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健康に過ごすために!AIで健康診断の結果をサポートする取り組み

健康診断は受けるだけでなく、その後の活用が重要です。
2010年代後半からはAIを用いて健康診断後のサポートを行い、より長く健康に過ごす取り組みが行われています。
ここでは健康診断のサポートにAIを用いるメリットと、取り組みの例を解説します。

健康診断のサポートにAIを用いるメリットと、取り組みの例

健康診断後のサポートにおける課題

健康診断後のサポートにおける課題

健康診断の後は、結果報告書や保健指導といった形でフィードバックが行われます。
しかし健診後のサポートについては、課題もあります。
どのような課題があるか、解説していきましょう。

●いま異常がなくても、この先ずっと健康に過ごせるとは限らない

健康診断の結果が正常だった方のなかには、「生活上の制限はありません」などという結果を受け取る方も多いでしょう。
しかし年々数値が悪化している場合は、近い将来、健診結果が異常となってしまう可能性があります。
従って今の結果が正常だからといって、この先ずっと健康に過ごせるとは限りません。

●苦労して生活習慣を変えることは、本当にメリットがあるのか知りたい

健康診断で何らかの異常があった方は、今までの生活習慣を変えることを求められる場合も多いです。
変更後の生活習慣は多かれ少なかれ、あなたにとって快適さを損なう内容となってしまいがちです。

一方で苦労して生活習慣を変えても、診断結果が良くなるかどうか疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。
従って健康よりも、今までの生活習慣の維持を選ぶ方も一定数出てしまいます。

●企業にとっても、従業員に対して将来病気にならないためのサポートが必要

健康診断は従業員を雇用する企業において、実施が義務となっています。
2010年代に入ってからは健康診断を「義務だから仕方なく行う」のではなく、経営的な視点で戦略的に活用する企業が増えています。
これは、以下の目的によるものです。

  • ○従業員の健康に投資することで、モチベーションや生産性の向上、優秀な転職者の獲得につなげる
  • ○健康経営銘柄や健康経営優良法人に認定されることで、企業価値の向上につなげる
  • 60歳以上でも健康かつ安心して働ける環境をつくることで、従業員を確保する

上記の内容を実現するためには、異常値が出た人へのサポートだけでは不十分です。
結果が正常な人に対しても、将来病気にならないためのサポートを行う必要があります。

AIの活用により、あなたの将来の健康状態を知ることが可能

AIの活用により、あなたの将来の健康状態を知ることが可能

さきに取り上げた課題は、20世紀においては個別の解決方法を提示することが難しく、ある程度パターン化した対応となりがちでした。
しかし21世紀ではAIの活用により、これらの課題は解決されつつあります。
このため受診者それぞれに対して将来の健康状態を予測し、個々に合った生活改善方法を提示することが可能です。

●今の生活習慣を続けた場合、将来どうなるかを知ることが可能

AIの活用により、過去の膨大な健診結果をもとに、将来の数値を予測することができます。
このため健診結果が異常だった方はもちろん、正常な方も今の生活習慣を続けることにより、将来どのような状態になるか知ることが可能です。
従って将来の健康状態がわかり、自分自身の健康維持に関心を持ちやすくなります。

●生活習慣を改善したらどう変わるかも、シミュレーションできる

AIを活用するメリットには、生活習慣を改善したらどのように数値が変わるか、シミュレーションできることもあげられます。
生活習慣については、改善した場合の影響度も項目ごとに知ることが可能です。
このため生活改善の必要性が目に見えてわかるようになり、改善へのモチベーションが高まることが期待できます。

AIで健診結果をサポートするシステムの紹介

AIを使って健診結果を健康な生活に役立てる試みは、大手IT企業と保険会社などの間で、すでに始まっています。
ここでは代表的なシステムを2点取り上げ、それぞれの内容を解説します。

●その1:NEC「健診結果予測シミュレーション」

NEC「健診結果予測シミュレーション」

引用:https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/sl/healthcheckup_sim/index.html

NECは健康診断の結果から将来の健康状態を予測できる「健診結果予測シミュレーション」を提供しています。
このサービスは、「生活習慣を変えることで将来の結果がどう変わるか」を予測する機能もついていることが特徴です。
生活習慣を変えるおすすめの方法はAIが提示し、保健指導のなかで説明およびシミュレーション結果の活用がされます。

たとえば健診結果が正常の方に対しては、以下の情報が提示されます。

  • ○将来発生しうる健康上の課題をリストアップ
  • ○生活習慣を変えた場合の将来を予測

このためあなたに合った生活改善ができ、効果的な健康維持に役立てることが可能です。
また健診結果が異常の方に対しては以下の2ケースを想定し、1年ごとに3年先までの結果を予測できます。

  • ○現状の生活習慣のままで過ごした場合
  • ○生活習慣を変えた場合

このため、生活改善へのモチベーションを上げることが期待できます。
これらの情報は「情報提供シート」の形で、受診者あてに郵送も行えます。
従って保健指導を受ける動機につながるとともに、受診者自身に対しても健康に気づきを与えることが可能です。

●その2:SOMPOホールディングスと東芝によるAIの共同開発

SOMPOホールディングスと東芝によるAIの共同開発

引用:https://www.toshiba.co.jp/about/press/2018_10/pr_j1901.htm

2018年10月19日にSOMPOホールディングスと東芝は、「健康診断のデータから生活習慣病のリスクを予測するAI」を共同開発したことを公表しました。
AIに健診データを入力すると、以下に示す病気の発症リスクを6年後まで表示します。

  • ○脂質異常症
  • ○2型糖尿病
  • ○高血圧症

SOMPOホールディングスには、傘下にSOMPOヘルスサポートがあります。
SOMPOヘルスサポートはヘルスケア事業を行う企業であり、年間で約10万人に対し、保健指導を行っています。
今後は実用化に向け、以下の取り組みが行われます。

  • ○生活習慣病リスクを予測するAIの精度向上
  • ○食生活や運動習慣などを改善するためのソリューション開発
  • ○健康保険組合での特定保健指導において、実証実験を行う

健診結果を健康維持に役立てる取り組みが始まっている

AIを用いて健診結果を活用する取り組みは、IT企業だけでなく、健診の現場でも活用され始めています。
ここでは新潟県で健康診断や人間ドック事業を行っている、新潟県労働衛生医学協会の取り組みを紹介します。

●健診後の指導における課題

これまで健診後の指導は、健診結果と生活習慣をもとに生活改善項目を決定するものでした。
そのため実際にどの程度改善するかを、対象者ごとに数値で示すことは難しいものがありました。

また健診結果に異常がない方に対して、将来どんな異常がどのくらいの確率で起こるかを予測することも困難であったわけです。

●AIにより、すべての人に健診結果を健康維持につなげる仕組みをつくる

2018年度に新潟県労働衛生医学協会は、NECの「健診結果予測シミュレーション」を用いた検証を実施しました。
この結果を踏まえて、2019年度以降に以下の事業の実施を計画しています。

  • 今の生活習慣を続けるとどのような病気になりやすいかをグラフなどで提示し、受診者に健康への課題を認識してもらう
  • ○受診者に対して生活習慣や生活の見直しによる改善予測を提示し、健康維持への意欲を持ってもらう
  • ○従業員の健康状態について将来予測を提示し、組織全体で健康づくりを行うための方法をアドバイスする

たとえば糖尿病や高血圧の予備軍の人に対して、早期から生活指導を行い病気の発症を防ぐという活用方法が考えられます。
このようにAIを活用することで、健診結果を「異常の改善」から「健康維持」に活用範囲を広げることができます。

すべての人が健康に過ごすため、健診結果にAIの活用が広がることを期待

AIを活用することで、健康診断によるサポート対象を健康な人にも広げることが可能です。
また根拠をもって将来の予測をわかりやすく提示できるため、受診者の納得も得やすいことも特徴です。
従って異常値が出た人だけでなく、結果が正常の人に対しても病気にならないためのサポートを行うことができます。
このようにすべての人がいつまでも健康で過ごすため、健康診断後の結果には広くAIを活用することが期待されます。

参考:
オリコン 【ワカレメ vol.9】人生は「細く長く」と「太く短く」どっちがいい?.(2019年5月13日引用)
日経BP ええ!心筋梗塞や脳卒中でも意外と生き延びる?.(2019年5月13日引用)
経済産業省 健康経営の推進.(2019年5月13日引用)
カシオヒューマンシステムズ 【2018年度】健康経営とは?健康経営の実状と今後の課題について.(2019年5月13日引用)
日本生活習慣病予防協会 生活習慣病リスクを予測するAIを開発 100万人の健診データを解析.(2019年5月13日引用)
SOMPOホールディングス 糖尿病などの生活習慣病リスクを予測するAIを共同開発~100万人の健診データから解析~.(2019年5月13日引用)
SOMPOヘルスサポート コンセプト.(2019年5月13日引用)
SOMPOホールディングス ヘルスケア専門会社の設立について.(2019年5月15日引用)
NEC 先進AIで過去の健診データから、社員の将来の健康状態を予測~企業の健康経営に役立つ「健診結果予測シミュレーション」とは~.(2019年5月13日引用)
NEC 健診結果予測シミュレーション.(2019年5月13日引用)
NEC 健診結果予測シミュレーション 製品概要.(2019年5月13日引用)
NEC 健診結果予測シミュレーション 機能と特長.(2019年5月13日引用)
NEC 健診結果予測シミュレーション 情報シート提供サービス.(2019年5月13日引用)
一般社団法人新潟県労働衛生医学協会.(2019年5月23日引用)
一般社団法人新潟県労働衛生医学協会 新潟県内の特定健康診査(以下、特定健診)ビッグデータを活用した、AIによる健康リスク予測.(2019年5月23日引用)

  • 執筆者

    稗田 恵一

  • 千葉県在住で、ITエンジニアとして約14年間の勤務経験があります。過去には家族が特別養護老人ホームに入所していたこともありました。2018年からは関東にある私大薬学部の模擬患者として、学生の教育にも協力しています。
    現在はライターとして、OG WellnessのほかにもIT系のWebサイトなどで読者に役立つ記事を寄稿しています。
    保有資格:第二種電気工事士、テクニカルエンジニア(システム管理)、初級システムアドミニストレータ

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