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徘徊を起こしやすい認知症の特徴~なぜ徘徊が起きてしまうのか?

認知症の行動の一つとして出てくる「徘徊」。
なぜ徘徊が起きてしまうのか?それぞれの認知症によって原因や特徴があります。
頭ごなしに否定をすると、認知症が悪化するといわれています。
徘徊を起こしやすい認知症の特徴を知って行動を少し変えてみるのはいかがでしょうか?

認知症による徘徊、その原因

認知症と徘徊

「あてもなく、うろうろと歩き回る」徘徊は、認知症の行動、心理症状(BPSD)の一つです。
特に徘徊は発見が遅れると生死に関わることが多く、介護者を悩ませる非常に大きな問題です。
介護者にとっては徘徊を理解できなかったとしても、本人には「冒険」や「ちょっとした外出」としての理由があります。
徘徊自体をやめさせるために頭ごなしにその行動を否定してしまうと、徘徊と認知症、さらには介護者との関係も悪化します。
徘徊が起きる原因はずばり、「不安」です。
見当識障害(今がいつなのか、ここはどこなのか)や記憶障害(覚えていたことが思い出せない)や、幻覚(実際にないものが見えること)のため、本人が不安になり、外出しよう、家から出ようとするのです。
本人の行動原理を否定せず、その不安を解消するように振る舞うことや、外に出たい気持ちを紛らわせるような行動をとることが介護のポイントです。
徘徊を起こしやすい代表的な認知症は3つあります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。

徘徊を起こしやすい認知症の特徴とその原因

徘徊を起こしやすい認知症の特徴とその原因

代表例として3つ、Alzheimer(アルツハイマー)認知症、Lewy(レビー)小体型認知症、前頭側頭型認知症があります。
それぞれの特徴について説明します。

①Alzheimer(アルツハイマー)認知症

今いる場所はどこなのか、なぜこの場所に来たのか、などの「見当識障害」を伴います。
よく知っている道でも迷ってしまうことがあり、予想外に遠くまで行ってしまいます。
夕方に不穏になって出ていこうとする夕暮れ症候群は有名です。
夕暮れ症候群は、「(家にいるのに)家に帰って夕食の準備をする」「子供を迎えに行かないといけないから帰る」と、不安になって出ていこうとしがちです。
家から出ていこうとすることを頭ごなしに否定はせず、不安になる気持ちを紛らわせるように、夕食作りを手伝ってもらう、など役割を与えるのも良いでしょう。
「一緒にお迎えに行きませんか?」「お迎えが来るのでお茶を飲んで待ちましょう」「寒いのででかける準備をしましょう」などと言って本人を安心させ、気分転換を図るのも良いでしょう。

②Lewy(レビー)小体型認知症

Lewy(レビー)小体型認知症

睡眠の障害と関係するため夜間に起きやすいといわれます。
幻覚を伴うことが特徴であり、突然、「あそこに人が、動物がいる」と錯乱して、大声を出しながら、手足を動かすなどが特徴です。

家具や人を小動物などと錯覚するような幻視を伴うことがあります。
たとえば、夜間、「カーテンの裏にネズミがいる」といって家に入りたがらないなどがあります。
そのような場合は、一緒に見に行き、「ネズミはいないよ」と言ってあげ、安心させると良いでしょう。

また、人形や花瓶などの家具を見て「人がいる」と言って大声をあげることもあります。
その場合は、幻視の原因となるものを片付けるなどの環境を整えることも大事です。

③前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症

言葉や感情をコントロールする前頭葉や側頭葉が委縮する病気です。
まるで、人格が変わったかのように、痴漢をする、万引きをする、信号を守らない、人を押しのけるなどのルールを守らない反社会的な行動を伴うこともあります。

決まった時間に同じ経路で何回も歩いて回る周徊が特徴です。
強引に徘徊を止めようとすると暴力を振るう可能性もあります。

物忘れはないため、道に迷うことはありませんが、外に出て同じ道をぐるぐる回って帰ってきます。
決まった時間に同じ行動をとることが特徴です。

人格が変わるため、今までなかった人に迷惑をかける行為をしてしまう可能生があります。
同じ道を、同じ時間に歩き回ろうとすることや、他人に迷惑をかけているかもしれないことに対して、不安になる方も多いでしょう。
デイサービスなどを入れて、同じ時間に安全な道を散歩するようにすれば安全を確保できます。

徘徊を予防するその他の方法

徘徊を予防するその他の方法

独居されている方や、常時見回りなどが難しいため、徘徊のリスクが高い方はGPSを駆使し、予防するということも最近の方法です。
見守りセンサーやカメラを使用すれば、遠くからでも自分の携帯で異常がないかを確認できます。

また、認知症の方が徘徊した場合、早期発見できるように、捜索隊員に探してもらえるオレンジサービスネットというシステムもあります。
利用できる自治体もありますのでご検討されてはいかがでしょうか?

また、靴や腕輪などにGPS搭載しているものもあります。
充電の問題が課題ではありますが、GPSがうまく機能していれば、早期発見することができます。

徘徊が起きるそれぞれの認知症のことをよく知って不安を解消しましょう

このように介護者を悩ませる徘徊ですが、その認知症特有の徘徊が見られます。
また、徘徊を起こす理由の根底は不安ですので、その気持ちに寄り添いながら、不安になる原因を取り除き、気分を紛らわせるのが良い方法です。
最近はGPSを使用したグッズやシステムもたくさんありますのでそういった便利なものを使用していくのも良いと考えます。

参考:
内藤典子, 山口晴保: BPSDの非薬物療法. 臨床雑誌内科120巻2号, 2017.

  • 執筆者

    佐々木

  • 大学卒業後9年目医師です。 外科系医師として勤務し、手術の傍ら、医療系のライターの仕事をしています。救急の分野を得意とし、医学的根拠に基づいた記事を提供していきたいと思っております。

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