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介護離職をしない。介護サービス、介護休業制度を上手に活用する方法

「介護離職ゼロ」を目指した政策は多く発表されていますが、実際に活用されている人は決して多くありません。
今回は、介護離職をしないためにはどうすればいいのか?をお伝えしていきます。

介護疲れ

データや調査から見る「介護はいつまで続くのか」

介護は実際いつまで続いていくのか、いくつかのデータを見ていきます。
このデータから、一般的な介護期間が見えてくると思います。

〇厚生労働省発表の「平均寿命」と「健康寿命」

厚生労働省が発表しているデータのなかで、「平均寿命」と「健康寿命」というものがあります。
「平均寿命」とは、0歳児の平均余命の事を指しており、その年に亡くなった人の平均年齢ではありません。
「健康寿命」とは、日常生活に制限なく健康に過ごせている期間のことを指しています。
日本では平均寿命が長いものの、実は健康寿命とは比例していないのです。
厚生労働省では、この平均寿命と健康寿命の差に着目して、短縮できるようにさまざまな対策を行っています。
厚生労働省が発表した2013年(平成25年)の男性平均寿命は78.72歳、女性は83.37歳となっています。
また同年の男性の健康寿命は71.19歳、女性は74.21歳となっています。
この「平均寿命」と「健康寿命」の差の部分は、日常生活に何らかの制限がある期間になりますので、当然介護している期間も含まれています。
この差は、男性が7.53年、女性が9.16年となっています。
さらにこの期間のなかで、日常生活動作が自立していない期間の平均は、男性が1.49年、女性は3.24年となっています。
つまりこの期間は、特に「直接的な介護が必要な期間」と捉えることができます。

〇認知症の人と家族の会が発表している認知症の人への介護歴

公益社団法人認知症の人と家族の会が、認知症の人への介護歴についてデータを公開しています。
このデータは同会に所属する介護者531人に対して行ったものです。
参考に見ていきたいと思います。
認知症介護の平均年数は6.7年。
5~9年介護されているという方が最も多く、全体の41.1%。
なかには30年以上も介護されている方もいることが分かっています。

介護離職者9万5千人!仕事と介護を両立させる介護サービス

2017年(平成29年)版高齢社会白書によりますと、日本の高齢化率は27.3%であり、超高齢化社会となっているのが分かります。
この高齢化率については、今後さらに伸びていき、2060年には40%近い水準になると予想されています。
65歳以上の高齢者がいる世帯は、47.1%です。
高齢者の単独世帯、高齢者夫婦のみの世帯が増えていることも分かっています。
そのような状況のなかで、家族の介護を理由として離職される人が多くいます。
介護を理由にする離職者については、増減を繰り返していますが、2011年(平成23年)10月~2012年(平成24年)9月の1年間では、約9万5千人もの介護離職者がいたことが分かっています。
厚生労働省では「介護離職ゼロ」を目標に掲げて、さまざまな対策と情報提供を行っています。
厚生労働省の分析では、介護による離職の理由には「仕事と介護の両立が難しい」というものや「介護者自身の健康状態が悪化した」というものが多くあります。
離職された人の多くは、介護保険による介護サービスをうまく活用できていなかったり、介護休業制度を利用していないなどの実態があることが分かっています。
介護保険制度は、レスパイトケア(介護者に息抜きをしてもらうための家族支援サービス)を取り入れるなど、介護者に対する支援も目的の一つとしています。
こうした介護サービスを活用し、介護者が一時的に介護から離れてリフレッシュをはかることも必要です。
また、介護休業制度を活用して、うまく休息を取ることも必要でしょう。
介護による離職を防ぐために、介護サービスや介護休業制度をうまく使うことは必要な考え方なのです。

意外と知られていない「介護休業制度」

ケアマネに相談してみよう

介護を続けながら仕事をしている人はたくさんいます。
介護休業制度とは、家族の介護と会社での仕事を両立させることができるよう支援する制度をいいます。
具体的には「介護休業」「短時間勤務」「介護休暇」など、制度のなかにもいくつかの種類があります。
家族の介護が必要な場合に一定期間の休業がとれる、国が定めた制度で、介護休業を取るためには、性別は関係なく、家族ひとりにつき通算93日の範囲内で休業の取得が可能です。
また、その介護休業期間には、介護休業給付金を受けることもできます。
しかし、厚生労働省のデータによりますと、介護をしながら働いている人のなかでこれらの介護休業制度を活用した人は15.7%にとどまっています。
このなかでも、「介護休業」を取得した人の割合は、3.2%のみとなっています。
仕事を離職せずに介護を行うためには、この介護休業制度をうまく利用することが、介護を乗り切っていくための方法のひとつであるといえます。

“相談”は介護離職の抑止力!介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談する

介護支援専門員(ケアマネジャー)は、要介護者、要支援者からの相談に応じて、適切な介護保険サービスを利用することができるように調整します。
ケアマネジャーが中心となり、介護サービスの利用者、介護者と相談しながら在宅介護の方向性について決定していきます。
介護者からは「どこまでケアマネジャーに相談していいのか分からない」という意見を聞くことがあります。
特に離職など介護者の悩みについては、相談すべきではないと考えておられる方も少なくありません。
しかし、ケアマネジャーは利用者本人に必要なサービスだけ提供できるように調整するのではなく、介護者の状況も踏まえて介護サービスの調整を行う専門職ですので、そうした相談にも乗ってくれます。
在宅介護はいつまで続くのか分かりません。
介護サービスを受ける利用者の健康的な生活だけではなく、それを支える介護者の健康的な生活も同時に必要です。
介護者だけが在宅介護を丸ごと抱えてしまうことは良くありませんし、それで離職してしまっては社会的にも損失です。
国も、そのような介護離職をなくしたいと考えています。
介護が必要であるとしても、仕事と両立させる方法はあるはずです。
仕事を離職するべきか、と考えた際にはひとりで解決しようとせず、まずケアマネジャーに相談し、離職せずに介護ができる方法について一緒に考えてみる事がいいでしょう。
実際に介護サービスをうまく調整すれば、離職しなくても生活することは可能なことがあります。

まとめ

国が目標としている「介護離職ゼロ」に向けてさまざまな取り組みが行われるようになり、介護と仕事の両立が可能な社会が目指されつつあります。
在宅で介護を行うことは、肉体的な労力だけではなく、精神的なストレスも相当大きいものであり、決してひとりですべてを抱えられるものではありません。
介護が必要な方の健康だけでなく、支える家族もまた健康でいるために、うまく介護サービスや介護休業制度を活用していただきたいと思います。

参考:
厚生労働省 健康日本21(第二次)分析評価事業(2018年1月21日引用)
厚生労働省 健康寿命の指標化に関する研究(健康日本21(第二次)等の健康寿命の検討)(2015年(平成27年)度分担研究報告書)(2018年1月21日引用)
公益社団法人 認知症の人と家族の会 認知症の介護家族が求める家族支援のあり方 研究事業報告書(2018年1月21日引用)
内閣府 2017年(平成29年)版高齢社会白書(概要版)第1節 高齢化の状況(2018年1月21日引用)
内閣府 2017年(平成29年)版高齢社会白書 高齢者の姿と取り巻く環境の現状と動向(2018年1月21日引用)
厚生労働省 介護離職ゼロ ポータルサイト(2018年1月21日引用)
厚生労働省 仕事と介護の両立について(総務省「2012年(平成24年)度就業構造基本調査」)(2018年1月21日引用)
厚生労働省 育児・介護休業制度ガイドブック(2018年1月21日引用)
厚生労働省 介護保険制度について(2018年1月21日引用)

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