盲点になりやすい和室の動作指導 リハビリ場面で活用したい「畳のプラットホーム」

日本では多くの家屋に和室があり、高齢者にとってもなじみが深いものです。
和室で過ごす患者さんへのリハビリでは、そうした生活環境を考慮した訓練を提供していく必要があります。
和室特有の生活動作は、リハビリ場面では意外と盲点になりやすいので注意が必要です。
今回は、リハビリ場面における和室での動作指導のあり方と、簡易的に導入できる畳タイプのプラットホームについてご紹介していきます。

意外と課題が多い…和室という環境における動作指導のあり方

現代の建築においては洋風な設計も増えてきていますが、やはり年配の方は慣れ親しんだ和室で過ごすことを好む場合も多いです。
在宅復帰したあと、和室で過ごす患者さんには、それに対応したリハビリを提供していく必要があるでしょう。
歩行や移乗などの基本的な動作をはじめ、トイレや入浴場面での動作などは優先度が高くなり、リハビリ場面でフォローすることもあると思います。
しかし、「和室での動作」については十分に評価・介入していない病院もあり、盲点となりやすい傾向にあります。
和室で求められる具体的な動作や姿勢には、次のようなものが挙げられます。

  • ●床からの立ち上がり
  • ●床での座位保持
  • ●段差の昇降
  • ●畳の上を歩く
  • ●布団の上げ下ろし

どこまでのレベルが必要になるかは人によって異なりますが、上記のように和室特有の生活動作はいくつも存在します。
もちろん患者さんの状態によっては、布団ではなくベッドに変更することもありますし、床から自力で立ち上がるのが難しければ、椅子を設置することもあります。
ただ、自宅の居住スペースに近い環境で生活動作を獲得していけることは、患者さんにとってもメリットがあるといえるでしょう。
リハビリの開始前にはあらかじめ生活様式や習慣などを聴取しておき、本当にニーズのある動作の獲得を目指して介入していくことで、患者さんの満足度も高まるのではないでしょうか。

ホームページで紹介しよう!和室で実践するリハビリを病院のPRポイントに

「病院内にリハビリをするための和室がある」という事実は、病院にとってPRポイントになります。
リハビリというと歩行訓練や筋力トレーニングなどをイメージされやすいですが、在宅復帰をしたあとのことも考えて、和室でリハビリをすることも可能という事実にはインパクトがあるでしょう。
また、こうした取り組みをPRすることによって、「設備が行き届いていそうだ」「この病院なら安心して任せられる」という信頼にも直結していく可能性があります。
患者さんにとって、ベネフィットがあると思われる取り組みは積極的に行い、ホームページで設備の情報を公開してみることをおすすめします。
筆者もインターネットでリハビリ病院を検索したことがありますが、その際「和室でのリハビリ」をPRしているところがありました。
和室や畳の環境をリハビリにしっかり取り入れている病院はそれほど多くないため、リハビリ職の目線から見ても、非常にインパクトがあると感じました。
和室でのリハビリと聞くと不思議に思う患者さんもいるかもしれないので、自宅での生活環境に寄せたリハビリを行うため、という目的は説明しておくと良いでしょう。

省スペースで設置もカンタン!畳タイプのプラットホームも活用したい

和室で行う動作指導はリハビリに取り入れていきたいところですが、現実には病院内で「スペースを確保できない」というケースも多いことでしょう。
そんなときには、設置が簡単な「畳のプラットホーム」の導入を検討することもおすすめです。
次に、畳のプラットホームとはどのようなものか解説していきます。

●畳のプラットホームってどんなもの?

プラットホームとはリハビリの訓練台のことで、多くの場合は少しクッション性のある素材が使われており、患者さんが横になった姿勢をとることができます。
ほとんどの病院では、この通常タイプのプラットホームを使用していると思いますが、実は「畳のプラットホーム」というものも存在します。
その名の通り、表面が畳になっており、床からの立ち上がり練習など必要なリハビリを進めていくことが可能です。
もちろん通常のプラットホームやマットの上でも床の動作は練習できますが、畳特有の摩擦が生じるなど、非常にリアリティのある環境でリハビリを提供できるのです。
畳のプラットホームは1畳サイズの製品もあれば、4畳サイズなど比較的大きなタイプもあるので、リハビリ室のなかで「プチ和室スペース」を設けることも可能でしょう。

●畳のプラットホームを使って、よりリアルな環境に!

ある程度の設置スペースを確保できるようであれば、畳のプラットホーム上に座卓などを設置し、実際の生活環境により近づけていくこともおすすめです。
たとえば、座卓につかまりながら立ち座りの練習をするなど、生活場面をより意識した動作指導を進められる、といったメリットがあります。
ほかにも、座椅子などがあれば姿勢保持が楽になるのか、体の痛みが軽減されるのかなど、さまざまな観点から見極めていきましょう。
患者さんは、視覚的にも生活場面をイメージしやすくなるので、自宅に帰ったあともリハビリで練習したことが反映されやすいかもしれません。

まとめ

和室の生活動作にはニーズがあるにもかかわらず、特になにも介入していないというケースが意外と多いです。
患者さんとしても「家に帰ったときの場面」を具体的にイメージできるようになりますし、リハビリのスタッフとしても課題を見つけやすくなるというメリットがあります。
和室や畳のプラットホームを使ったリハビリスペースを設置したら、ぜひ病院のホームページでもPRしてみてください。
よりリアルな環境で生活動作の練習を提供することで、患者さんのリハビリ満足度も高まるかもしれません。

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