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ダブル介護・ダブルケアで疲れて限界を迎える前に!一人で抱えず相談窓口を頼ろう

1人で複数の家族の介護をするダブル介護、子育てと介護を同時に行うダブルケア。
1人分の介護でも大変なのに複数の世話はつらい・疲れたと感じても無理はありません。
一人で抱えて限界になる前に、頼れる相談窓口や利用できる制度を紹介します。

頑張りの糸が切れてしまう前に いざというとき頼れる相談窓口

ダブル介護とは?

ダブル介護とは?

ダブル介護は「多重介護」とも呼ばれ、実親と義理親、あるいは親と配偶者など1人で複数の家族の介護を担う状態を指します。
障害のある兄妹の世話と親の介護を同時にするのもダブル介護です。
信濃毎日新聞の記事によると、横浜市立大学の叶谷由佳教授が2019年に発表した調査では多重介護の担当を経験したケアマネジャーは約8割いました。
高齢者数の増加や、少子化で介護の担い手が減り、ダブル介護は今後も増えます。
特に要介護度が低いと施設入所が難しく、やむなく在宅で世話をする対象が複数人となることもあります。

ダブルケアとは?

ダブルケアとは?

ダブルケアは育児と介護を同時に行うことを指し、ダブルケアを行う介護者を「ダブルケアラー」と呼びます。
晩婚化で高年齢の出産が増えたこともあり、乳幼児を抱えて親の介護が始まるケースが見られるようになりました。
内閣府が2016年に行った調査では、ダブルケアを行っている人口は全国で約25万人
うち8割が30代・40代です。
またダブルケアラーの女性の半数、男性の9割が仕事も抱え、勤務形態を変えざるを得ない場合もあります。
乳幼児だけでなく小学生以上の子どもがいる家庭でも、親が介護で忙しく子どもの心身が不安定になることがあります。
2025年には団塊世代が75歳以上になるので、ダブルケアラーもさらに増大すると考えられます。

介護者が共倒れにならないためのポイント

介護者が共倒れにならないためのポイント

ダブル介護・ダブルケアで共倒れにならないために、試してほしいポイントをお伝えします。

●同じ状況の人とつながる

介護者のストレスを減らすには、ピアカウンセリング(当事者同士の集まり)のように「同じ状況の仲間とつながり気持ちや体験を共有する」ことが大切です。
似た体験を知ると共感でき「私だけではないんだ」とホッとします。
先輩ケアラーの話は、今後の参考や道しるべにもなります。
もしピアカウンセリングが近くになくても、インターネットには体験をブログやSNSで発信している人もいます。
ブログは介護体験を読むだけでなく、コメント欄で質問したり交流することも可能です。

●今必要なくても使えるサービスは事前に登録しておく

たとえば後述するファミリーサポートなど子どもの預かりサービスは、必要時に急に利用申請しても受けられません。
事前登録・面談・医師の検診を要するので、今現在緊急性がないサービスも登録だけは事前にしておくと安心です。
自分が病気になったりアクシデントのときにダブルケアやダブル介護の人は手立てが多いほうがいいからです。

●介護者である自分を最優先で守る=介護を必要とする人も守られる!

要介護者や子どもの世話を優先しがちですが、一番守るべきは介護者ご自身です。
特にダブル介護・ダブルケアを行う人は、周りや親戚がどう言おうと、使えるサービスは遠慮せず利用し、自身の健康を最優先で確保しましょう。
介護者の余裕がなくなると、家族全体が影響を受けます。
厚生労働省の2018年実施の調査では、介護者である身内からの虐待件数は1年で約17,000件あり、一番多い虐待理由が「介護疲れ・介護ストレス」でした。
ダブル介護やダブルケアは社会全体で取り組むべき問題です。
家庭の問題だと一人で抱えず、以下に紹介する地域サービスをできるだけ取り入れ、共倒れを防ぎましょう。

サポートしてくれる窓口・支援制度

サポートしてくれる窓口・支援制度

ケアマネジャー以外にもダブル介護・ダブルケアの支援窓口や制度があるので紹介します。

1)地域包括支援センター・自治体の「断らない窓口」

自治体に設置されている地域包括支援センターは、介護保険を使っている・いないにかかわらず、地域の介護が必要な高齢者全般の相談にのります。
介護分野以外の市町村の障害・こそだて支援の窓口も紹介してくれたりします。
2021年度からは市区町村役所に「断らない窓口」を整備するのを国が支援し、育児・介護・経済問題などを1つの窓口で幅広く相談可能になります。

2)ファミリーサポート・一時保育・シルバー人材センター・生協の「たすけあい」

育児も介護と同時にしている場合、近くに頼れる身内がいなくても子どもをみてもらえる制度があります。

ファミリーサポート 自治体が設置。
事前に面接でマッチングした提供会員が依頼主の子を預かる。
預かりは提供会員の自宅で行う場合が多い。
子どもの学校や園への送迎を依頼することも可能。
1時間当たり数百円と利用しやすい。
契約した提供会員の都合が空いていれば前日でも利用予約できる。
保育園の一時保育 保育園やこども園で行っている。
事前に医師診断書提出と申請が必要。
1日利用と半日利用がある場合が多い。
1日利用で2,000円以上など。
事前予約、1日ごとに定員がある。
シルバー人材センター 自治体が設置。
地域のシルバー世代が登録し、産前産後の手伝いや子守り、家事を手伝う、子どもの送迎など。
自宅に来てくれる場合もある。
2時間までで2,000円など。
ベビーシッター 民間サービスに登録する。
乳幼児だけでなく中学生までみてくれる場合があり、自宅で世話をしてくれる。
空きがあれば急な利用依頼にも応えてくれる。
生協「くらしの助け合い」 生協の組合員の中で「たすけあいの会」の会員に登録した人が、高齢者や子育て家庭の家事・子守・お年寄りの世話や介助を援助する。
1時間数百円+交通費など。
地域ごとの生協で内容が決まっている。

こうした制度は1つではなく幅広く事前登録しておきましょう。
特に一時保育は利用希望者が多いので、いくつかの園に問い合わせ空きがあれば毎月予約を入れて定期利用しておくのがおすすめです。

3)特養や保育園の優先入所、レスパイトケア

自治体によっては、ダブルケアの家庭は特養など施設入所の優先度が上がります。
また保育所もダブルケアの家庭は加点し、入所優先する自治体があり、今後この傾向は広まっていくはずです。
さらに高齢者施設では「レスパイトケア」といって、介護者が休息するための一時預かりサービスがあります。
ショートステイ(施設短期入所)がその例です。
利用すると、一人時間でゆっくりできるだけでなく、ほかの家族と日ごろできないことをしたり、子どもを甘えさせてあげる時間を取ることもできます。
小学生以上のお子さんでも、介護中はいろいろと我慢しているので、時間を取ってゆっくり話を聞いてあげるのも大切です。
こちらの記事も参考にしてください。
レスパイトケアをもっと利用しよう。在宅介護の継続には介護者の休息が大切です

4)介護休業・介護給付金

介護にはお金もたくさんかかるので仕事は辞めないでおきたいところ。
以下の制度を有効活用しましょう。

介護休暇制度 通常1年度当たり5日、介護のための休暇を取得できる。
介護対象家族が2名以上いる場合は10日取得が可能
介護休業制度 親や子どもが要介護状態のときに休業が可能
要介護状態とは負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態で、介護保険の「要介護認定」を受けていなくても休業対象になる
対象家族1人につき3回まで、通算93日まで取得可能
同一雇用主に1年以上雇用されていて、休業後も雇用見込みがあれば非正規でも取得できる
介護給付金 介護休業中に申請すると、雇用保険の被保険者で要件を満たせば雇用保険から給付金を受け取れる
給付額は「休業開始時の賃金日額×支給日数×67%

「介護休業制度」は期間いっぱい介護に専念するというより、介護休業中にケアマネジャーと、仕事と両立できる在宅介護体制を整えたり、施設入所のために動く期間と考えましょう。
「介護給付金」で生活費をある程度確保できます。
これらの制度を活用し、まずは落ち着いて仕事を辞めずに済む体制を整えて行きましょう。
こちらの記事も参考にしてください。
介護離職をしない。介護サービス、介護休業制度を上手に活用する方法

5)ダブルケアカフェ・SNS

自治体によっては「ダブルケアカフェ」を開催しています。
ダブルケアラーが集まりグチを吐いたり想いを共有できるだけでなく、育児にも介護にも詳しいスタッフが同席し両方の情報を得ることができます。
また近くでダブルケアカフェがなくても、SNSの活用は役立ちます。
Twitterで #介護あるある #ダブルケア #ダブル介護 などと検索すると同じような悩みの人が見つかり情報収集や交流ができます。
私も子どもの障害の情報収集のため産後にTwitterをはじめましたが、こうしたネットのつながりは、リアルで最新の情報がどんどん集まります。
専門家より詳しいのでは?と思うほど情報をよく知っている人もいますし、悩みをつぶやいて共感してもらうと心が随分軽くなります。
アプリを使いたくない人は、アプリに登録しなくても「Twitter検索」とグーグルなどで検索すればTwitter内をキーワードで検索して情報を「見るだけ」の利用も可能です。

【最後に】遠慮なく地域の手を借りてダブル介護・ケアをのりきる!

ダブル介護・ダブルケアは通常の介護より負担が多い分、使える手立ても多く用意していく必要があります。
今後さらに増化する、地域全体で支えていくべき課題ですから、一人で抱えずぜひいろいろな人やサービスを頼ってください。
今は必要なくても利用登録しておくだけでも、万一のときに役立ってくれるはずです。

参考:
厚生労働省 平成30年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果(2020年10月26日引用)
内閣府 育児と介護のダブルケアの実態に関する調査(平成28年4月)(2020年10月26日引用)
信濃毎日新聞 「多重介護」支援広げて(2020年10月26日引用)
毎日新聞 横浜市特養「ダブルケア」家庭優先 入所基準を見直し(2020年10月26日引用)
野田市 介護しながら子育てする方へ保育所の入所をサポート(2020年10月26日引用)
厚生労働省 育児・介護休業法のあらまし(令和元年12月作成)08.介護休業制度(2020年10月26日引用)
厚生労働省 育児・介護休業法のあらまし(令和元年12月作成)10.介護休暇制度(2020年10月26日引用)
厚生労働省 仕事と介護の両立 よくあるお問い合わせ(労働者の方へ)(2020年10月26日引用)

  • 執筆者

    湖上ゆうこ

  • 大学の社会福祉専攻を卒業後、内科・リハビリ病棟から精神科まで担う医療法人でソーシャルワーカーを勤めました。医療相談・地域連携をはじめ、入所施設の当直シフトもこなしていました。出産後はライターに転身。我が子の療育先で「やっぱりケアの専門職はすごい!」と感嘆する日々。多くの患者様やご家族の声に向き合った経験を活かし、一般の方には分かりやすい制度や社会資源の説明を、経営者・施設職員・コメディカルの方には明日の実践のヒントとなる情報をお届けします。

    保有資格:社会福祉士、精神保健福祉士

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