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スウエーデン独自のレスパイトケアとは?日本が学べる在宅介護の在り方

福祉の国と呼ばれているスウェ―デンでは、多くの高齢者が在宅で支援を受けながら暮らしています。
それができるのは、レスパイトケアなどの家族支援制度と社会保障が整っているからです。
本記事ではスウェ―デンの高齢者福祉の在り方や、レスパイトケアなどの家族介護者への支援について紹介します。

高齢者福祉の先進国スウエーデンのレスパイトケア

スウェーデンの高齢者福祉の在り方

スウェーデンの高齢者福祉の在り方

スウェーデンは1970年代より、在宅介護と在宅医療を始めている高齢者福祉の先進国です。
1992年高齢者福祉制度改革であるエーデル改革を行い、高齢化に伴う医療費の抑制、高齢者へのケアの質向上、効率化を図ります。
保健医療面はランスティング(日本の地方自治体である都道府県に相当)が旗振り役となり、社会福祉はコミューン(基礎自治体で日本の市町村に相当)が責任を持ちました。
改革の中で、高齢者施設である老人ホーム、ナーシングホーム、グループホーム、サービスハウスなどを特別な住居(後述)に統合し、新たな支援制度を導入しました。
これら特別な住居では、24時間見守る職員が常駐します。
日本で近年始まった24時間対応の介護サービスは当時のスウェーデンですでに取り入れられていたのです。

●スウェーデンの住居形態

スウェ―デンの住居は一般住宅、シニア住宅、安心住宅、特別な住居の4つの形態に分かれています。

1)一般住宅

自宅のこと。ほとんどの高齢者が独居でも自宅に住み続けています。

2)シニア住宅

55歳以上の自立した人が住みます。一部がバリアフリー化している住居です。

3)安心住宅

24時間の見守りは必要なくても、独居では不安を感じる70歳以上の高齢者が入居できる住宅です。

4)特別な住居

認知機能や身体機能に問題があり、24時間ケアが必要な人が入居する住宅です。特別な住居に入居するには行政の許可が必要です。

それぞれの住宅では、ホームヘルプサービス(訪問介護や訪問看護)を受けることができます。
ホームヘルプサービスとは入浴や食事などの身体介護や掃除、買い物援助などの家事援助が利用できるサービスです。

介護者を支援するスウェーデン独自のレスパイトケア

介護者を支援するスウェーデン独自のレスパイトケア

スウェーデンでは社会サービス法が2001年に改正され、家族介護支援はコミューンの義務とする制度が導入されました。
コミューンから家族介護者に継続的に支援金が給付されるなどの支援があり、スウェ―デンでは家族による在宅介護が増えています。
さらにコミューンによるレスパイトケアが提供され、一部のコミューンでは24時間体制の緊急支援も実施しています。

●スウェ―デンのレスパイトケアとは

レスパイトケアとは、家族介護者が休息をとり、リフレッシュするために設けられた介護者ケアのことを指します。
スウェ―デンの社会福祉委員会は、1998年に社会サービス法を定めました。
内容は「長期の病気を患っている人、高齢者、機能障害者を介護している人や家族を対象に、援助と一時休息(レスパイト)で介護負担を軽減する」というものです。
当時はまだ奨励の段階でしたが、2009年の法改正で介護者支援はコミューンの義務と定められました。
現在ではショートステイ、デイケア、ホームなどを対象とし、さまざまなレスパイトケアが行われているだけでなく、介護者協会や民間のボランティア団体も活動に加わっています。

●スウェ―デン独自のレスパイトケア「ホームレスパイト」

ホームレスパイトとは、自宅で介護する人が自分自身の時間を確保し、休息やリフレッシュするためのケアです。
目的は介護者が精神的に孤立することなく、生活の質を維持するためのものです。
支援内容は家族介護者が休息できるように、交代でヘルパーがコミューンから派遣されるというものです。
多くのコミューンではホームレスパイトを無料で利用することができます。
たとえばストックホルム市では、週4時間のホームレスパイトを無料で受けられます。
それだけでなく、75歳以上の高齢者のために「何でも屋」が創設され、電球の取り替えなど高齢者ができないことを行っています。
また介護者援助グループや介護者出会いセンター、ボランティアセンターなどが設置され、家族介護者や要介護者を支援しています。
介護出会いセンターでは介護者と要介護者たちが集まってコーヒーを一緒に飲んだり、グループでの談話、介護者のカウンセリング、講演会、健康促進活動などが行われています。
このようにスウェ―デンでは、介護の大変さや悩みを克服できるようにさまざまな制度や施設が充実しているため、在宅で介護を受けている高齢者が多いのです。

日本も取り入れたいスウェ―デンの在宅介護者への支援

日本が介護保険制度を創設するに当たり、モデルとした国のひとつがスウェーデンです。
ショートステイやホームヘルプサービスなどのレスパイトケアを、介護保険の枠内なら1割負担(一部の人は2割か3割負担)で受けることができます。
地域包括ケアシステムを掲げている日本でも、スウェ―デンのように在宅で介護をしている人への支援が整えば、高齢化が加速する社会で施設不足やヘルパー人材不足があっても、在宅で家族や近しい人による介護を受けられると期待できます。

日本のレスパイトケアに関しては下の記事をご覧ください。
レスパイトケアをもっと利用しよう。在宅介護の継続には介護者の休息が大切です

参考:
藤岡純一 「スウェ―デンにおける介護者支援」 海外社会保障研究(2020年6月16日引用)
LIFULL senior 「介護にやさしくないニッポン~スウェ―デンにあって日本にない支援とは」(2020年6月16日引用)
大和総研調査季報 スウェ―デンの介護政策と高齢者住宅~岐路に立たされる高福祉国(2020年6月16日引用)

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