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老老介護の落とし穴~家族が気が付かない老老介護の問題点をピックアップ

老老介護は大変だと漠然と分かっていても、自分がその立場に置かれたときに対処法が分からなかったり、思わぬ問題点にぶつかったりします。
いざという時に困らないようにするための「老老介護」の実情をご紹介します。

実はあなたも当てはまる?高齢者が高齢者を介護するとはどういうことか?

高齢者が高齢者の介護を行う老老介護が増加し、それに伴う問題が深刻化しています。
なかには、要介護認定を受けている妻を、要支援認定を受けている夫が介護するなど、何らかの支援を必要とする状態にありながらも介護を行わなければならない場合もあります
老老介護は文字通り高齢者が高齢者を介護することをいいますが、それ以外にも老老介護に当てはまる場合があります。
高齢の親を息子や娘、またはその配偶者が介護する場合です。
この場合も、息子や娘世代が65歳以上になっていれば老老介護に当てはまります。

実際にケアマネとして見てきた老老介護の困りごと:認認介護で妻の負担が大きかった和夫さんと良子さんの場合

私がケアマネとして担当してきた方の中にも、何組もの老老介護のご家族がいました。
そのなかには、老老介護であることを十分自覚している方もおり、体力の衰えなどから介護が続けられるのか不安に思うと口にされる方もいました。
一方、老老介護であることの認識が薄いがために十分なケアを受ける体制を整えられないご家族もいました

●要介護3の夫和夫さん(仮名)88歳と妻良子さん(仮名)83歳

初めての要介護認定で要介護3の認定となった和夫さんは認知症の症状が強くでていました。
排泄は、良子さんがおむつ交換で対応していました。
食事や入浴は、良子さんが準備をし声掛けをすればできるとの情報でしたが、入浴に関してはどのように行っているか不明でした。
洗濯や掃除などの身の回りの世話はすべて良子さんが行っていました。
また、隣市で暮らす長男が夫婦の様子を見に訪ねて来ることがあり、介護認定などの手続きは息子さんが担当してくれていました。
デイサービスの利用を希望され、ケアマネジメントを始めた当初は、二人の暮らしの全貌はあまり見えてきませんでした。
なぜなら、和夫さんのみならず良子さんにも認知症の傾向が見られたからです。
認知症の方が認知症の方を介護する、いわゆる「認認介護」でした

ただし、良子さんご本人にその自覚はなく、さらに息子さんも、それは良子さんの性格のせいであると捉えていたために、病院を受診することもなく生活していました。
また、ご夫婦の生活は成り立っていると捉えていたため、それまで介護サービスを受けていませんでした。
そんななかでも、少しずつ和夫さんの認知症の症状が進行してきたため、介護サービスを利用することになりました。
それまで介護職員に迷惑をかけてはいけないからという理由で介護サービスを頼ってこなかった良子さんにも限界が近づいてきていたこともあり、徐々に受け入れてもらうことができました。
最終的には、和夫さんが要介護4となり施設入居する時点で、良子さんも要介護2と認定され、ご夫婦での施設入居が決まりケアマネジメントは終了となりました。

●和夫さん・良子さん夫婦の問題点

和夫さん・良子さん夫婦が抱えた問題は以下の点です。

  • ・認認介護であったこと。特に良子さんの認知症の進行について、
     息子さんが深刻に捉えていなかったこと
  • ・良子さんには介護職員に対する遠慮があり、介護サービス利用への抵抗があったこと
  • ・和夫さんは、排せつや入浴の点で自分ではできないことも多かったが、
     家族はそれが問題だとは思っていなかったこと
     (清潔保持は十分ではなかったが、長年その状態でやり過ごしていた)

結果的に、施設入居に至ったご夫婦ですが、それまでの数年間、良子さんにとって負担の大きい日々だったことは言うまでもありません。
自分自身に対する認識、または自分の親に対する認識が現実とはずれていたがために、ご夫婦の生活が大変なものになっていたのです。
ちなみに、和夫さん・良子さん夫婦をサポートしていた息子さんもまた、66歳だったことから、老老介護の範囲の年齢でもありました。

実際にケアマネとして見てきた老老介護の困りごと:パーキンソン症候群の俊彦さんとそれを支えたミキさんの場合

病気が原因で介護負担が大きくなる場合もあります。
介護者が高齢になると介護する側の負担もより大きくなります。

●要介護4の夫俊彦さん(74歳)と妻ミキさん(67歳)

俊彦さんとミキさんは私が担当している老老介護のご夫婦の中では比較的若いご夫婦でした。
俊彦さんはパーキンソン症候群の症状がありました。
それは主に、嚥下障害(えんげしょうがい)・認知症・言語障害・歩行障害でした。
妻のミキさんは健康に自信があり、俊彦さんの介護と家事全般を一人でこなしていました。
俊彦さんは週2回、入浴が主な目的でデイサービスを利用していました。
その他のサービスについては、ミキさんが拒否していた状況でした。
介護保険のサービスを使うということは、みんなのお金を使うことであるという考えがあったからです。
また、俊彦さんは服薬が正しく行われていないことが考えられていました

それが明確になったきっかけは俊彦さんの入院です。
体調を崩し入院した際に、服薬管理が行われ俊彦さんの症状が改善されました。
また、ミキさん自身が本人の体調によって飲んでもらう薬を変更していたと話されました。
このことがきっかけで、主治医からの説得もあり、訪問看護と福祉用具貸与のサービスを受け入れてもらうことになりました。
その後、俊彦さんは入退院を繰り返したのちに亡くなり、ケアマネジメントは終了となりました。

●俊彦さん・ミキさん夫婦の問題点

俊彦さん・ミキさん夫婦が抱えた問題は以下の点です。

  • ・迷惑をかけてはいけないから、周りの助けは極力受けたくないと過剰なまでに
     意識していたこと
  • ・病気や薬に対する認識に誤りがあり、正しい服薬管理や介護ができなかったこと
  • ・年金生活で金銭的にも将来的な心配事があったこと

地域的にも高齢になればなるほど介護サービスに対する拒否感があることは肌で感じていました。
俊彦さんご夫婦も同様に極端にサービスの利用を拒否されていましたが、それには金銭的な心配があったこともそれに輪をかけていると考えられました。
またパーキンソン症候群に似た症状を示す方が多い地域でもあり、特に高齢者のなかには間違った認識で薬を服用してしまう方も多く、ミキさんも同様の服薬介助をしてしまっていました。
また、ご夫婦の家族は他県で暮らしており、普段の服薬の状況について誰も確認することができていませんでした

高齢者が高齢者を介護することには若い方が介護を行う場合とは違った問題が生じる

老老介護では、何らかの支援が必要な状態で介護をしなければならないこともあります。
認認介護もその一つです。
また、介護者の体力低下が原因でより介護が大変になることも考えられます。
老老介護の落とし穴を知り、身近な方が老老介護になった際参考にしていただくことで、当事者のSOSに気付いていただければと思います

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