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遠方に住む祖父の介護、離れていても届けられる4つの支援

遠方に住む親や祖父母が病気になったとき、別々に暮らす子どもや孫たちに、一体なにができるのでしょうか?
今回は、遠方で暮らす祖父に対し、孫である筆者が実際に行った4つの支援をご紹介します。

祖父の様子がおかしい

その1 必要な物をすぐに届けられる「ネットショップの活用」

祖父が食欲をなくし、食事量がどんどん減ってしまったとき。
母も祖母も、少しでも多く食べてもらおうと、祖父の好きなものを選び、たくさんの種類を少しずつ小鉢にして出すなど、さまざまな工夫をしていました。
しかし、食べたくないときにたくさん食べろと言われても、食欲は増えません。
そのうち祖父は、食べたくないのに無理やり勧めるな、と食事のたびに怒るようになってしまい、祖母と母はどうしたらよいのかと悩んでしまいました。
その話を聞いた私は、病院でも採用されている、お勧めの高カロリーで栄養満点の飲み物をネットで注文し、直接祖父の家へ送りました。
その飲み物のおかげで、祖母や母は、最低これを飲んでくれれば栄養面もカロリー面も安心、と思うことができましたし、祖父も飲むだけでカロリーが取れるその食品を、とても気に入ってくれました。
また、「孫が自分のために送ってくれた」ということ自体が、祖父にとってはとてもうれしかったそうです。
介護を受ける人や介護を行う側の方々のなかには、ネットについてあまり詳しくない方も多くいます。
よって、介護において問題が発生しても、便利なものを調べるのではなく、周辺にあるお店にあるものだけで何とか乗り切ろう、と考えてしまいがちです。
そのため、遠方に住む家族が、介護に役立つ商品をネットで直接注文し送ることも、十分な支援となります。
たとえ専門的な知識がなくても、普段使っているオムツやおしりふきなどを送るだけで、店に出向いたり運んだりといった手間を省くことができるので、直接介護を行っている人にとっては大きな助けになるのです。
なお、ネットを使って直接商品を送って支援をする際には、送っても問題がないかどうか、事前に確認されてから送ることをお勧めします。

その2 「会えない」を解消!写真や動画を毎日送る

高齢者が体調を悪化させてしまったとき。
気になるのが「認知症にならないか、または悪化しないか」ということです。
祖父の場合、それまで自ら運転し、好きなところへ行っていたほど活発だったのに、体調を悪化させてからは家にこもるようになりました。
体調が思うように回復しないイライラや不安を、祖母や母へぶつける日々が続くなか、祖父は少しずつ、少しまえに起こったことを忘れてしまうようになっていきました。
これは、認知症の初期症状として起こりやすい記憶障害で、特に数分前から数カ月前くらいの最近のできごとを、忘れやすくなってしまうのが特徴です。
そこで私は、「このままいくと認知症が進み、真っ先に祖父の記憶から消えてしまうのは、生まれてすぐの私の子ども。祖父にとってはひ孫だ」と考え、子どもの写真や動画を毎日母の携帯へ送るようにしました。
その写真や動画を祖父に見てもらうことで、少しでも長い期間「ひ孫が生まれた」ということを、覚えていてほしかったからです。
また、写真がある程度たまったら現像し、直接写真にして送ることで、祖父のベッド周囲には、常にたくさんの子どもの写真が飾られていました。
そのかいあってか、祖父はたとえ忘れてしまっても傍らにある写真を見ることで、すぐに「そうだ、うちにはひ孫がいる」と思い出してくれるようになりました。
写真は、家族とのつながりを思い出させるツールとして大変有効です。
遠方に住んでいても、ぜひ写真や動画を送るとともに、写真を現像して直接見えるところに飾ってもらうように伝えてください
そうすることで、想像以上に効果を発揮してくれるはずです。

その3 介護の不安や悩みを引き出そう!「聞くこと」で祖母のリフレッシュを図る

祖母や母、直接介護をしている人の不安や心配のはけ口になる

祖父が体調を悪化させ始めたとき、祖母や母、特に60年以上連れ添った祖母の動揺はとても大きなものでした。
母が私の産後の手伝いに来てくれた際、2日目には泣きながら「もう限界だ。早く帰ってきて」と電話をし、心配した母が日程を切り上げてすぐに帰宅するほど、祖母は精神的にとても厳しい状況となっていました。
病院でも、患者さんの家族が毎日訪れ、ずっと看病を頑張りすぎてしまった結果、体調を崩してしまったり、精神的に疲れてしまってしばらく面会に来られなくなってしまうことが、少なくありません。
私の場合も、祖父の体調が今後回復するかわからないなか、日々祖父の介護を行っている祖母と母に対し、家族として精神的な面でのフォローが必要だと考えました。
そこで、祖母と母、それぞれの携帯に私から電話をかけ、直接不安に思っていることや心配していることを、伝えてもらうようにしました。
母も祖母も、はじめは「あなただって産後で慣れない育児中なのに…」と遠慮していましたが、少しずつ「じいちゃんがどんどん弱っていって、見ているのがつらい」といった不安や、「じいちゃんがトイレを失敗するようになってしまった。なにか良い方法はないか」といった相談をしてくれるようになりました。
当時、祖父はまだ介護保険を使っていなかったため、祖母や母にとっては私が唯一の相談相手でした。
そのため、こちらから電話をして不安や心配ごとを聞くように心がけたことで、後日二人からは「あのとき毎日のように電話をしていろいろ話せたことで、少しずつ介護の体制を整えることができたし、心構えができた」と言ってもらうことができました。
直接会いに行けなかったとしても、こうして声を聞いて、話を聴くことは大切なのだと感じました。

その4 祖父とじっくり話をする

症状の進行に伴い、祖父は祖母や母に対し、とてもきつい口調で叱責することが多くなりました。
もともと昔ながらの人なので、ある程度命令口調で祖母や母に伝えることはあったのですが、体調が悪くなってからは自分のイライラを、すべて祖母や母にぶつけているように感じました。
そこで、祖母や母と電話した際は、必ず祖父にも電話を代わってもらい、私が直接祖父と話をすることで、祖父自身のイライラも解消させることを心がけました。
祖父と直接話をすると「最近、どんどん忘れやすくなった」「じいちゃん、もうダメかもしれない」など、周囲の家族にはなかなか伝えづらい不安や恐怖を、電話を通して話してくれました。
私から直接なにかを話す、ということはありません。
ただ、祖父の思いを聞き「じいちゃんもつらいよね」「少しでもご飯が食べられてよかったね」といった同調や、祖父が頑張っていることを肯定する言葉をかけるように心がけました。
そうすることで、祖父自身も精神的に少しは落ち着けたようで、「電話してくれると、そのあとは精神的に落ち着くから助かる」とのことでした。

介護が必要となってしまったとき、つい介護する側の負担軽減のみを考えてしまいがちですが、実際には介護を受ける本人も、常に大きな不安をもっているのです
今後、自分はどうなってしまうのか。
どんどんそれまでできていたことができなくなっていく恐怖。
少しでもこの恐怖を解消させるためにも、祖父と直接話をすることはとても有効だったのではないか、と今でも思います。

離れていてもできること

遠方に住んでいる場合、「私が側に住んでいれば」と考えてしまいがちです。
しかし、たとえ遠方に住んでいたとしても、家族を支援することは可能なのです。
将来的なことを考えることももちろん大切ですが、介護はいつ始まり、そしていつ終わるかわかりません。
だからこそ、まずは遠方からすぐにできる支援を考え、実施すること。
それが大切なのではないでしょうか。

参考:
岡庭豊:病気がみえるVol.7 脳・神経:メディックメディア社:東京:2012年:pp336-351

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