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病院にいるソーシャルワーカー(相談員)は何をする人?医療相談室の活用方法を解説

突然入院すると、健康不安だけでなく経済的な不安も大きくのしかかります。
特にそれまで在宅で介護をしていたのであれば、ケアマネジャーに相談していたことを病院では誰に相談すべきか困ってしまうのではないでしょうか。
そんなとき頼れる、医療相談室などにいるソーシャルワーカー(相談員)の活用方法を解説します。

医療費や福祉サービスの相談ができる医療相談室の存在を知っていますか?

そもそもソーシャルワーカー(相談員)は何をする職種なのか

そもそもソーシャルワーカー(相談員)は何をする職種なのか

ソーシャルワーカーは、病院の患者さんや施設の利用者など、困りごとを抱えている人の問題解決や自己決定をサポートする専門職です。
ケアマネジャーと違うのは、子どもからお年寄りまで、介護保険を使わない患者さんについても幅広く困りごとをサポートする点です。
カウンセラーとの違いは、カウンセラーは「こころ」に対し心理療法などを使って改善に導きますが、ソーシャルワーカーは困っている人を取り巻く「環境」を調整し支援する点です。
つまり、患者さんが必要な制度や施設・支援機関を利用できるよう、より生活しやすく困りごとの少ない環境に整えていく役割を持っています。
ソーシャルワーカーとして働いているのは、社会福祉士や精神保健福祉士の国家資格を有する人、あるいは社会福祉の専門教育を受けた人です。
ほかにも生活相談員・医療相談員などと呼ばれることもあります。

病院でソーシャルワーカーが所属している部署は?

病院でソーシャルワーカーが所属している部署は?

実は大きな総合病院でも、ソーシャルワーカーは1~3人ほどしかいません。
以下のような部署に所属し、相談の内容に応じてここから相談員が患者さんに応対します。

●医療相談室

病院が患者さんのサポートの窓口として相談室を設置しています。
病院の受付近くや、奥まった廊下の先にひっそりとあることも。
患者さんやご家族に必要な制度の紹介、申請書類記入のサポートなどを行います。

●地域連携室

病院全体の空き病床数の管理や、入退院・転院の連絡調整を行います。
入院希望の方の病院見学に応対したり、患者さんのご意見受付窓口になっている場合もあります。

具体的な相談・患者サポートの内容(入院~退院まで)

具体的な相談・患者サポートの内容(入院~退院まで)

では病院のソーシャルワーカーに相談すると受けられるサポートの一例を、入院~退院の流れに沿って説明します。

●入院直後:医療費の自己負担を軽くする制度の申請

入院費の負担が軽くなる以下のような制度の申請をサポートします。

1)「高額療養費制度」

申請すると、1カ月の限度額を超えた医療費が戻ります。

2)「高額療養費貸付制度」

限度額を超えた医療費が戻るまでの数カ月間、一時的に貸付を受けられます。

相談室では来られた方の保険証を確認しながら、その方の場合はどこの窓口に行くべきか、窓口でどう言えばいいのか、書き方なども一緒に確認します
入院して早いうちにぜひ相談してください。

●入院治療中:療養中や退院後の心配事の解消

入院中は劇的に変わってしまった体の状況を抱えて先々の生活不安が募るもの。
相談を受けると、ソーシャルワーカーから傷病手当金・生活保護・指定難病の助成制度・障害年金・障害者手帳といった申請可能な制度を説明します。
ソーシャルワーカーは漠然とした相談からでも課題をすくい上げ、一緒に困りごとを整理できるよう訓練を受けていますので、安心して話してみてください。

●退院時:今後利用するサービスや施設への橋渡し

退院予定が近づくと退院カンファレンスに同席し、本人や家族の要望を確認します。
利用したい在宅サービスや施設のスタッフと連絡を取り、安心して退院できるよう生活環境を整えていきます。
また同じ疾患・障害がある方の集まりを紹介し、見学に付き添うこともあります。
退院時に必要な介護タクシーの手配なども行います。

相談員を活用して退院までの不安を解決するポイント

ソーシャルワーカーは患者さんからの希望があって初めて、相談の場を持つ流れになります。
ソーシャルワーカー(相談員)に相談したいときは以下をポイントに訪ねてみてください。

●できるだけ事前に相談予約を取っておく

飛び込みで医療相談室を訪ねてもいいですが、病棟を回って不在のこともあります
そのため、受付や病棟スタッフなどに「相談員にこんなことを相談したい」と伝えアポイントを取っておくとスムーズです。
アポイントがあると、相談員のほうでもお伝えできる制度の資料準備ができるのでより充実した相談時間にできます。

●ソーシャルワーカーのつながりで、より詳しい情報にたどり着く

ソーシャルワーカーは病院の枠を超えて同業の勉強会に参加したり、地域の連携会議に出るなど、病院外に情報のツテを持っている場合があります。
もしも自分が詳しくない分野に遭遇しても、つながりをたどってできるだけ詳しい情報を収集し、わかりやすく説明してくれます。
地域の施設やサービスの雰囲気もよく知っているので、本やインターネットではわからない、地域資源の詳しい情報を得る手立てとして活用してください。

●外来患者でも相談でき、相談料は無料

病院の相談員は外来通院の方でも相談できます。
たとえば退院してからも仕事に復帰できない・介護サービスをいろいろ使いたいけど最初にどこに行けばいいのかわからないなど、困りごとが生じた場合に相談可能です。
相談料は無料ですし、主治医や受付の人に相談希望を伝えて利用しましょう。

一人で悩まずソーシャルワーカー(相談員)に相談を

病院のソーシャルワーカーがどんな場面で頼れる職種なのか知っておくと、いざというときに一人で悩むより早く困りごとを解決できます。
治療やケアを行うのは医療スタッフが中心ですが、病院で治療をするなかで「医療スタッフにも受付の人にも聞いてよいのかわからない分野の悩み」が生じることがあります。
そんなときは、ソーシャルワーカー(相談員)に悩みを話してみると、解決策がわかったり、今より明るい未来のイメージが見つかるかもしれません。

参考:
特定非営利活動法人日本ソーシャルワーカー協会 私たちについて(2020年8月28日引用)
公益社団法人 日本医療社会福祉協会 医療ソーシャルワーカーとは(2020年8月28日引用)

  • 執筆者

    湖上ゆうこ

  • 大学の社会福祉専攻を卒業後、内科・リハビリ病棟から精神科まで担う医療法人でソーシャルワーカーを勤めました。医療相談・地域連携をはじめ、入所施設の当直シフトもこなしていました。出産後はライターに転身。我が子の療育先で「やっぱりケアの専門職はすごい!」と感嘆する日々。多くの患者様やご家族の声に向き合った経験を活かし、一般の方には分かりやすい制度や社会資源の説明を、経営者・施設職員・コメディカルの方には明日の実践のヒントとなる情報をお届けします。

    保有資格:社会福祉士、精神保健福祉士

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