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トイレに手すりを設置するポイントとは?位置や高さ、種類の選び方を解説!

高齢になると足腰の筋力の低下や関節の痛みによりトイレ内の移動や便座からの立ち上がりが困難になります。
トイレ動作を安全にするために手すりを設置する方は多いですが、どこに、どのような種類の手すりを設置すればよいか悩むかもしれません。
今回は長く安全にトイレ動作をするための手すりを設置するポイントを紹介します。

「動けるうちは自分でしたい」被介護者の尊厳を守るトイレの手すり

手すりを設置する前に確認すること

手すりを設置する前に確認すること

手すりを設置する前に確認することは2つあります。

  1. 1)患者さんのトイレ動作の一連の流れの確認
  2. 2)動かしづらいほうの手足の確認

トイレ動作を細かく分けると、トイレの扉の開閉、トイレ内の移動、便座の前での方向転換、便座からの立ち座り、お尻を拭く動作に分けられます。
一連の動作で、どの動作に困難が生じているのか、転倒のリスクがあるのかを確認することが重要です。
ふらつきが見られる場所や手で支えている場所は手すりを設置する目安になります。
脳血管疾患や、股関節・膝関節疾患で動かしづらかったり、痛みがあったりする手足がある場合は、左右どちらの手足なのかを確認することが転倒や痛みを予防する上で重要です。

●トイレ動作の一連の流れを確認する

トイレへ行くときの一連の動作は5つの動作に分けられます。

  1. 1)トイレの扉の開閉
  2. 2)トイレ内の移動
  3. 3)便座の前での方向転換
  4. 4)便座からの立ち座り
  5. 5)お尻を拭く動作

5つの動作でふらつきや動作の困難さを感じている場所に手すりを設置することで安全に動作ができるようになります。
足腰の筋力低下やバランス機能の低下があると、壁をつたい歩きしていたり、ペーパーホルダーやタオルホルダーを支えにして移動や立ち座りをしていることが多いです。
支えている手が滑ったり、ペーパーホルダーやタオルホルダーがはずれてしまったりすると転倒の可能性が高まります。
5つの動作で手で支えている場所や、手あかがついている場所は手すりを設置する目安になるので必ず確認しましょう。

●動かしづらいほうの手足を確認する

動かしづらいほうの手足を確認する

動かしづらいほうの手足を確認することはトイレ内の移動や便座からの立ち座りで手すりを設置する上で重要です。
便座からの立ち座りでは手足の良いほうに手すりを設置することで安全に動作ができます。転倒や痛みを予防するためにもどちらの手足が動かしづらいのか、痛みがあるのかを確認する必要があります。

動作別での手すりの設置する位置や高さ、種類

動作別での手すりの設置する位置や高さ、種類

トイレ動作は前の章で述べた通り、大きく5つの動作に分けられます。

●トイレの扉の開閉

扉を開閉する動作は身体の前後の重心移動をともなう動作で、バランス機能が低下している方は転倒の危険性があります。
扉の横に縦手すりがあると安全に扉を開閉できます。
安全に動作をするには、立った状態で肘を90°に曲げた位置を中心に50〜60cmの長さの縦手すりを設置すると良いでしょう。

●トイレ内の移動

トイレ内を壁をつたいながら歩いていたり、ペーパーホルダーやタオルかけにつかまりながら歩いていたりする方は横手すりを設置することで安全にトイレ内を移動できます。
ペーパーホルダーやタオルかけは体重をかけると容易にはずれてしまう可能性が高く、転倒の危険性があります。
安全にトイレ内を移動するには、立った状態で自然に腕をおろしたときの手首の高さに横手すりを設置すると良いでしょう。
便座からの立ち座りや方向転換で縦手すりやL字型手すりを設置する場合は横手すりを連続して設置することで、その後の動作も安全にできます。

●便座の前での方向転換

トイレに入り便座に座るには方向転換が必要です。
回転動作はバランスを崩しやすい動作であるため、縦手すりや横手すりを設置すると安全に方向転換ができます。
L字型の手すりを設置すると、方向転換と立ち座り、座りなおしで用いることができるため安全でスムーズに動作ができます。

●便座からの立ち座り

便座からの立ち座り

便座からの立ち座りは2つの方法があります。

  1. ①手で引っ張りながら立ち上がる場合
  2. ②手で押し上げて立ち上がる場合

立ち上がり方法の違いで手すりの設置位置は変わります。
どちらの動作が立ち上がりやすいか、痛みがないかを確認しましょう。

①手で引っ張りながら立ち上がる場合

縦手すりやL字型の手すりを便座の側方の壁に設置します。
縦手すりの設置位置は便座に座り腕をまっすぐ伸ばした位置(便座から20~30cm前方)が目安です。
近すぎたり遠すぎたりすると手すりを有効に使えないので注意が必要です。
便座の対面に壁がある場合は前方に横手すりを設置すると、両手で支えながら安全に立ち座りできます。
設置位置が低すぎると立ち上がりにくく、壁に頭が当たる可能性があるので注意が必要です。

②手で押し上げて立ち上がる場合

左右に横手すりを設けると両手で押し上げながら立ち上がることができます。
便座への座りなおしにも有効です。
長さ50~60cmの手すりを便座から23~30cm上の高さに設置します。

●お尻を拭く動作

座っている姿勢が保ちにくい方やお尻を拭くときに身体が不安定な方は横手すりを設けることで身体を支えることができます。
お尻を拭く動作は左右や前後の重心移動をともなうため、手すりを持って動作を行うと安定して動作ができるようになります。
手すりの高さは便座から23〜30cmの高さに設置すると身体をうまく支えることができます。

安全にトイレ動作ができるように手すりを設置しよう

トイレ動作はできる限り自分でしたいと思う方が多く、生活の質に大きく関わっています。
手すりがあれば、今まで困難であった動作ができるようになったり、楽に動作ができるようになったりします。
どの動作で困難さを感じているのかを観察し、長く安全にトイレ動作ができるように適切な位置に手すりを設置しましょう。

  • 執筆者

    田中孝尚

  • 大学を卒業後、作業療法士免許を取得。急性期病院やデイサービス、福祉用具・住宅改修業者での勤務を経て、現在は精神科病院にてリハビリ業務に従事。心身の健康や在宅で安全に安心して暮らせる方法をわかりやすく丁寧にお伝えします。医療従事者の方々の健康にも焦点を当てていきたいと思っています。

    保有資格:作業療法士、重度訪問介護従業者、福祉住環境コーディネーター2級

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