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女性の骨粗鬆症患者へアプローチするには、クリニック主催の効果的なキャンペーンでまずは浸透活動を

女性の骨粗鬆症が増えていることは周知の事実ですが、病院へ足を向けるかと言えば、それはまた別の課題となります。本記事で紹介させて頂くテーマは、女性の骨粗鬆症患者の増患対策についてです。
骨粗鬆症患者を増やすために、クリニック独自のキャンペーンを打ってみてはいかがでしょうか。

「いつのまにか骨折」という言葉を浸透させた日本ライリー

骨粗鬆症による脆弱性骨折のことを「いつのまにか骨折」と呼んだのは、アメリカの製薬メーカーの日本法人「日本イーライリリー株式会社」です。
同社のテレビCMでこの「いつのまにか骨折」というフレーズが浸透しました。
肝臓のことを「沈黙の臓器」と呼んだり、腸内細菌のことを「善玉菌、悪玉菌」や「腸内フローラ(お花畑)」と呼んだりと、製薬会社のマーケティング担当は浸透しやすい言葉をいろいろと考えます。

「いつのまにか骨折」はとてもインパクトのある言葉です。しかしそのまま使うとオリジナリティがないため、「気づかない骨折」「痛みがない骨折」など患者さんが骨粗鬆症に関心を寄せる言葉で、「私は骨粗鬆症にはならない」という認識を変えてみてはいかがでしょうか。
「いつのまにか骨折」のように、おぼえやすい言葉をキャッチコピーと言いますが、クリニック独自の言葉を考えてもいいかもしれません。使い続けていくうちに、患者さんも心に留め、記憶されていきます。
まずは骨粗鬆症という言葉より、理解しやすい言葉を記憶してもらう活動から始めましょう。

参考:「いつのまにか骨折って?」(日本イーライリリー株式会社)

「気づかない骨折」と「骨折のドミノ現象」はペアで浸透させましょう

「骨折のドミノ現象」という言葉を聞きなれない患者さんも、「骨折」と「ドミノ」の造語であることは理解できます。
少し説明することで「骨折が連鎖することか」と理解します。
骨粗鬆症への危機意識が浸透したら、次は「骨折のドミノ現象」を引き起こさないための啓発活動に取り組む必要があります。
骨粗鬆症で用心しなければならないのは加齢や骨密度の低下だけでなく、むしろ「骨折のドミノ現象のほうが恐い」ことをお知らせしてください。

クリニックの患者さんが、全身の骨が弱っていることを知り、1ヶ所の骨折は2ヶ所目、3ヶ所目の骨折の合図にすぎないことを理解すれば、治療や予防への意識が高まります。
では、こうした意識を具体的にどう浸透させればいいのでしょうか。
参考:「骨折の連鎖(骨折のドミノ現象)」(日本整形外科学会)

「あなたの骨、見直してみませんか」キャンペーンのすすめ

どのようなアプローチをすれば、患者さんや患者予備軍に危機意識を持ってもらえるでしょうか。
それには、自院のスタッフ協力のもと、骨粗鬆症キャンペーンを実施することが効果的です。
キャンペーンというと、自動車メーカーやビール会社が行っている派手なCMや高価なプレゼントを思い浮かべるかもしれません。
クリニックでは、それらとは異なる小さなキャンペーンを提供します。
例えば、次の小さな活動を継続的に行ってみると、増患や患者の満足度向上に繋がる可能性があります。

  • ◯オリジナルのポスターの作成
  • ◯オリジナルの広報誌の作成
  • ◯ホームページでの呼びかけ
  • ◯高齢者施設や公民館に出向いて行うプチ講演会

手軽に取り組めるこのようなキャンペーン活動を通して、クリニックの増患を図ってみてはいかがでしょうか。

◯オリジナルポスターの作成

ワード(Word)などのパソコンのワープロソフト、または手描きのポスターを作成し、院内に掲示してみてください。
院長が原稿を書き、それをスタッフが編集する、といったように役割分担をしてはいかがでしょうか。
難しい言葉は使わない、必ずインパクトのあるキャッチフレーズ(気づかない骨折など)を入れる、情報量は多くしない、親しみやすいイラストなどでアクセントをつけるなど工夫をすると、女性ウケがいいでしょう。

◯オリジナルの広報誌の作成

広報誌も堅苦しく考える必要はなく、情報量はA4サイズの両面程度で構いません。
広報誌は患者さんが自由に持ち帰ることができるよう院内で設置場所を確保します。
病院に来てオリジナルの広報誌を持ち帰ることができれば、患者さんはクリニックで有益な情報を得ることができたと感じ、満足度も上がるでしょう。
広報誌の目的は、患者さんへ骨粗鬆症のリスクを想像してもらい、早めに対策していただけるようにすることです。
広報誌の中で、「もし骨折が連鎖した場合の生活への影響」を想像させることが大切です。

◯ホームページでの呼びかけ

女性はパソコンよりもスマートフォンを活用する方が多いです。
ホームページに病気に関する豆知識を掲載すると、閲覧者に「このクリニックの院長は骨粗鬆症をよく知っている。信頼できそう」という印象を与えます。
ブログなどを活用して、豆知識の記事を発信していくことをおすすめします。
ホームページに「骨粗鬆症は気づかない骨折です」と1行入れてもヒットしませんので、「骨粗鬆症」と「骨折のドミノ現象」の記事をシリーズ連載することをおすすめします。
ホームページのブログやコラムでは、多少難しい話でも、危機意識のある女性は読む可能性が高いです。院長様が学会などで仕入れた情報、最新の医療情報など解説とともに掲載することで「◯◯クリニックのブログは役立つ」という認識が、閲覧者の間で広まっていきます。

◯高齢者施設に出向いて行う出前プチ講演会を行う

優秀なケアマネは、自分が担当する介護高齢者だけでなく、介護施設の関係者からも信頼されています。
ケアマネとコミュニケーションを図り、デイケアセンターなどの介護施設での骨粗鬆症の講演会を開くことをおすすめします。
特に女性は料理や食に関して興味を持ちます。
医療系管理栄養士と一緒に、骨粗鬆症と食の関係を説く講演会もいいかもしれません。
講演会と言っても、30分程度の短時間でよいでしょう。
こうした場を設けることで、既存の患者さんがご家族やご友人を連れてきてくれる可能性もあります。
また、介護施設などの講演会は増患対策になるだけではなく、同時に社会貢献にもなります。
ケアマネと連携できると、介護施設とのパイプもできますので、積極的に連携を図ってください。
高齢者施設でなくとも、地域の公民館などの施設に女性を集め無料で講演することも効果的です。
中高年層の女性は健康や食に興味があるだけでなく、家族の健康を管理する役割も担います。

しかし浸透させることだけが目的ではありません。

検査の簡単さをしっかり伝える。それが最初の入口

キャンペーンの目的は、危機意識の浸透だけではありません。最初の入口を作る必要があります。
まずは患者さんに検査を受けてもらうことを第1の目的とし、ここを最初の入口とします。
検査をきっかけにクリニックでの治療やリハビリが開始されると、継続的に通っていただけるチャンスが広がるからです。
従って、ポスターや広報誌、講演会の中で、「骨粗鬆症の検査は簡単」ということもしっかり伝える必要があります。
ポスターや広報誌、ホームページ、講演会では検査の必要性をわかりやすく説明し、「まずは検査を受けましょう」と訴求してください。

クリニックで行ったキャンペーンの成功事例

クリニックが患者向けに病気への注意喚起を行った事例は数多く存在します。
例えば、医師がケアマネの研修会に出向き、プチ出前講座を行ったことで、地域のケアマネにクリニックをPRできた事例もあります。
また、こうした活動を自院のホームページに掲載することによって、ホームページの閲覧者にもアピールできます。
筆者が自身の経験を振り返ってみても、地域のクリニックに足を運んだ際に、オリジナルの広報誌やポスターが充実していると「このクリニックは熱心に診療していそう」という印象を受けました。
特に、女性はこのようなプラスアルファの情報を歓迎する傾向にあります。
ちょっとしたキャンペーン活動を継続することで、患者の心を掴み、継続して通ってもらえるクリニックになるのではないでしょうか。

まとめ

クリニックでのポスターや広報誌の作成、プチ講演会の開催など、何気ない取り組みも積み重ねていくことで増患に寄与する可能性は十分にあります。こうした取り組みを通して、患者さんが信頼でき、親しみやすいクリニックを実現していきたいところです。骨粗鬆症に関する危機意識を持っていただき、検査や治療を積極的に受けていただけるようなPR活動をしてみてはいかがでしょうか。

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