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玄関に手すりを設置するポイントとは?位置や高さ、種類の選び方を解説!

玄関の構造はさまざまですが、必ず段差があります。
段差昇降や靴の着脱はバランス機能が必要で、高齢者にとって転倒リスクが高い動作です。
今回は転倒リスクを軽減し、QOLや社会参加を維持するための玄関手すりの設置方法を解説します。

「立ち上がるのがつらい」「出かけるのがおっくうだ」玄関に手すりを設置することで得られるメリットとは

手すりを設置する前に確認すること

手すりを設置する前に確認すること

手すりを設置する前に確認すべきポイントは2つあります。

  1. 1)患者さんの一連の動作の確認
  2. 2)動かしづらいほうの手足を確認

玄関内での一連の動作とは玄関内の移動、靴の着脱、上がりかまちの上り下りの一連の動作を指します。
3つの一連の動作で、どの動作に困難が生じているか、転倒のリスクがあるかを確認することが重要です。
ふらつきが見られる場所や、手で支えている場所は手すりを設置する目安になります。
脳血管障害や股関節・膝関節の整形疾患で動かしにくかったり、痛みのあるほうの足がどちらかを確認することが重要です。
手すりを設置することで安全に動作ができ、痛みを予防できます。

●一連の動作を確認する

一連の動作を確認する

玄関内での一連の動作は3つに分けられます。

  1. 1)玄関内の移動
  2. 2)靴の着脱
  3. 3)上がりかまちの上り下り

3つの動作でふらつきや動作の困難さを感じている場所は、手すりを設置することで安全に動作ができるようになります。
高齢者は筋力低下やバランス機能が低下しているため、壁をつたい歩きしていたり、上がりかまちの上り下りで靴箱を支えにしていたりすることが多く、支えている手が滑ったり、靴箱が倒れたりすると転んでしまう可能性が高まります。
手で支えている場所や手あかがついている場所は手すりを設置する目安になります。
靴の着脱方法は立ってするか座ってするかが人によって違い、手すりの設置方法が変わるので必ず確認しましょう。

●動かしづらいほうの手足を確認する

動かしづらいほうの手足を確認することは段差の上り下りで使う手すりを設置する上で重要です。
段差の上り下りでは手足の良いほうに手すりを設置することで安全に動作ができます。
玄関は家の中でも比較的段差の大きい場所であり、転倒や痛みを予防するためにもどちらの手足が動かしにくいのか、どちらの足に痛みがあるのかを確認する必要があります。

動作別、手すりの設置位置・高さ

動作別、手すりの設置位置・高さ

玄関内での動作は大きく3つの動作に分けられます。

  1. 1)玄関内の移動
  2. 2)靴の着脱
  3. 3)上がりかまちの上り下り

靴の着脱方法は上がりかまちに座ってする方法と、立ってする方法があります。
靴の着脱方法で手すりの設置に違いができます。

●玄関内の移動

玄関内の移動で壁をつたって歩いている場合は横手すりがあると安全に移動ができます。
壁をつたい歩きすると手が滑ったときに支えになるものがないため、転倒に至る可能性が高く、壁やドアに頭を打ったり、物が倒れたりするとけがの原因になります。
横手すりを設置する高さは腕を自然におろしたときの手首の高さが目安です。
ドアを開けてから上がりかまちまで手すりが連続して持てると安全に玄関内を移動できます。

●靴の着脱①座って靴を着脱する場合

靴を座って着脱する場合は安全に立ち座りができるようにL字型の手すりを設置します。
外から帰ってきた場合は、上がりかまちに座るときに方向転換が必要です。
方向転換は転倒しやすい動作であるため、安全に動作をするには縦手すりと横手すりを両手で持ち、身体を支える点を増やすことが重要になります。
上がりかまちの蹴上げの上に縦手すり、玄関に横手すりがくるようにL字型手すりを設置すると良いでしょう。

●靴の着脱②立って靴を着脱する場合

靴の着脱②立って靴を着脱する場合

靴を立って着脱する場合は、縦手すりか横手すりのいずれかを設置します。
立位を安定させ、安全に靴の着脱ができる位置に手すりを設置しましょう。
縦手すりを設置する場合は上がりかまちの上り下りと兼用できます。
設置する高さは、上がりかまちの段差の上下で使える高さに設置する必要があります。
横手すりを設置する場合は玄関内の移動と兼用できます。
設置する高さは腕を自然におろしたときの手首の高さを目安にすると良いでしょう。
どちらのほうが安定して動作が行えるか確認し、手すりを設置しましょう。

●上がりかまちの上り下り①設置する位置、高さ、種類

縦手すりを設置することで、上がりかまちの上り下りをするときの腕の力を使って安全に上り下りできますし、膝や腰への負担や痛みを軽減する効果もあります。
縦手すりの高さは上がりかまちの真上に玄関側と廊下側の両方で使える位置に設置します。
段差が大きく踏み台を設置する場合は斜めの手すりを設置すると安全に上り下りできます。
設置する高さは踏み台と上がりかまちの蹴上げからそれぞれ測り、床から腕を自然におろしたときの手首の高さを目安にすると良いでしょう。
一段分手前から手すりを設置すると手すりの高さが均一になり、安全に段差を上り下りできます。
上りきりが困難な場合は、縦手すりを蹴上げから20cmほど離れた廊下側に設置すると、腕の力が入りやすく安全に段差を上りきることができます。

●上がりかまちの上り下り②動かしづらいほうの手足がある場合

動かしづらいほうの手足がある場合は、動きの良い側に手すりを設置すると安全に上り下りができます。
動きの良いほうに手すりがつけられない場合は、福祉用具の置き型手すりを設置すると良いでしょう。
踏み台付きの置き型手すりもあるため、玄関の上がりかまちの高さに合わせて設置することができます。
膝関節や股関節疾患のある方には動作の安全性が向上するだけでなく、痛みの予防にもなります。

手すりを設置しQOLや社会参加を維持しよう

玄関は家と外をつなぐ場所です。
玄関を安全に移動できなくなったり、転倒したりすると外出が億劫になりQOLの低下が起こる可能性があります。
外出への不安は心身機能にも影響を与え、引きこもりがちな生活が続くと筋力低下や精神機能の低下を招くこともあります。
玄関で安全に動作ができる位置に手すりを設置し、QOLや社会参加を維持しましょう。

  • 執筆者

    田中孝尚

  • 大学を卒業後、作業療法士免許を取得。急性期病院やデイサービス、福祉用具・住宅改修業者での勤務を経て、現在は精神科病院にてリハビリ業務に従事。心身の健康や在宅で安全に安心して暮らせる方法をわかりやすく丁寧にお伝えします。医療従事者の方々の健康にも焦点を当てていきたいと思っています。

    保有資格:作業療法士、重度訪問介護従業者、福祉住環境コーディネーター2級

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