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模擬患者での活動は、参加者自身にも多くのメリットをもたらす

模擬患者は社会貢献として有意義です。
その一方で参加者自身のメリットがあるか、気になる方もいるでしょう。
模擬患者への参加は、ご自身にも多くのメリットをもたらします。
本記事では主なメリットを3点取り上げ、それぞれについて解説していきます。

模擬患者での活動は、参加者自身にも多くのメリットをもたらす

模擬患者に参加することで、医療への理解が深まる

模擬患者に参加することで、医療への理解が深まる

模擬患者として活動するメリットには、医療への理解を深められる点があげられます。
加えて将来の医療人の育成に貢献できること、教育機関である大学や専門学校の役割を理解できることもメリットの1つです。

●医療人の育成に貢献できる

模擬患者の最も直接的なメリットは、将来の医療人の育成に貢献できることです。
このことは教育機関や学生はもちろん、模擬患者自身に対しても、教育への参加による社会貢献が可能というメリットがあります。
実際に関西医療大学・鹿島らの研究では、模擬患者は学生を教育する責任を感じているという報告もされています。
このことから、模擬患者は責任を任されることへの喜びを感じていることもうかがえます。

一方で札幌市立大学・原井らの研究では、模擬患者から「教員を客観的にみる機会となった」という報告も複数寄せられています。
このことは、模擬患者が大学や専門学校といった教育機関の役割を理解することを意味します。

なお参考記事として、「模擬患者は一般市民だからこそ求められる(その1:一般模擬患者編)」もご参照ください。

●医療の正しい知識を得られる

模擬患者は、医療の正しい知識を得る場でもあります。
任務を務めるにあたり必要な情報は、事前に大学から資料などの形で提供されます。
加えて模擬患者に対して、きちんと演技ができるように手厚い研修を行う大学も少なくありません。

これらの機関で提供される知識は、学術的に認められた正しい知識です。
従って一般の方よりも、医療に関する最新かつ正しい知識を多く得られます。
またさらに深く学びたい方は、提供された情報を手掛かりとして、各自で学ぶことも可能です。

自らのスキルアップや、社会参加の場も得られる

自らのスキルアップや、社会参加の場も得られる

模擬患者のメリットは、医療の知識を得ることにとどまりません。
自分自身について、さまざまなスキルアップを行う場でもあります。
加えて模擬患者同士の交流が可能となり、社会参加の場を得ることにもつながります。

●自らのスキルアップを行える

模擬患者を演じる上で必要な知識は、大学から提供されます。
しかし上手に演じるためには、あなた自身の積極的な学習も必要です。

もしあなたがうまく模擬患者を演じることができなかったら、自身のふがいなさを悔い、もっと勉強しなければならないと感じることでしょう。
さきに紹介した鹿島らの研究でも、以下のような感想があったという報告があります。
なおSPは模擬患者(Simulated Patient)の略で、模擬患者が関わる教育の現場ではよく使われる言葉です。

  • ○高齢者SPとして、必要な病気の知識が足りていない
  • ○やる以上はちょっとでも役に立ちたい

模擬患者のなかには、若者に対して「年長者らしいところを見せたい」と思う方もいるでしょう。
従って模擬患者になることは生涯学習の1つとして、スキルアップのモチベーションを高めることにつながります。

●社会参加の場となり、生きがいが得られる

模擬患者は、それ自体が医療や社会に貢献できる場です。
これに加えて、模擬患者同士の交流も見逃せません。

新しい仲間を得ることは、どの世代にとっても刺激となり、また模擬患者に応募する動機の1つにもなっています。
高齢者にとっては貴重な交流の機会であり、知り合いが増えることが期待できます。
また現役世代にとっても、職場や地域社会以外での知り合いが増えることにより、多様な価値観の醸成につながります。

従って模擬患者は、社会参加の場でもあることが特徴です。
これにより、自身の生きがいを得ることにもつながります。

●想像力を鍛え、自分自身を見つめ直す場となる

模擬患者は、あなたの精神的な成長にも寄与します。
そもそも模擬患者は、与えられたシナリオに沿って演技する役割です。
しかし、シナリオでは1つ1つの演技まで細かく指示されているわけではありません。
そのため模擬患者の役割を果たすためには、シナリオから「どのような状況なのか?」ということを読み取り、想像力を働かせることが求められます。

また模擬患者を務める過程で、あなた自身が周りからどう見えているか、という点にも気づく関心を向けることになります。
ときには、自分の至らない点に気づくこともあるでしょう。
このため模擬患者の活動は、自分自身を見つめ直す場にもなります。

若者と双方向のコミュニケーションを取る機会が得られる

若者と双方向のコミュニケーションを取る機会が得られる

模擬患者の活動では、若者と対話する機会が得られることも特徴です。
もちろん、若者の考えを知ることができる点もメリットにあげられます。
それだけでなく、コミュニケーション能力を上げられるメリットも見逃せません。

●若者の考えを知ることができる

模擬患者は、高齢者の参加者が多いことが特徴です。
これらの方は、若者との関わり合いがあまりない方も少なくありません。

模擬患者の活動では、医療を学ぶ学生と対話することになります。
対話を通じて、今の若者が何をどう考えているかを知るきっかけとなることが期待できます。

●若者に伝わる方法を学び、実践する方法として適している

どんなによい内容でも、相手に伝わらなければ意味がありません。
従って模擬患者は目の前にいる若者に対して、どう工夫したら自分の思いが伝えられるかを真剣に学ぶことが求められます。
模擬患者はこの方法を学び、実践する方法として適しています。

世間では「今の若い者は間違っている」という主張がよくあります。
しかし模擬患者として活動する場合は、このような姿勢で臨んではいけません。
まず目の前にいる若者を認め、理解することがスタートとなります。

相手を理解することは効果的な感想を述べることにつながり、模擬患者としての有意義な活動にも結び付きます。
これらの取り組みを通じて、若者と双方向のコミュニケーションを取ることが可能となります。

なお関連記事として、「大学1・2年生の教育にも模擬患者が活躍!その背景と効果を解説」もご参照ください。

模擬患者への参加は、あなたの人生を豊かにする

模擬患者は、参加する本人にとっても知的・人的な面で多くのメリットが得られます。
社会貢献も含めて、生きがいを感じることができるでしょう。
また大学などの教育に関して、理解を深める機会ともなります。

模擬患者の活動を行うことであなたの視野が広がり、対人関係のスキルも上達することでしょう。
加えて、人的ネットワークも広がることが期待できます。
従って模擬患者への参加により、あなたの人生を豊かにすることが可能です。

参考:
中村恵子,他: 看護OSCE. メヂカルフレンド社, 東京, 2011, pp.14, 28-29, 112-113.
杉原百合子, 三橋美和, 他: 看護学部における地域住民参画型教育の取り組みと今後の課題―模擬患者の養成と看護 OSCE への参画支援を通して―. 同志社看護 Vol.2: 37-44, 2017.
鹿島英子, 吉村牧子, 他: 高齢者SP(Simulated Patient)養成の課題. 関西医療大学紀要 Vol.8: 20-26, 2014.
原井美佳, 上村浩太, 他: 市民参画型の模擬患者養成プログラムの開発―共に育み合う市民主体の学習の場づくりを目指して―. 札幌市立大学研究論文集 Vol.10, No.1: 19-29, 2016.
山本直美, 久米弥寿子, 他: 模擬患者(Simulated Patient:SP)に求められる資質―訓練されたSPの語り―. 千里金蘭大学紀要 12: 69-79, 2015.

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