関節リウマチでお悩みの方必見!自助具を有効に使って食事を楽しもう!
関節リウマチは関節が徐々に破壊されることで日常生活に支障をきたす病気です。
初期症状は手足の指に起こることが多く、手指が変形したり関節が腫れたりします。
手や指での細かい動作がだんだん難しくなり、日常生活に支障が出てきます。
今回は日常生活動作の中でも食事に焦点を当てて、少しでも楽に食事ができ、味を楽しむための自助具を紹介します。
関節リウマチの方が感じやすい食事の難しさとは?
関節リウマチは初期から手や指のこわばりや痛みが起きやすく、手の細かい動作が徐々に難しくなります。
食事動作は箸やスプーン、フォークを用いますが、使用するには手や指の動きや手首の動きが重要になります。
箸で食べ物をつかんで口に運ぶには手や指の細かい動きや手首の動きが必要です。
スプーンで食べ物をすくい、口に運ぶ動作でも手や指、手首の動きが必要です。
関節リウマチの方は手や指、手首が動かしにくくなることで食べ物をつかんだり、すくったりする動作が徐々に困難になります。
食事を楽しむことの重要性とは?
食事は生命維持や、生活の質に関わる重要な日常生活動作です。
バランスの取れた食事をとることは大切ですが、楽しんで食べられるかどうかも重要です。
動かしづらい手で食事をとることは苦痛をともないます。
家族で会話をしながら食事をしていたとしても一人だけ食事が遅かったり、食事をすることに必死になっていたりすると、家族との時間や食事のおいしさを楽しむことができません。
食事を誰かに食べさせてもらうことも自分自身で食べている感覚とは違い、食べ物の味も変わってきます。
手や指、手首の動かしづらさで食事が難しくなると、食事が徐々に億劫になり、食欲も減退してしまう可能性があります。
なるべく苦痛を感じずに食事をして、「おいしい」、「楽しい」と感じることが生活の質を維持するために重要です。
食事を楽しむために有効な自助具とは?
手や指が動かしづらかったとしても適切な自助具を用いることで食事動作を楽にすることができます。
自助具には箸やスプーン、フォーク、皿などさまざまあります。
関節リウマチの方におすすめの自助具を紹介します。
●介助箸
介助箸とは、2本の箸が一体になっており、バネの力を用いて開閉することができる箸です。
箸で食べ物をつかむときは手や指の力が少し必要ですが、離すときはバネの力がアシストしてくれます。
箸の長さにも種類があるため、手の大きさに応じて箸を選べます。
箸の先に滑り止めがついている物もあるため、滑りやすい麺類や豆類も容易につかむことができます。
●スプーン、フォーク
スプーンやフォークにはさまざまな種類の自助具があります。
握力が弱かったり、手や指が動かしづらかったりする方は持ち手が太くなっているスプーンやフォークを用いると良いです。
持ち手が太くなっていることで弱い力でもスプーンやフォークを持てるようになっています。
手首が動かしづらい方にはスプーンやフォークの先が曲がっている物や手のひらにベルトで固定する物がおすすめです。
先が曲がっているスプーンやフォークは手首を返さずに食べ物を口に運べます。
先の角度を調整できる物もあるため、一人ひとりの身体に合わせて調整できるメリットがあります。
ベルトで固定する物は手や指、手首を使わずに、前腕や肘の動きで食べ物を口に運べます。
手や指、手首の痛みや関節の変形を予防するメリットもあります。
●コップ
コップの持ち手を持って口に運ぶには指の力が必要です。
関節リウマチが進行すると指が動かしづらかったり、指が変形したりするため、持ち手をうまく握れないことがあります。
指の動かしづらさや指の変形がある方には持ち手が太いコップや、手のひらと手の甲にひっかけられる持ち手がついたコップがおすすめです。
容易にコップを持てるだけでなく、痛みや関節の変形の予防にも役立ちます。
●皿
皿を持つことが難しかったり、皿の上の食べ物をうまくすくえなかったりする方には滑り止め付きの皿や持ち手付きの皿・お椀がおすすめです。
滑り止め付きの皿とは皿の底に滑り止めがついており、食べ物を箸でつかんだり、スプーンですくったりするときに皿が動きにくく、箸やスプーンで食べ物を取りやすくなっています。
皿の形状はさまざまで、スプーンですくいやすいようにカーブがついている物もあります。
持ち手付きの皿・お椀は手のひらと手の甲にひっかけられる持ち手がついているため、食器を持ちやすくなっています。
口にお椀を持っていかなければ食べづらい汁物を食べるときにおすすめです。
皿の色や絵柄もおしゃれな物が増えているため、食事や気分に合わせて食器を変えることができます。
自助具を有効に使って食事をいつまでも楽しく!
自助具を用いることで少しでも楽に食事ができ、味を楽しむことができます。
箸やスプーン類、コップは持ち運びができるため、外出先での食事も楽しめます。
関節リウマチの進行具合で用いる自助具は変わるため、本人が使いやすく、味を楽しめる自助具を選ぶことが重要です。
自助具を用いると、痛みや関節変形の予防にもなるため、苦痛を感じずに食事をすることができます。
長く自分自身で食事をして、味を楽しむために、自助具を有効に使いましょう。
-
執筆者
-
大学を卒業後、作業療法士免許を取得。急性期病院やデイサービス、福祉用具・住宅改修業者での勤務を経て、現在は精神科病院にてリハビリ業務に従事。心身の健康や在宅で安全に安心して暮らせる方法をわかりやすく丁寧にお伝えします。医療従事者の方々の健康にも焦点を当てていきたいと思っています。
保有資格:作業療法士、重度訪問介護従業者、福祉住環境コーディネーター2級