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マスク着用やビデオ通話でも相手に安心・好感を与える話し方や表情は?

コロナ禍でマスク着用での会話やビデオ通話での交流が浸透していますが、何となくコミュニケーションが取りにくく、自分の印象も気になるところです。
今回はマスク着用やオンライン交流で好感を得る話し方・表情のコツを、対人業務のプロとしてお伝えします。

ソーシャル・ディスタンスの時代のコミュニケーション

マスクやビデオ通話では気持ちを誤解されやすい!

マスクやビデオ通話では気持ちを誤解されやすい!

そもそも人が会話するときに話し手が聞き手に与える影響には、米心理学者アルバート・メラビアン提唱の「メラビアンの法則」というものがあります。

<メラビアンの法則>

  • ○見た目やしぐさ・表情・視線など目で見てわかる情報 →55%
  • ○声質や話す速度、話し方など耳からの情報 →38%
  • ○発言の意味や会話の内容など言語情報 →7%

つまり話した内容だけでなく、気持ちの伝わり方には見た目の印象が大きく影響するのです。

しかしマスクだと口元や頬の表情など目に見える情報が減り、オンライン通話でも細かな表情がわかりにくく、以下のようにコミュニケーションに影響すると考えます。

  1. 1)マスクだと唯一見える「目」の様子・身だしなみ・しぐさ・話し方が重要になる
  2. 2)ビデオ通話では表情は見えても話し手の感情や温度感(人間味)があまり伝わらず、直接話すより低テンションでクールに見えてしまう
     (→明るさや楽しさ・嬉しさの度合いを大きく伝えなければ誤解されかねない)
  3. 3)ビデオ通話やweb会議などオンラインは若干のタイムラグもあり、互いにどのタイミングで発言すればいいか間合いをはかるのが難しい
  4. 4)発言の間合いが難しく「いいそびれ」「聞きそびれ」など消化不良を残しやすくなり、そのままにするとあらぬ悪印象を持たれて関係がギクシャクしかねない

このように、マスク着用やオンラインでのやりとりでは、気持ちが少し誤解されやすくなります。
それを防ぐためのポイントを、以下で説明します。

マスク姿でも好感を持たれる「表情」と「しぐさ」

マスク姿でも好感を持たれる「表情」と「しぐさ」

マスクをしていても好感を持たれるには、以下のような表情やしぐさのコツがあります!

●マスクでも口元から笑顔をつくる!優しくアイコンタクトも

マスク着用でも表情を良くして視覚的な情報から好感を持ってもらうには、目や声の印象が大切です。
目元や声の感じでも笑顔は伝わるので、マスクで見えなくても口元からにっこり笑顔をつくり話してみましょう。
たとえばコールセンターや電話応対をするスタッフはデスクに手鏡をおき、顔の見えない相手にも笑顔で対応できているか自己チェックすることがあります。
これは私も新人時代に電話応対で練習しましたが、電話越しで顔が見えない相手でも話し手が笑顔かは声で伝わるようで、口元から笑顔で話すと好感を持っていただけました。
口元から笑顔だと話し方も柔らかくなり、表情筋の働きを意識して口元→目元と連動して笑顔にする練習をすると、マスク姿でも目が優しい笑顔に見えるのでおすすめです。
またマスクをすると目線が注目されるので、アイコンタクトが重要ですが、威圧感を与えない程度にしましょう。
相手の目や眉間のあたりを「優しく」見つめ、安心感を与えましょう。

●うなずきやジェスチャーは大きめに

マスクだとどうしても小さな相づちなどが聞こえにくく、口元も見えないので、たとえ同意や共感していても伝わらず、相手を不安にさせがちです。
マスクのときは「うなずき」を大きめにはっきりと、驚いたときは眉を大きく動かし目を大きく見開く、手で指し示す案内などはジェスチャーをはっきり行いましょう。
同意をはっきり伝えるため手で〇をつくったり、共感の気持ちを手で拍手して伝えたりするなどのジェスチャーも、特に相手が高齢の場合や話が聞こえにくいときには活用しましょう。

●可能なら服や目元メイクの色は明るく優しいカラーに!

可能なら服や目元メイクの色は明るく優しいカラーに!

最初に述べたように、マスクだと口元が見えず、優しさや明るさなどが伝わりにくいです。
その分、目元メイクや服の色を明るく優しい雰囲気にしておく
と、相手が安心して好印象につながります。

●安心させたい相手や長い付き合いになる相手にはマスクをずらし一度顔をみせる

特に安心させたい相手や、初対面でこれから長く交流する予定の相手の前では、挨拶のあと一度マスクをずらして顔全体をみせてにっこり会釈し、顔をよく覚えてもらいましょう。
相手からするとマスク姿だけで素顔がわからないのは結構不安を感じます。
(海外では防護服で顔がわからず患者が不安なので、医師らが防護服を着た上から胸に自分の笑顔の顔写真のプレートをぶら下げている病院もあると報道されていました。
それくらい、特に病気の人や不安な気持ちの人には「顔が見える」ことで安心してもらえるのです。)
マスクをずらすときは距離をとり会釈だけにして、またマスクをつけてから話せば感染予防の点でも問題ありませんし、素顔を確認できることで安心感と親近感を持ってもらえます。

マスク姿でも好感を持たれる「話し方」

マスク姿でも好感を持たれる「話し方」

次にマスク着用時の「話し方」で好感を得るコツをお伝えします。

●声の高さ・スピード

通常口角が上がっていれば笑顔などと判断しますが、マスク姿だと判断が難しくなります。
そのため、たとえば「嬉しいです」と言っても、小さくて暗い声だと「なんか不満があるのかな」などマイナスに捉えられてしまう可能性があります。
普段声が低めや声がこもりやすい人は、マスク着用時に少し声の高さを上げて明るく、できるだけ感情が伝わるよう抑揚をつけて話してみましょう。
そしてマスク越しでは聞き取りにくいこともありますので「ややゆっくりめ」のスピードで、落ち着いて穏やかに話すようにしましょう。

●クッション言葉の活用

マスク姿は表情がわからず、同じ内容でも言い方次第で冷たく感じることがあります。
これを防ぐには「クッション言葉」を活用しましょう。
たとえば「恐れ入りますが」「さようですか」「なるほど」「そうしますと」「ご足労をおかけしますが」「あいにく」「大変申し上げにくいのですが」といった言葉です。
これらを使うと、同じ内容を伝えるにしても柔らかく丁寧な印象になり、物言いのキツい印象がグッと少なくなります。
接客業でも重要視されるテクニックですので、ぜひ使ってみてください。

●相手の言葉や語尾を繰り返す

会話の中で相手の言ったワードを繰り返す、相手の言葉の最後を切り取って繰り返すのも「共感している」ことをしっかり伝える方法です。

例:
「この間、母が倒れてとてもショックを受けまして」
 →「お倒れになったんですか、お母様が?それはとてもショックでしたね」

このようにすると、自分が語ったことの一部を相手が引用してくれることで、非常に自分の気持ちをわかってくれたという安心感・信頼感につながります。
マスクによって互いに表情が読み取れないときこそ、このように信頼を得られる話し方を心がけましょう。

ビデオ通話やオンライン面談がうまくいくコツ

ビデオ通話やオンライン面談がうまくいくコツ

コロナ禍では入院入所中の家族や遠方に住む人とビデオ通話で顔を見て話すことが多いでしょう。
以下のポイントを押さえれば、オンラインでの無用な誤解や「取り残され感」「一方的な印象」が生まれにくく、成功しやすくなります。

●誰か(どちらか)がリードして話す

ビデオ通話はタイムラグもあり、相手の表情の見えにくさから発言のタイミングがわかりにくく、いわゆる「間合いがわからない」状態になりがちです。
2人で話すならどちらか、多数参加なら誰か一人が話をリードしましょう。
(上下関係のない間柄なら、ビデオ通話を提案した側が「今日は時間をつくってくれてありがとうございます」などと先に話を始めてもスムーズな会話になります。)
多数参加の場合は、できるだけいろんな人が話せるように話を振りましょう。

●自分の話し終わりがわかるように!無線で交互に話すイメージ

ビデオ通話は「話す間合いがわかりにくい」ので、自分が話すときは話し終わりがわかりやすいようにします。
話し終わるときに「以上です」「…といった感じです」など、区切りだと相手がわかる言葉で発言を終えると、次の人が安心して発言できます。
そうして無線で会話をするようなイメージで交互に話し、自分の番ではできるだけ言いたいことは短く刻むのではなくある程度まとめてひと流れに話します。
そうすると、相手もいちいち相づちがいらず「声のかぶり」が少なくなります。

●「聞く」ときはしぐさに気をつけて好印象に!

ビデオ通話やweb会議では、話し手は「本当に伝わってる?」と不安になることも。
そこで参考にしていただきたいのが、相談業務のスタッフも行う、話し手を不安にさせないための「聞き手のしぐさのコツ」です。

  1. 1)「やや上体は前に傾ける」→相手の話に興味があると姿勢で示せる
  2. 2)「腕組み」「手を握る」は防御を表し相手を不安にするのでしない、「手のひらを広げる」と心を開いている印象になる
  3. 3)「脚を組み替える」「膝をゆする」→「緊張」「不安」を意味するのでしない
    ※ビデオ通話で足元は見えずとも、上体も動くので落ち着かなさが伝わってしまう

相手想いのコミュニケーションで安心感を与えましょう!

マスク着用やオンラインのビデオ通話では表情がわかりにくく、気持ちが誤解されて伝わらないか心配になるところです。
大事な話し相手ほど、普段のコミュニケーションより少し気持ちをはっきり示すコミュニケーションが重要になります。
少しの心がけで相手に与える印象が大きく変わるので、ぜひここに挙げた方法を試して信頼感や安心感を持ってもらえるようにしてみてください。

参考:
かんでんCSフォーラム メラビアンの法則(7-38-55ルール)・コールセンターの心理学(2021年2月20日引用)
NHK コロナ禍をどう乗り越える 感染も写真も増えないで(2021年2月22日引用)
久保紘章, 北川清一, 他: 社会福祉援助技術論 初版. 相川書房, 東京, 2002, pp.202-223.

  • 執筆者

    湖上ゆうこ

  • 大学の社会福祉専攻を卒業後、内科・リハビリ病棟から精神科まで担う医療法人でソーシャルワーカーを勤めました。医療相談・地域連携をはじめ、入所施設の当直シフトもこなしていました。出産後はライターに転身。我が子の療育先で「やっぱりケアの専門職はすごい!」と感嘆する日々。多くの患者様やご家族の声に向き合った経験を活かし、一般の方には分かりやすい制度や社会資源の説明を、経営者・施設職員・コメディカルの方には明日の実践のヒントとなる情報をお届けします。

    保有資格:社会福祉士、精神保健福祉士

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