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内部障害保有者でも身体障害者手帳が取得可能。対象と公的支援

身体に何らかの障害がある方に対して都道府県知事もしくは指定都市の市長から交付される身体障害者手帳は、外見ではわからない内部障害に対しても適用されます。
どのような内部障害に身体障害者手帳が交付されるのか、また受けられる公的支援についてお話しします。

身体障害者手帳はどのような疾患に、どのような手順で交付されるのか

身体障害者手帳は身体に何らかの障害を生じている方に対して、都道府県知事もしくは指定都市の市長から交付されるものです。
身体障害者手帳を持つことにより、さまざまな公的支援を受けることができます。

●身体障害者手帳の交付を受けることのできる障害の5つの種類

身体障害者手帳を受け取ることのできる障害は大きく5つに分けられます。

  • ○視覚障害
  • ○聴覚または平衡障害
  • ○音声、言語機能または咀嚼の障害
  • ○肢体不自由
  • ○内部障害(心臓、腎臓、肝臓、小腸、呼吸器、ぼうこうまたは直腸、免疫不全)

障害に関しては生まれつきのもの、そうでないものも含まれ、子供や成人などさまざまな年代が対象です。
疾患や年齢により何年後かに再認定が必要であると判断される場合もあります

●身体障害者手帳交付には医師の診断書が必要

身体障害者手帳の交付には、都道府県知事に指定された医師により診断書・意見書を作成してもらい、市町村の福祉課に提出する必要があります。
診断書には、肢体不自由であれば関節可動域と呼ばれる関節が動く角度や筋力テストの結果、外観(切断や欠損などがあるか)、機能、日常生活動作に制限があるかについて、またそのほかの障害に関しては視力や聴力、音声などに関する検査結果などを記入する必要があります。
交付は都道府県知事により決定されますが、判断が困難な場合には製作した医師への照会があります。
それでもなお判断が困難な場合には都道府県の指定の医師による診断書の再依頼や社会福祉審議会が判断をし、交付されます。

内部障害に対する身体障害者手帳の対象例と重複例への対応

先ほどもご紹介したように、身体障害者手帳の交付は肢体不自由などの目に見える障害だけではなく、内部障害などの外見ではわからない障害も含まれます。
また2つ以上の障害がある場合には指数として計算し、障害等級が変更となることもあります

●どのような内部障害に対して身体障害者手帳は交付されるのか

外見では判断のつかない内部障害ですが、身体障害者手帳交付の適応例はどのようなものが考えられるでしょうか。

心臓 腎臓 小腸 呼吸器 ぼうこう/直腸 肝臓 免疫不全(HIV)
1級 それぞれの障害により、
自己の身辺の日常生活に大きな支障がある
HIV/肝疾患により日常生活がほとんど不可能
2級 HIV/肝疾患により日常生活が過度に制限
3級 障害により、家庭内の日常生活活動が過度に制限される
4級 障害により、社会での日常生活活動が過度に制限される
5級
5級
7級

厚生労働省が提示する障害の分類では上記のようになっています。
具体的には、

心疾患:

(1級)安静時や身の回りの動作においても、狭心症やアダムストーク発作(不整脈などにより脳血流が減少し失神する)が起こる、またはペースメーカーの植え込み、人工弁の移植や弁置換術を行ったもの。
(4級)家庭内など温和な生活活動の場以外での期外収縮・頻脈の多発などの不整脈、 心電図上での心筋の虚血変化の反応が見られるもの。

腎臓疾患:

(1級)人工透析導入例や透析導入が検討されている、または腎機能検査や血液検査で重度の腎臓機能障害があるもの。

呼吸機能障害:

具体的には呼吸機能検査と動脈血検査の結果と日常生活動作により、決定されます。

ぼうこう直腸障害:

腸管ストマ(人工肛門)もしくは尿路変更ストマ(人工ぼうこう)を持っており、ストマの排便処理が自分では困難な場合には1級に認定されます。

小腸障害:

推定の1日のエネルギー量の60%以上を中心静脈栄養法(大きな血管からの点滴のようなもので栄養補給する方法)に頼っている場合は1級、30%以上を3級としています。
手術などにより腸の切除を行った場合では、残されたその長さによって等級を分類しています。
また口からの栄養のみでは不足している場合にも4級などの等級が得られます。

●障害等級を重複させることで、等級が変わることも

身体障害者手帳の認定を受ける方の中には、複数の障害がある場合があります。
身体障害者手帳は1〜6等級が交付されますが、6級の下には7級という単独では身体障害者手帳が発行されないものもあります。
しかし、ほかの障害の等級と合わせることにより、6級以上となれば交付されます。
下の表は各等級を指数として計算する際の点数表です。

等級 1級 2級 3級 4級 5級 6級 7級
指数
(合計指数)
18
(18以上)
11
(11~17)
7
(7~10)
4
(4~6)
2
(2~3)
1
(1)
0.5

複数の障害の場合はそれぞれの等級に当てられた指数を合計し、合計指数がどの等級に当たるのかによって、障害等級が決まります。

内部障害による身体障害者手帳はどのような公的支援が得られる?

身体障害者手帳は交付されることで、さまざまな福祉サービスや福祉用具、社会保障を受けることができます。
具体的にはどのようなことが可能なのでしょうか。

  • ○日常生活用具の給付
  • ○医療費助成制度(所得による)
  • ○税金の免除
  • ○公共施設、公共交通機関、高速道路料金、携帯電話料金の免除や割引
  • ○駐車禁止除外車両の認定を得られる

日常生活用具については、車いすやベッド、入浴補助用具などの給付がありますが、収入によって自己負担額は異なり、所得の低い方は自己負担額が不要のこともあります。
2級以上の障害等級の場合には医療費の自己負担額分の助成、所得税や自動車税(1〜3級)の一部の助成など、実にさまざまな支援が得られます。

●日常生活用具の給付は、介護保険と身体障害者手帳のどちらの制度を利用する?

高齢者の場合には、介護保険の認定を受けていて、さらに身体障害者手帳も持っておられる方がいらっしゃいます。
その場合にはどちらの制度を利用するべきなのか迷われることと思います。
たとえば日常生活で必要な福祉用具などは、既製品での対応が可能な場合には介護保険での保険給付、個別の製作が必要な場合には身体障害者手帳での給付が適用されます。
具体的には介護保険の給付対象となっていないような、ネブライザー(加湿器)や痰の吸引器、透析加湿器、ストマ装具など特殊な福祉用具の場合には、身体障害者手帳を利用した給付です。
車いすやベッドなどは介護保険での給付が優先されます。
ほかにも、手すりやスロープの設置などの住宅の改造に関しても、介護保険制度が優先されます。
特に介護保険も併せ持たれている場合には、ケアマネジャーなどに相談することが望ましいでしょう。

身体障害者手帳もうまく利用して、日常生活環境整備が必要

内部障害の患者さんの中には、日常生活動作に支障が生じる障害もある方がいらっしゃいます。
必要な日常生活用具、家屋の改造に関しては介護保険が優先となりますが、特殊なものに関しては身体障害者手帳での給付も可能です。
身体障害者手帳の公的支援をうまく利用して生活環境を整えることにより、患者さんにとって暮らしやすい環境を用意することが可能となります。

参考:
厚生労働省 身体障害者障害程度等級表.(2018年9月22日引用)
厚生労働省 身体障害者障害程度等級表の解説(身体障害認定基準)について.(2018年9月22日引用)
介護保険制度と障害者施策との関係について 障害保健福祉研究情報システム.(2018年9月22日引用)
重複障害の障害認定に関する現状と法制度.(2018年9月22日引用)
障害者福祉サービスのしおり 青森県六戸町.(2018年9月22日引用)

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