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介護保険のサービスだけじゃない!インフォーマルサービスを利用して在宅介護を切り抜けよう

介護保険サービスを利用していても、さまざまな決まりごとなどがあって、希望するサービスが受けられないことがあります。
そんなときに利用したいのがインフォーマルサービス。
インフォーマルサービスとはどのようなサービスで、どのような活用法があるのかについて、事例を交えてご紹介します。

インフォーマルサービスは介護者さんの強い味方!ボランティアさんや民生委員さんのこと

在宅介護を行う際に、多くの方が利用するのが介護サービスです。
ホームヘルパーさんに自宅に来てもらったり、デイサービスに通ったりします。
この介護保険で利用できる介護サービスのことを、フォーマルサービスといいます。
これに対し、それ以外の、たとえばボランティアさんや民生委員さんが行なってくれる手助けをインフォーマルサービスといいます。
基本的にはフォーマルサービスを使って生活していくわけですが、フォーマルサービスでは補えない場合もあります。
たとえば、介護サービスでは認められていないサービスをお願いしたい場合。
介護サービスで来てもらうホームヘルパーさんに、お庭の草むしりをしてもらうことはできません。
なぜなら、ホームヘルパーさんは日常的な家事をすることしか認められていないからです。
でも、お庭の草が生え放題だと困ってしまいますよね。
そんなときに、強い味方になってくれるのが、インフォーマルサービスです。
では、どのようにインフォーマルサービスを利用することができるのか、実例をご紹介します。

急な坂の上で暮らす一人暮らしの一郎さんの事例「ボランティアさんに支えられた生活」

一郎さん(仮名)は、妻に先立たれて一人暮らしをしています。
娘さんがそう遠くない町に住んでいますが、嫁ぎ先にも介護が必要な方がいて、なかなか一郎さんを訪ねることができないのが現状です。
一郎さんは要介護1の状態で、自宅内での活動は不自由ありませんが、急な坂の上で暮らしていることで、外出がままならないという問題があります。

●一郎さんが利用した介護サービス

一郎さんは料理と掃除が苦手だったため、ホームヘルパーさんに調理と掃除を週3回お願いしました。
外出が難しいことから、週1回買い物もお願いしました。
また、週1回、デイサービスを利用され、ほかの利用者さんとの交流を楽しんでいました。
ほかにも一郎さんには助けが必要なことがありました。
一郎さんの趣味は読書でしたが、自分一人では坂の上り下りが難しく、図書館へは行けません。
ホームヘルパーさんに図書館に本を借りに行ってもらうことは、介護保険の決まりがあるため、お願いすることはできません。
娘さんに借りてきてもらうことがありましたが、返却日までに娘さんの訪問がないこともあり、困っていました。
また、ごみ出しにも困っていました。
一郎さんの住む地域では、朝の8時までにごみ集積所へ出さなければいけないルールがあったのですが、その時間帯に対応できるホームヘルパーさんはいません。
自分でごみを出しに行き、何度か転倒してしまっていました。

●介護サービスで補えない部分はボランティアさんを頼った

介護サービスで補うことが難しい部分をカバーしていただくために、地域全体で取り組んでいた有償ボランティアをお願いすることにしました。
ボランティアさんはボランティアを行うことで、スタンプを集めることができ、スタンプをいくつか集めることで、公共施設の利用を優遇される仕組みのある地域でした。
そのため、多くの方が、自分にできることなら手を貸そう、という思いでボランティアを行っていました。
一郎さんの件に関しても、近所に住む元気な高齢者が、ボランティアとしてごみ出し支援と、図書館の本を借りるのを代行してくださいました。
また、本を受け取る際や、借りてきてほしい本をボランティアさんに伝えるときは、その方と本に関する話をすることができて楽しいと話をされていました。
このように、ボランティア活動が盛んな地域では、介護保険のサービスの利用が難しい場合、ボランティアさんの助けを借りることができます。

高齢夫婦二人暮らしのみちさんとゆうじさんの事例「ご近所さんと民生委員さんに見守られた生活」

みちさん(仮名)は旦那さんのゆうじさん(仮名)と二人暮らしをしていました。
二人とも80代のご夫婦です。
みちさんには認知症の症状があり、日中、外出し自宅へ帰って来ないことが何度もありました。
ゆうじさんは、家事をすべてこなしながら、みちさんが外に出ていくと一緒についていったり、知らない間に出ていった際には、探し回ったりしていました。
二人には車で10分ほどの距離に嫁いだ娘さんがいましたが、日中は仕事をしているので対応はできませんでした。

●みちさんが利用した介護サービス

みちさんはデイサービスを利用していました。
徘徊の回数が増え、1回の時間が長くなっていくごとに利用回数が増えていきました。
多いときは週6日通っていましたが、利用していたデイサービスの休日には、自宅にてゆうじさんが介護を行っていました。
しかし、ゆうじさんも高齢で、歩き回るみちさんについて歩くことが難しくなってきたと感じていました。

●ご近所さんや民生委員さんによる見守り

みちさんの徘徊に困っていたゆうじさんを助けてくれたのは、近所の方や担当の民生委員さんでした。
民生委員さんの声掛けにより、みちさんがデイサービスを利用しない日を近所の方が把握し、みちさんを見かけたときは、自宅へ帰るように促してくれたのです。
ほかにも、おかずを届けてくれるなど、家事が大変なゆうじさんのサポートもしてくれました。
また、娘さんのほうから、民生委員さんや近所の方にお礼を伝えてくれていて、夫婦とサポートしてくれる方々とのよい関係性を保ったまま、二人の生活は続けられていました。
このように、隣近所の関わり合いが強い地域では、近所の方や民生委員さんの力を借りることができます。

まとめ

介護サービスにはフォーマルサービスとインフォーマルサービスがあります。
介護保険のサービスであるフォーマルサービスだけを受けて生活するとなると、すべての希望が叶わなかったり、金銭的な負担が大きくなったりします。
フォーマルサービスとインフォーマルサービスを上手に組み合わせて、継続することが難しいと感じる在宅生活も続けられるかもしれません。
ぜひ、インフォーマルサービスを活用してみてください。

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