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小規模多機能型居宅介護を上手に活用する方法~在宅生活を長く続けるために

在宅介護で訪問介護や通所介護(デイサービス)、ショートステイなどのサービスをすでに利用している方、またはこれから検討する方なら一度は目にする「小規模多機能型居宅介護」。
小規模多機能型居宅介護とは一体どのようなサービスなのかを、メリット・デメリットとともにお伝えします。

小規模多機能型居宅介護を上手に活用する方法

訪問介護+通所介護+泊まりが一体であるのが最大の特徴!

小規模多機能型居宅介護とは、複合型サービスによって自立に向けての適切な支援を受けることができる地域密着型サービスのことです。
ずばりデイサービスと呼ばれることもあり、そのサービスの中心は通所介護(デイサービス)ですが、ほかにどのような特徴があるのかを紹介します。

●わかりやすいサービス形態

まず通所介護とは、施設に通うことで食事や入浴、リハビリなどの機能訓練を受けることができるサービスのことです。
利用する方は基本的に日中、日帰りで施設に通いながら支援を受けています。
こうした通所介護利用の1つとしてあげられるのが、小規模多機能型居宅介護です。

通常、訪問介護はヘルパーのいる訪問介護の事業所から。
通所介護はサービスを行っている施設へ。
泊まりのサービスに関してはショートステイを利用するなど、サービスごとに別々の事業所からサービスを受けます。
こうした在宅介護には欠かせない3つのサービスを、1つの事業所から受ける利用形態が小規模多機能型居宅介護の特徴です。

小規模多機能型居宅介護について、厚生労働省が以下のように定めています。
「定員について1事業所あたりの登録は29名以下、1日あたりは通所介護(デイサービス)が概ね15名以下、宿泊が概ね9名以下。希望により訪問介護を行います。
費用については、利用者負担1割(一定以上所得者の場合は2割)とされていますが、日常生活費(食費・宿泊費・おむつ代など)などは、別途負担する必要があり、実際の費用はご家庭によって異なります」

●小規模多機能型居宅介護~1日の流れ

1日の流れ

事業所で利用者さんはどんな過ごしかたができるのか、1日の流れを見てみましょう。

◯午前

8時~9時 送迎にて、お迎え
1日の始まりです。
利用者さんは9時~10時の間に到着し、すぐに血圧測定などのバイタルチェックを行います。
前日に泊まりを利用していた方は朝食を召し上がります。
10時~ 順番に入浴
排泄介助を行ってから入浴へ。
大浴場ではなく、自宅のお風呂と同じ広さです。

◯午後

12時 昼食
職員も介助をしながら一緒に食事をする事業所が多く、和気あいあいとした雰囲気に。
13時~ レクリエーション、談話
日課として体操。
映画鑑賞やカラオケ、外出レクリエーションの日などもあります。
16時~ 送迎にて、帰宅
順番に送迎、ご家庭の状況により夕食を食べてから帰宅する方もいます。
18時~ 宿泊(利用する方のみ)

●泊まりの便利さが選ばれる理由

ショートステイのサービスでは、利用日数の制限や予約が必要であるため、家族の急な都合で利用できません。
一方、小規模多機能型居宅介護では定員は決まっているものの、サービスの利用制限がなく、通いを利用している方なら家庭の都合に合わせて宿泊を利用できるなど、家族にとってメリットが大きいサービスなのです。
また、訪問介護も顔なじみの職員がご自宅にお伺いするので、利用者さんも
「慣れない人で不安」
といったストレスがなく、安心して利用できるという声が多くあります。

古民家型が魅力!自立を目指した自由な環境がリハビリに!

事業所はお住まいの地域にあり、ほとんどの場合が古い住宅を改装しているため、施設っぽさを感じません。
ここでは、どんな方がどのようにサービスを利用しているのかを紹介します。

●「まるで自宅」の安心感が信頼関係をつくる

室内の雰囲気は事業所によってさまざまですが、間取りなどは普通の住宅と同じです。
施設のように広くはありませんが、職員の目が行き届きやすいため、事故が起こりにくく、介護がしやすい環境であるといえるでしょう。
定員が少ないため、一人ひとりに寄り添ったケアを行えることもアットホームな環境ならではで、信頼関係の実現が自立への近道となっています。

●認知症ケアにも対応

利用者さんは人見知りの方が少なくありません。とくに認知症がある方は、新しい環境が苦手で他人を避けるようになります。
不安とストレスがある心理状態のために、より状態が悪くなってしまうケースが多いのです。
古民家型の事業所では、機械による大きなリハビリはできませんが、自然に行われる会話や楽しい思い出などが確実にリハビリになっています。
認知症のため、時には暴力的になったりする方でも、利用を始めてからは落ち着いて生活している経過も見られます。
親しみある環境のなかでなら、人は自然と笑顔になれるものです。

●生活に合わせてサービスを活用できる

泊まりの日数に制限のない特性を生かした利用方法の例を紹介します。
認知症で要介護5の鈴木さん(仮名・70代)ご家族は平日24時間介護が難しいため、特別養護老人ホーム(特養)に申し込み、空きを待つことにしました。
当初、特養の空きまではショートステイの利用を検討されていましたが、ショートステイでは30日以上の利用は全額自己負担。
空きがいつ出るかわからない特養を待つための利用としては不安がありました。
そこで、小規模多機能型居宅介護の宿泊を利用することに。
平日は泊まり、家族のいる土日は帰宅、月曜に訪問サービスを受けてお迎え、といった形で特養が決まるまでの数カ月間利用されていました。
ほかにも、病院からの退院後すぐに自宅での生活が難しい場合に泊まりの利用をすることも可能です。
骨折で入院した菅野さん(仮名・80代)は、退院後もまだ十分に完治しておらず、24時間見守りが必要でしたが、自宅は老老介護。
1人でトイレに行けるようになるまで泊まりを利用し、完治した後はご夫婦で通所介護と訪問介護のみ利用を継続しています。
このように、それぞれの生活スタイルによってサービスを組み合わせて利用することも可能です。

利用方法は?ケアマネジャーの変更が必要などデメリットもあり!

サービスを利用するには、お住いの地域に小規模多機能型居宅介護の事業所があることが前提となり、契約には事業所担当のケアマネジャーに変更する必要があります。
これまで信頼関係を築いてきたケアマネジャーが継続できないことへの不安が大きなデメリットといえます。
こうした不安の解決のためにも、サービスの利用について担当のケアマネジャーに相談してみましょう。
今後変更が必要だからといって、相談しづらいということはありません。
信頼関係のあるケアマネジャーは利用者さんの立場に立って適切なアドバイスをしてくれます。
なぜ利用したいのか、積極的に知りたい情報を聞くようにしましょう。
また、ほかの事業所で行っている同類サービスは介護保険の併用不可となります。
これまで利用してきたサービスを小規模多機能型居宅介護でも受けることができるかなど、照らし合わせて相談しましょう。

まとめ

小規模多機能型居宅介護は複合型で利便性の高いサービスですが、あくまで施設入所ではないという理解が大切です。
訪問介護、通所介護、泊まりをまんべんなく利用することが在宅生活を続けるための手助けとなってくれます。
まずはほかのサービスと比較して利用しやすいか、雰囲気が合うかなど、見学をしてみるのもよいでしょう。
メリット、デメリットを踏まえたうえで、ご家庭の状況に最も合うサービス形態を利用してください。

参考:
厚生労働省 介護サービス情報公表システム(2018年1月24日引用)

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