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家族介護に役立つ心不全悪化の兆候は?「首・胸・足」をチェックしよう!

高齢化率上昇にともない、介護予防は大きなテーマですが、心不全の再発でも要介護状態になることがあります。
今後わが国では、後期高齢者の心不全発症率が爆発的に高まる、心不全パンデミックに対する対策が必要です。
本記事では、家族介護で有効な心不全症状のチェック方法についてご紹介します。

家族介護で有効な心不全症状のチェック方法

心不全の再発は日常生活動作を低下させる

心不全の再発は日常生活動作を低下させる

骨折や脳卒中などの病気では、運動機能が低下するため要介護状態になることが想像できますが、心不全の入院も例外ではありません。
以下にその理由を解説します。

●心不全治療による活動量の低下

心不全で入院した場合、まずは血管を拡張させて血液の流れをスムーズにすること、そして余分な水分を排出することで呼吸苦などの症状を改善します。
しかし、点滴や尿道カテーテルなど物理的な原因、そして呼吸苦や倦怠感など身体的な原因によって入院前より活動量が低下します。
心臓リハビリを実施している施設では、入院後早い段階でリハビリが始まりますが、最初はベッド上での軽い運動から開始します。
そのため、入院前は一人で歩けていた方でも、数日の活動量低下によってADL(日常生活動作)能力が低下する場合があります。

●後期高齢者は併存疾患が多い

高齢者の心不全で特徴的なのは、心不全以外の病気を複数抱えているかたが多いことです。
代表的なものとしては、脊椎圧迫骨折や大腿骨頸部骨折、慢性腎臓病などが挙げられます。
これら併存疾患の影響により、入院前の時点から歩行能力が低下してる場合や、活動量が少なく低体力の場合などは注意が必要です。
リハビリ進行が遅れるため入院期間が長くなるケースや、場合によっては歩行が困難になるケースもあります。

これらの理由によって、入退院を繰り返すたびに徐々にADLが低下することが問題になります。
「心不全が改善すれば無事退院」という単純な問題では済まないことに注意が必要です。

生活習慣の乱れが心不全を悪化させる

在宅介護をするなかで、心不全が悪化する要因を押さえておくことは重要です。
ここでは、気をつけておきたい生活習慣とその対策についてご紹介します。

●水分・塩分の摂りすぎ

水分・塩分の過剰摂取によって血管内の水分が多くなると、心臓の負担が大きくなります。
病院では水分制限や減塩食などの対応で心不全の悪化を防止していますが、退院前に指導されたことを自宅で続けることが重要です。
高血圧や心不全があるかたの場合、塩分は1日6gに制限されることが多いですが、自宅で毎食計測することは難しいでしょう。
減塩醤油を使ったり、一口ごとに少量の醤油をつけて食べるなどの工夫も効果的です。
退院前に病院の管理栄養士に質問したり、退院後であれば市販の減塩レシピなどを活用してもいいでしょう。

●薬の飲み忘れ

循環器疾患では処方される薬の量が多いですが、飲み忘れがないように注意が必要です。
町の薬局では、朝・昼・夕用それぞれポケットのついたお薬カレンダーが販売されていることが多いので、飲む時間に合わせて家族がセットしてあげることが有効です。
また、「ポケットに入っていないから飲んだと思っていた」という失敗例も聞きますが、飲んだ後の空袋を確認するなどの単純な方法も役にたちます。
しかし、日中に家族が家を空けるため、昼の服薬が確認できないなどと悩む場合もあるでしょう。
その場合は、かかりつけの先生に薬の変更(飲む時間など)を依頼することで解決できることもあります。

●誤嚥性肺炎には注意!

肺炎や風邪などで体の熱が上がると心臓への負担が大きくなるため、それを契機に心不全が悪化することがあります。
また肺炎のなかでも、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)と呼ばれる肺炎は、水分や食事が気管に入ることによって発症することが特徴です。
普段の食事場面で、「以前よりムセが多くなったかな?」と感じた場合は、水分にトロミをつける、一口大にカットして配膳するなどの工夫が有効です。

ここでご紹介した3つのポイントは、普段の生活のなかで家族が対応しやすい項目を挙げていますが、必ず心不全が予防できるわけではありません。
体調の変化にいち早く気づくことは、早期治療による入院期間の短縮や、再入院の回避につながります。
次項では、家族がチェックできる心不全悪化の兆候について解説します。

家族が気づく心不全悪化の兆候、「首・胸・足」をチェックしよう!

家族が気づく心不全悪化の兆候、「首・胸・足」をチェックしよう

ここでは、「首・胸・足」をチェックする理由と、具体的な評価方法についてご紹介します。

●「首・胸・足」をチェックする理由

心不全では、高血圧や水分過多などの理由で心臓から血液をスムースに送り出すことが困難になります。
しかし、全身を巡った血液は心臓にかえってくるため、心臓の上流にあたる肺や静脈系に血液がうっ滞(いわば血液の渋滞)します。
静脈系(心臓に血液を戻す血管)は動脈系(心臓から血液を送る血管)と比べて血管の壁が薄く、血液が溜まってパンパンになると、周囲に水分が溢れます
このとき、外見上わかりやすい場所が「首・胸・足」であり、これらの場所に水分が溜まっていると心不全が悪化していると解釈することができます。

●「首・胸・足」のチェック方法をご紹介

ここでは「首・胸・足」それぞれのチェック方法をご紹介します。

◯「首」は血管が浮き出ているかを見る

心不全悪化の兆候チェック「首」

心臓から血液を送り出せなくなると、その少し上流にある首の静脈系に負担がかかってきます。
すると、溜まった血液によって首の血管が太く浮き出て見えることがあり、専門用語ではこれを頸静脈怒張(けいじょうみゃくどちょう)と呼びます。
寝ているときは首と心臓はほぼ同じ高さにあるため見えやすいですが、座っているときにこの現象が観察されると要注意です。

◯「胸」は寝ているときや軽い動作で息切れがあるかを見る

心不全悪化の兆候「胸」

医療スタッフは聴診で胸の状態を確認しますが、聴診をしなくても水が溜まっているかを推測することができます。
寝ていると苦しいけど、体を起こすと楽になる」という訴えがあった場合や、トイレに移動するだけでも息があがる場合は要注意です。
前者は起座呼吸(きざこきゅう)と呼ばれる症状で、寝ている状態では心臓に戻る血液の量が多くなるため、座ることで症状が軽快することが特徴です。

◯「足」はすねや甲がむくんでいるかを見る

心不全悪化の兆候「足」

心不全で足が「むくむ」ことをご存知の方は多いかもしれませんが、これも家族が気づくことのできる重要項目です。
チェックするポイントは、靴下の跡がいつもより深く残る場合や、足の甲やすねを押したときに跡が残るかどうかです。
これは専門用語で下腿浮腫(かたいふしゅ)と呼ばれるもので、心不全の代表的な兆候です。

いつまでも住み慣れた家で生活するために家族ができること

心不全の再発によって入退院を繰り返すと、徐々に身体機能が低下して家族の介護負担も増える可能性があります。
心不全は、急性心筋梗塞や不整脈など循環器の病気だけではなく、日々の生活のなかでも悪化する病気です。
しかし、悪化の兆候をいち早く察知し、早い段階でかかりつけ医に相談することができれば、入院を回避することができるかもしれません。
大切な人がいつまでも元気でいられるように、また住み慣れた家で安心して暮らせるためにも、今回ご紹介したチェック方法を実践してみてはいかがでしょうか?

参考:
日本循環器学会 急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版).(2018年11月28日引用)

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