在宅介護やリハビリなど健康をとり戻す生活に役立つ情報を。

  • Facebook

健康応援 OGスマイル

糖尿病患者の在宅介護。知っておきたい摂取カロリーの基礎知識と合併症リスク

日本国内では糖尿病を抱える患者が1970年頃から急増しています。
介護者や家族が血糖コントロール方法や食事療法、服薬方法など糖尿病に関する知識を得ることは適切な対応につながります。
ここでは、糖尿病の種類や食事療法、合併症リスクなど、在宅介護をする上で必要な知識を紹介します。

家族で変えよう。食事内容と食習慣

糖尿病の種類

血糖値の種類

食事には多くの糖質が含まれています。
糖質は体内でブドウ糖になり血液で運ばれ、すい臓から出るインスリンでエネルギー源に変えます。
しかし、インスリンがうまく分泌されないと、血液中のブドウ糖量が増えて血糖値が高くなり、尿からも糖が出ます。
糖尿病の見分け方は、血糖値が空腹時だと126mg/dl以上、食事後だと200mg/dl以上、HbA1cが6.5%以上です。
2017年度の厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると60歳以上の男性が45.5%、女性は30.6%が予備軍も含めた糖尿病という結果が出ています。
年齢が上がるにつれて糖尿病の割合が増えており、糖尿病はⅠ型とⅡ型に分けられます。

●Ⅰ型糖尿病とは?

インスリンがすい臓から出ることで血糖値を調整しますが、β―細胞が破壊されることで、インスリンがほとんど分泌されなくなります。
主にウイルスによるもので、若年層に多く、急激に体重が減少し、のどが渇く、頻尿、疲労感があります。
Ⅰ型糖尿病の場合は、インスリン注射での治療が必要です。

●Ⅱ型糖尿病とは?

Ⅱ型糖尿病とは

ほとんどの糖尿病の患者はⅡ型で、40歳以上の中高年に多く、肥満傾向の人や遺伝、運動不足などの人がなりやすいとされています。
ゆっくり進行するので、自覚症状があまりなく検診で見つかることもあります。
Ⅱ型糖尿病になると、抵抗力が落ちる、傷が治りにくい、頻尿、疲労感、皮膚が乾燥する、空腹感やのどの渇きなどの症状があります。
食事療法と適度な運動、薬やインスリン注射治療などを行います。

在宅の糖尿病患者の食事療法

インスリン注射をしている人は、インスリンを補うために食事を制限する必要がありません。
Ⅱ型糖尿病でインスリン注射をしていない人は、健康的な食事を心がけ、特に神経質になる必要はありませんが、血糖値が急激に上がるような食事や不規則な食事、暴飲暴食はさけたほうが望ましいです。
糖尿病の人は、適切な食事療法をすることで血糖値の上昇を抑えます。
また糖尿病患者の場合、家族も糖尿病因子を持っていることが多いので、家族皆が健康につながる食事を取ることがとても大切です。
食事内容とともに、意識も変えていきましょう。

●高血圧の予防のために塩分を制限する

糖尿病の人の塩分は、男性が1日8g未満、女性が1日7g未満です。
高血圧になっているのなら、塩分は1日6g未満です。
減塩しょうゆやだしのうまみを利用した調理、うどんなどのつゆを飲まないなどで減塩します。

●多食品の組み合わせがよい

在宅の糖尿病患者の食事療法

食事ガイドラインでは、「多様な食品を組み合わせて、食事をバランスよく摂取する」ことが勧められています。
厚生労働省の特定保健指導プログラムの中で栄養指導の項目には、適切な食品の種類と量がある食事を取る必要性が示されています。
血糖値に関係がある栄養素は、炭水化物、タンパク質、脂質です。
その中で、特に血糖値を急激に上げる栄養素は炭水化物です。
食べる順番を野菜→タンパク質→炭水化物にすると、血糖値の急激な上昇を抑えるだけでなくダイエット効果も期待できます。
日本糖尿病学会によると、栄養素の比率は、炭水化物を摂取エネルギーの50~60%、脂質を20~25%、タンパク質を15~20%が目安です。
さらに、ビタミンやミネラルなどのバランスがとれた食事が勧められています。
ただし、糖尿病性腎症の人はカリウムを取りすぎないように注意が必要です。

●糖尿病の人が1日に摂取できるカロリー

バランスの良い食事でカロリー量を適切に保つことが、インスリンの分泌を促しているすい臓の負担を減らします。
糖尿病学会からでている食品交換表では、食品を80キロカロリー(1単位)ごとに分けて各栄養素ごとに表を作っています。
糖尿病の基礎食は1日1,200kcalですが、肥満度や年齢によって適切なカロリーが異なります。
1日の適切なカロリー量は、次の計算式で求めます。

●1日のカロリー(エネルギー)摂取量=標準体重×身体活動量
●標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22(標準のBMI)
●身体活動量(kcal/kg)=標準体重×労作カロリー

労作カロリーとは、体重1㎏に必要なエネルギー量のことをいいます。
1日の適正エネルギーは身長や体重、血糖コントロール、年齢、性別などに左右されます。

◯寝たきりの人、動きが少ない高齢者・・・20~25kcal/kg
◯デスクワークや運転手、主婦など・・・25~30kcal/kg
◯立ち仕事、山林業、農業、漁業など・・・30~35kcal/kg
◯建設作業員、土木作業員など・・・35~40kcal/kg

例)
Aさんは身長170cm、体重60㎏のあまり動かない高齢者。
標準体重は1.70×1.70×22=63.58。
身体活動量=63.58×20~25=1,271.6~1,589.5kcal/kgです。
Aさんが1日に摂取するカロリーは約1,270~1,590kcalで、それより多いと血糖値が上がりやすく、少ないと血糖値が下がりやすくなります。
そのため、糖尿病になったら、医師から指示された食事療法を守ることが大切です。

糖尿病合併症のリスクや注意点

糖尿病合併症のリスクや注意点

糖尿病は、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性白内障、糖尿病性腎症、アルツハイマー型認知症などの合併症を引き起こすリスクが高いです

●糖尿病性神経障害

足がしびれる、力が入らない、尿が出にくい、便秘や下痢がひどい、汗が異常に出る、足に激痛があり眠れない、インポテンスになるなどの症状が現れます。
足のしびれから、傷に気づかず足先が壊死することがあります。

●糖尿病性網膜症・糖尿病性白内障

糖尿病性網膜症になると、出血を繰り返し、やがて失明に至ります。
早期に発見して網膜症を起こさないようにすることが大切です。
糖尿病性白内障は、急に進行しますが、手術で治ります。

●糖尿病性腎症

腎臓にある糸球体に影響を与えて、たんぱく尿が出ます。
次第に腎機能が悪化すると、老廃物がたまり尿毒症になることがあります。
第3期以降は、低タンパク質で塩分とカリウムを制限した食事を摂取します。

●介護者が注意する点

糖尿病は治癒する病気ではなく、食事療法や運動療法、薬治療、インスリン投与などが必要です。

1)気になる症状があれば医師にすぐに相談する

合併症を引き起こさないように定期的に受診を促し、症状があるなら早めに医師に相談しましょう。

2)抜歯には注意が必要

糖尿病の人は歯を抜くと傷口がふさがらず、感染症になる可能性があるので、主治医に相談のもとでの抜歯が必要です。

3)足の傷には注意が必要

足の血液循環が悪くならないように、足はいつも清潔にして傷ができないように注意することも大事です。

4)低血糖を起こすこともある

血糖降下薬の服薬やインスリン注射をしているなら、食事が遅くなったり、炭水化物の摂取が少なかったり、長時間運動したりした場合は低血糖を起こす可能性があります。
低血糖が起きると、ふらつき、動悸、目のカスミ、疲労感などの症状を訴えます。
低血糖のときは、すぐにブドウ糖やブドウ糖飲料を摂取する必要がありますが、意識が消失するようならグルカゴン注射をするか、救急搬送が必要となります。

糖尿病患者には介護者の柔軟な対応でリスクを回避

介護者が糖尿病の知識を得ておくことで、合併症や低血糖などのリスクを回避できることがあります。
特に低血糖が起きた場合は、身近にいる介護者が一番気がつきやすいでしょう。
糖尿病患者だけでなく、介護者や家族も共に健康食を食べることで食生活全般が改善され、予備軍の可能性がある家族にも糖尿病予防効果が期待できます。

参考:
平成29年 国民健康・栄養調査結果の概要.(2019年5月28日引用)
糖尿病情報センター 糖尿病の食事のはなし.(2019年5月28日引用)
ナースアテンダント 糖尿病.(2019年5月28日引用)
厚生労働省 特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラム.(2019年5月28日引用)

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)