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  • Akiko

    公開日: 2018年12月20日
  • 先生のお話

最も多いアメリカの終末期医療は自宅でのホスピスケア!日本との違い

ホスピス=緩和もしくはターミナルケアを想像される方が多いのではないでしょうか。
アメリカではホスピスの形態、対象者、サービスなどが日本とは異なります。
一体どのようなものなのでしょうか。

最も多いアメリカの終末期医療は自宅でのホスピスケア

アメリカ終末期医療、ホスピス。受給対象は余命6カ月以内であること

アメリカ終末期医療、ホスピス。受給対象は余命6カ月以内であること

日本ではホスピスと聞くと、がんにより余命の限られた方にターミナルケアを行う施設を想像される方も多いのではないでしょうか。
しかし、アメリカでのホスピスの意味合いは少し日本とは違います。

●アメリカのホスピスケア:終末期をいかに自分らしく過ごすかということ

アメリカのホスピスケアの基本は、命が限られた患者さんに対して心のケアをしたり生活の質を最後まで保つこと、また患者の家族に対する精神的・肉体的ケアも含まれます。
すなわち治療が不可能であり、余命6カ月と診断された患者さんの余生を本人やご家族の意向に沿って行えるケアといえます。
その間にも治療を完全に諦めるのではなく、治癒することを目的とせずに苦痛がないようにケアをすることが基本となります。

●医師から年齢に関係なく余命6カ月と診断された方がホスピスを利用できる

アメリカでホスピスケアを受けることのできる人は、余命6カ月と診断されたあらゆる疾患の人が対象となっています。
つまり、末期ガンやHIV感染によるものだけではなく、心臓病や脳卒中、認知症、呼吸器疾患などがホスピスケアの対象となり、医師の余命6カ月という診断があった時点から余命を終えるまでケアを受けることが可能です。
もちろん余命の6カ月を越える方もなかにはいらっしゃいますが、その場合にも継続したホスピスケアを医師の診断書があれば受け続けることが可能です。
また、ホスピスケアを受けている期間に医療的なケア(積極的な治療など)も必要に応じて受けることは可能です。
実際に、ホスピスケアを受けている方を疾患別に見ると、約1/4はがん患者さんですが、そのほかはさまざまな疾患が対象となっているのがわかります。

アメリカにおけるホスピスケア受給者疾患別分類

アメリカのホスピスケアは公的保険であるメディケイドによって支払われるため、ケアにかかる費用も抑えることができます。
(出典:Facts and Figures Hospice Care in America)

ホスピスのサービス受給場所もさまざま!在宅や施設でもケアが受けられる

ホスピスのサービス受給場所もさまざま!在宅や施設でもケアが受けられる

アメリカではホスピス病棟だけでなく、自宅や老人ホームなどの施設でもホスピスケアを受けることができます。
2016年にホスピスケアを受給している最も多い場所は自宅で55.6%、次に老人ホームなどの施設が41.9%、ついでホスピス入院施設が1.3%となっています。
またホスピスケアを受けている方たちが亡くなる場所は、1位:自宅(44.6%)、2位:老人ホームなどの施設(32.8%)、ホスピス関連施設など(14.6%)、急性期病院(7.4%)となっています。
在宅ホスピスの主なケアの提供者は家族となりますが、必要に応じて疼痛管理などそのほかのケアに関しては、年中無休24時間、オンコールスタッフでホスピスケアスタッフが対応可能です。
このように自宅でのケア受給と余生を終えるケースが多いことがわかります。
その理由の一つとして、アメリカの入院費用が高額なために、病院で亡くなる方が少ないことが日本と大きく異なる点です。
(出典:Facts and Figures Hospice Care in America)

アメリカのホスピスにおける介護者へのレスパイトケアと医療者の役割

アメリカのホスピスケアにおいては、ご本人へのケアはもちろんのこと、家族などの介護者への負担も考慮されています。
在宅や施設などでケアの提供をしているホスピスケアですが、医療者それぞれの立場での役割はどのようなものなのでしょうか。

●アメリカのホスピスケアにおける介護者へのレスパイトケア

ホスピスケアプログラムには患者さんに対する継続的なケアのほかに、介護者に対するレスパイトケアも含まれます。
短期入院などにより休息を得ることでリフレッシュすることで、介護者側の負担を取り除き、また在宅でのケアを始めるに当たって知っておくことで安心もできます。
在宅ホスピスケアを行っている介護者(家族を含む)などに対して公的保険ですと、5日間までの短期入院を受けることができます。
それと同時に患者ケアのプランの変更などを検討することも重要であり、必要に応じて検討されます。
(引用:Compliance Guide :National Hospice and Palliative Care Organization)

関連記事:レスパイトケアをもっと利用しよう。在宅介護の継続には介護者の休息が大切です

●ホスピスケアに関連する医療者それぞれの役割

ホスピスケアに関連する医療者それぞれの役割

ホスピスケアを提供する際にはさまざまな医療者が関わっており、その役割はそれぞれ異なります。
また本人の希望に沿うべく痛みや症状のコントロールを行うことは重要であり、定期的にホスピスプランを再検討する必要もあります
このようなホスピスの提供を行う際にはホスピスチームが多職種により構成され、以下のような職種が関わっています。

  1. 1)医師:担当医とホスピスの医師(もしくはメディカルディレクター)。ホスピスケアに関して監督します。
  2. 2)看護師:ケア受給者のところに出向きケアを行い、またケアプログラムの調整をします。
  3. 3)在宅ヘルパー:入浴や食事などの日常的なケアもサポートします。
  4. 4)スピリチュアルカウンセラー:牧師や神父などが本人や家族など家族全員に対して心理面からのアプローチを行い、死の受け入れや心安らかに余生が過ごせるようにサポートします。
  5. 5)ソーシャルワーカー:カウンセリングとサポートを行います。
  6. 6)薬剤師:症状緩和を最も効果的にするため、投薬指導や監督を行います。
  7. 7)ボランティア:訓練されたボランティアが、交通機関利用時の補助やさまざまなニーズに対応します。
  8. 8)その他の専門家:理学・作業療法士や言語聴覚士、音楽療法士など必要に応じてケアを行います。

さまざまな職種が患者さん一人ひとりにあったホスピスケアが受けられるように、チームでケアを行っています。(引用:Hospice Care :Comforting the terminally ill Mayoclinic)

アメリカの終末期医療は自宅で。QOLにも配慮されている

アメリカと日本では大きく意味が異なるホスピスですが、アメリカでは自宅でケアを受け、死を迎えるケースが多いようです。
日本とアメリカでは医療や保健システムが違うため全く同じにはできませんが、特に在宅でのケアには、レスパイトケアの提供などにより介護の休息を得ることも大変重要であることを認識する必要があります。
高齢化社会が進む日本においても、本人や家族にとっていかに自分らしく過ごせるか、QOLを保てるかなど終末期医療は重要な課題となるでしょう。

参考:
Facts and Figures hospice care in America 2017(revised April 2018 )edition National Hospice and Palliative Care Organization.(2018年12月15日引用)
Hospice Care :Comforting the terminally ill Mayoclinic.(2018年12月15日引用)
Compliance Guide :National Hospice and Palliative Care Organization.(2018年12月15日引用)

  • Akiko

    公開日: 2018年12月20日

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