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介護保険を拒否。親が要介護認定を嫌がったら~対応のポイント

病気などで体の衰えが現れると、ご本人、配偶者やお子様も今後が心配になります。
介護の必要を感じ、介護保険利用を考える方も多いでしょう。
しかしご本人自らが介護保険を拒否することがあります。
拒否するご本人の思いは?
周りはどう対応すべきか考えます。

周囲は心配。親本人は「大丈夫」

これまで自立した生活をされていた方でも年齢を重ねるごとに身体や知的な機能はだんだん衰えていきます。
そうした変化は、お子さんや配偶者など身近にいる方が気付く場合が多いです。
病気などが原因で、ある日突然、心身の機能が低下してしまう方もいます。
すでに介護を必要としている方には、介護の準備を考えるのは自然な流れです。
その際、「介護保険」利用は選択肢の一つです。
介護保険利用には、行政の「要介護認定」が必須です。
要介護認定で、心身の状態からどの程度介護サービスが必要なのかを判断します。
しかし、高齢者ご本人が要介護認定を、「自分には必要ない」と拒否されることが多いのです
なかには「年寄り扱いするな!」と介護そのものを拒否するケースがあります。拒否する高齢者の思いとはどんなものでしょうか。

要介護認定を拒む親の思い

高齢になると中枢神経の衰えに環境の変化なども加わり、精神機能にも変化が見られます。

  • ・新しいことを覚えることが苦手(記銘力の低下)
  • ・最近の出来事を忘れる、思い出せない(短期記憶の低下)
  • ・思い出すまでに時間がかかる(想起力の低下)
  • ・注意や集中力が続かない
  • ・計算など単純作業が苦手になる

これらの変化の一方で、以前からの知識や経験から判断する能力は維持されます。
生活の場面ではどうでしょうか。
「前はこれくらいの計算、すぐにできた」
「スーパーまで時間がかかり、きつくなった」
「娘の家の電話番号が思い出せなくて困った」
高齢者の多くはご自身の変化を感じているのです。
そうした変化は「老いや死への不安」を呼び起こし、高齢者を悩ませます。
「寝たきりになって子供や配偶者に迷惑を掛けたくない」
「人の介護を受けてまで生きたくない」
老いへの不安の一方、介護のような新しい考え方を受け入れにくいため介護保険に難色を示してしまうのです。

拒否ではなく肯定のメッセージを

要介護認定を拒否されると、お子さんがしてしまいがちなNG行動は「相手のことを否定」することです。
「最近、すぐに頼んだこと忘れちゃう」
「前よりも歩くとき、ふらついて見ていられない」
「この前も玄関で転んだ」
こうした「できないこと」を並べ立てられるのは、高齢者でなくてもつらいものです。
さらに「不安をあおる言葉」をぶつけるのもNGです。
「寝たきりになったら、誰が面倒みる?」
「認知症になって、自分のことが分からなくなったらどうする?」
マイナスの言葉ばかり聞かされて、気持ちのいい人はいません。
周囲の人は「良かれ」と思っても、実は周囲の人たち自身の不安な気持ちをご本人にぶつけているだけの場合も少なくないのです。
それよりも高齢者がこれならできるということを一緒に話し合って提案してみてはどうでしょうか。

  • ・「すぐに頼んだこと、忘れちゃう」→「何度も確認してもいい?」
  • ・「前より歩くときふらつく」
     →「歩きやすい靴や杖を考えてくれる人がいるから行ってみない?」
  • ・「この前も玄関で転んだ」
     →「玄関を動きやすいようにしてくれる人がいるから頼んでみるね」

時間と手間はかかりますが、ご自身が「どう生活したいか」の希望を汲み取りながらのほうが、介護サービスにもつなげやすく拒否なくスムーズに物事が進む場合が多いのです。

身近な方が一番の理解者であれ

お子さんや配偶者などが、不安を抱えたままご本人に対応しても良いことはありません
お住まいの地域の地域包括支援センターには介護、福祉、医療の専門スタッフがいます。
特に介護への拒否がかなり強く、家族だけでは高齢者との関わりに行き詰まった場合にプロの視点から共に考えてもらえます。
お子さんなど身内からの言葉は拒否的になる高齢者でも、第三者、しかも介護や医療のプロであるケアマネジャーや保健師の言葉なら受け入れやすい場合も多くあります。
また、高齢者を介護している方がNPOなどを立ち上げ、介護をする家族の支援をしています。
介護への拒否を示す高齢者を介護してきた方の実体験は、実際の生活に生かしやすいといえます。
介護や医療のプロ、体験者からアドバイスを受けることにより、周囲の人たちも余裕が生まれ、ご本人への対応にもプラスとなります。

高齢の方とお子さんなどご家族との関わりの一例を挙げてみましょう。
配偶者であれば

  • ・「自分は受けたいが、一人では不安だから一緒に受けて欲しい」
  •  →介護への不安を感じているのは一人ではないと伝える
  • ・すでに要介護認定を受けている方に協力してもらい、要介護認定を受けたときの体験談
     を語ってもらう→新しいものへの不安感を取り除く
  • ・お子さんから「まだできることは分かっている。これからも元気でいて欲しいから要介
     護認定を受けて欲しい」と伝えてみる
  •  →今、できていることを認め、この暮らしを長く続けたいという気持ちを伝える

「要介護認定を受けてくれると、子供や配偶者である私たちが嬉しい」という思いがベースにあることが大事です。
高齢者にこれからもみんなで楽しく暮らしたいという気持ちを持ってもらうことで介護サービスの導入もスムーズになるでしょう。
人とのつながりをつくるには時間がかかりますが、つながりはプラスの思いからしか生まれないと現場で実感しています。

相手を受容しろとはいうけれど

立場や年代の異なる人の思いに共感することは、なかなか難しいものです。
配偶者や親など身近な方であればあるほど、これまでの時間の積み重ねもあり、お互いの気持ちがすれ違ってしまう場合も少なくありません。
周囲の方はひとまずご自分の思いを胸に納めて、ご本人の話を否定や、意見せず聴いてみてください。
お互いの思いを聴くことで、より良い関係づくりにつながるでしょう。

関連記事:
介護度はどのように決まる?基準や判定方法をケアマネ視点でご紹介します

参考:
公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット(2018年6月24日引用)
厚生労働省 認知症の人と接するときの心がまえ(2018年6月24日引用)

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