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待ち時間30分で顧客満足度15%減。それをカバーする、診察後にスタッフがかける魔法の言葉とは?

患者さんが医療に対して不満を持った理由を調査したところ、約半数の人が「待ち時間」と答えた、という調査結果があるほど、医療現場において「待ち時間の短縮」は患者さんの満足度をあげるためには重要です。
しかし実際には、どのクリニックにおいても待ち時間は必ず発生してしまうもの。
そこで今回は、待ち時間によるストレスを軽減させるための対策をご紹介します。

いつまで待たせるつもり

待ち時間を「伝える」だけでなく、その後の「フォロー」まで行う

待ち時間対策として、待ち時間があとどれくらいあるのかを受付や掲示板などで患者さんに「伝える」という対策をしているクリニックは多いかと思います。
しかし、それだけでは患者さんの満足度をあげることはできません。
患者さんの満足度をあげるためには、「伝える」とともにその後のフォローまで行うことが重要です。
こちらの記事でも解説していますが、待ち時間が30分を超えると、患者さんの満足度は15%と大きく低下してしまいます。

詳細はこちら→「患者満足度を上げるためには、待ち時間の短縮と同時に、わかりやすい説明をすることがポイント!」

こちらの記事でも解説していますが、待ち時間が30分を超えると、患者さんの満足度は15%と大きく低下してしまいます。
そこで、患者さんの待ち時間が30分を超えてしまうと事前にわかっている場合には、その後のフォローを行うようにします。
フォローの内容としては、受付担当のスタッフが待合室で待っている患者さんの元へ行き、直接声かけを行います。
このときに重要なのが「お待たせしてしまい、申しわけございません」という謝罪と、「お加減はいかがですか?」という患者さんの体調を気遣う言葉を必ず添えることです。
たとえば、患者さんに伝えた時間通りに案内が可能であると判断できる場合は、
「お待たせしてしまい大変申しわけございません。あと〇分程でご案内できるかと思います。お待ちになっている間、お体の方はつらくなったりしませんでしたか?」
となります。
この一言があるだけで、「患者さんを待たせていることに対し、スタッフは申しわけないと考えており、患者さんの状態を気にかけている」という気持ちを伝えることができ、患者さんの「ここのスタッフはいつまで患者を待たせるんだ」という不満を軽減させることができます。

患者さんがこんなしぐさを見せ始めたら、スタッフ側からの声掛けを

患者さんがこんなしぐさを見せ始めたら

待合室で待つ患者さん。
本を読む、スマホを見る、付き添いの方と談笑するなど、さまざまな過ごし方をされているなかで、スタッフは常に「患者さんが待つことに対し、怒りや不安を感じていないか」を注意する必要があります。
そこで一つの目安となるのが、以下のような患者さんのしぐさです。

  • 1)腕を組んでいる
  • 2)しきりに脚を組み替える
  • 3)腕時計や携帯の時計を気にしている
  • 4)診察室をじっと見つめ、患者さんの人数を気にしている

これらの様子が見られた場合は、患者さんが待ちくたびれている、つまり退屈していることが考えられ、こうした「退屈」を解消することも、待ち時間対策として重要です。
患者さんが退屈してしまっていると感じた場合には、まず
「お待たせしてしまい、申しわけございません」
と謝罪したあと、
「お待ちになっている間、もしよろしければ最近入ったばかりの雑誌をお持ちしましょうか?」
と、退屈を軽減させる方法をスタッフ側から提案します。
たとえ提案した内容を断られてしまったとしても、患者さん側からすると
「退屈だということを察してくれるほど、ここのスタッフは患者さんのことをよく観察している」という、良い印象を持ってもらうことができます。

待ち時間が長ければ長いほど、診察後の対応が重要!

待ち時間が長くなればなるほど、診察が終了した時点で「患者さんの不満は解消された」と考えてしまいがちです。
しかし、待ち時間が長ければ長いほど、むしろ「診察後の対応」が重要となります。
待ち時間が長いということは、それだけ多くの患者さんが来院されていることを意味しています。
そのため、患者さんは「先生もお忙しいから、あまりお時間を頂戴してはいけない」という思いから、医師へ直接聞きたかったことや質問ができないまま、診察が終了となってしまっていることも、考えられるのです。
よって診察が終わり会計へと進む過程で、スタッフ側から「診察時に聞けなかったことや、先生に聞きたかったことはありませんか?」と確認することが大切です。
また、会計を担当するスタッフも、お会計時には支払いなどのやりとりのほかに、患者さんをいたわる一言を追加する、ということもポイントです。
「今日は大変お待たせしてしまい、申しわけございません。外は冷えておりますので、どうぞご自愛くださいね。お大事にどうぞ」
というように、最後まで患者さんに対して「お待たせしていることに対する謝罪」と「患者さんをいたわる言葉」を添えるようにすることが、大切です。

1時間に1回以上、スタッフが自ら待合室へ行ってみよう

待ち時間が長いということは、それだけ患者さんが多く、スタッフが行うべき業務量も多くなります。
そのためスタッフは時間に追われがちとなり、待合室で患者さんがどのように待ち時間を過ごしているのかまでは把握できず、配慮が足りなくなってしまうことがあります。
しかし先ほどもご紹介した通り、患者さんのなかには待ち時間を過ごす間、イライラや退屈などの負の感情を抱きやすく、この感情に対してなんらかの対策を行わないと、その不満から満足度を大きく下げてしまうことにもなりかねません。
そこで忙しいときこそあえて、1時間に1回以上はスタッフが待合室へ出向き、気になる患者さんにはスタッフ側から声をかけることが大切です。
待合室にスタッフが出向くことで、「雑誌が読みにくい位置に置いてある」「テレビの音量が小さく患者さんが聞き取りにくい」というような、待合室におけるさまざまな不備を見つけだしやすくなる、というメリットもあります。
待ち時間を完全にゼロにすることはできません。
だからこそ、そういったスタッフの細かな心配りが、患者さんの満足度をあげる要因の一つであるといえるのです。

まとめ

待ち時間を少しでも減らすこと。
それは患者さんの満足度をあげるうえで重要ですが、同時にスタッフの対応にプラスアルファを加えることで、患者さんの不満をさらに減らし、そして満足度を高めることが可能となります。
クリニックは少ないスタッフで仕事をしなくてはいけません。
だからこそスタッフ全員が「患者さんをお待たせして申しわけない」という謝罪の気持ちを持つとともに、「少しでも快適に過ごしていただくためにはどうすればよいか」について考えることが重要といえます。

待ち時間対策についてはこちら↓
病院の待ち時間は長い!クリニックにも求められる「おもてなし」の心得
待ち時間対策には「ゾーン分け」ストレスフリーの待合室はこうしてつくる!
患者満足度(PS)を上げるのは、待ち時間の短縮とわかりやすい説明!

参考:
鈴木竹仁著:クリニック経営簡単実践アイデア集 院長先生のための173の知恵袋:プリメド社, 大阪, 2016, pp.20-34.52-55.
鈴木竹仁著:クリニック経営簡単実践アイデア集2 院長先生のための170の知恵袋:プリメド社, 大阪, 2016, pp.68

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