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心臓リハビリテーション指導士に聞いた!心臓の健康を考える人が自宅で実践している運動・食事のコツ

今回は、心臓リハビリテーション指導士の資格を持つ、理学療法士の浦波唯史氏にお話を伺います。
心臓リハビリとはなにかを解説していただき、誰でも実践できる運動・食事についてアドバイスをいただきました。心臓リハビリに必要な運動量や、そもそも運動してもいいの?といった疑問にお答えします。

心臓リハビリでは「運動・食事・患者教育」が3本柱

リハビリというと運動して体を鍛えるというイメージが強いことでしょう。
実は、「心臓のリハビリ」というものも存在するのです。
心臓リハビリの専門資格を持つ心臓リハビリテーション指導士の浦波氏に、まずは心臓リハビリとはなにかを伺いました。

●心臓のリハビリはなじみがない方も多いと思いますが、どのようなものなのか教えてください。

心臓リハビリでは、運動療法・食事療法・患者教育が3本柱になります。
具体的なメニューは、急性期・回復期・維持期という時期によって異なりますが、運動療法の例としては、どのくらいの運動であれば危険がなく取り組めるのか?というデータに基づき、エルゴメーターという自転車を用いて行うなどします。
もちろん運動だけではなく、食事療法と患者さんへの教育的なかかわりを併用していくことがとても大切です。

●心臓リハビリでは、急性期・回復期・維持期という段階によって、リハビリの内容はどのように変わるのでしょうか?

急性期の場合、まずはベッドから起き上がることから始めます。
身の回りのことができるような体力をつけるために、徐々に負荷を上げていきます。
復職を目指す場合はデスクワークが中心になることもありますが、階段の使用などを含めて適応できるように関わっていきます。

回復期のリハビリでは、家庭に戻ったときを想定して、どの程度の運動であれば負担がないのかを患者さんにお伝えしていきます。
もちろん心臓リハビリのなかで運動も行いますが、必要な情報を患者さんにお伝えしていくことも仕事のうちです。

維持期の心臓リハビリでは、病院の外来では受けることができない場合が多いです。
心臓リハビリテーション学会から監修を受けている「メディックスクラブ」という機関は全国にあり、その方に応じたレベルの運動を提供しています。1回の料金は約1,500円ほどです。
ここでは病院の検査結果に基づき運動のレベルを調整していくので、安全に運動を行うことができますね。

心臓の健康を保つには、「楽だ」と感じる運動を継続

加齢によって心臓や肺などさまざまな機能が衰えていくものです。
これは自然な現象ですが、老化の進行はできるだけ遅らせたいところです。
心臓の健康には運動が重要というイメージがありますが、実際に家庭で行える「運動のコツ」を心臓リハビリテーション指導士にお尋ねしました。

●心臓病の診断がなくても、年齢に伴い心臓の機能は低下していくのでしょうか?

私は訪問看護・リハビリの事業所で働いていますが、利用者さんのデータを見ると、特に心臓病の診断がなくても、心臓の機能が低下している方はいらっしゃいますね。
年齢とともに心機能が低下すると、息切れがしやすくなったり、疲れやすくなったりすることがあります。
一般に体力と呼ばれている「運動耐容能」は、心臓の機能が低下すると弱くなっていきますが、これを防ぐためには有酸素運動が効果的といわれています。

●心臓の健康を守るためにオススメの有酸素運動はありますか?

一般的に有酸素運動と聞くと「エアロビ」などを思い浮かべる方も多いかもしれません。
実は、エアロビも負荷が大きくなりすぎると「有酸素運動」から「無酸素運動」にシフトしてしまいます。
どの運動が良いというよりは、「運動のやり方」に着目すべきであると思います。
激しい運動は逆に心臓への負担を強めてしまいますが、どのくらいの運動の強さが適しているかは人によって異なります。
特別な運動にこだわらなくても、まずは掃除・洗濯・料理など生活に密接な活動を通して、「楽だ」と感じる程度の運動を続けていくことは大切ですね。

あなたは減塩していますか?毎日の食事で塩分を抑えるテクニック

心臓と毎日の食生活には密接な関係があります。
塩分のとりすぎは体に良くないと認識している方も多いですが、「心臓の健康」という観点からはどのくらいの塩分量が望ましいのでしょうか。
毎日の食事のなかで実践できる、塩分を抑えるためのテクニックを心臓リハビリテーション指導士にご紹介いただきました。

●心臓への負担を考えたとき、食事の面で意識しておきたいポイントについて教えてください。

食事から摂取する塩分が多くなると心臓への負担は大きくなります。
塩分の濃度が高くなると、心臓をドクドクさせる交感神経にも作用するといわれています。
心臓病食では塩分の量を1日6g以下としていますが、心臓病ではない方の場合は男性8g、女性7g以下が望ましいと考えられています。
塩分のとりすぎは腎臓にも影響を及ぼすので、なるべく薄味で食べることを心がけると良いでしょう。

●できるだけ食事は薄味を意識すれば良いということですね。

しょうゆや塩などを減らすことで味は薄くなりますが、「薄味に慣れること」はとても大切です。
減塩の調味料も市販されているので、こうしたものに切り替えるのも効果的でしょう。
塩気が足りなくても、出汁・酢・香辛料・レモンなどをうまく使って、風味を濃くしていく工夫をすることがポイントになりますね。
また、食べ方においても工夫できることはあります。
たとえば、しょうゆは一気にかけるのではなく、必要なだけつけて食べるようにすると、塩分の量を抑えることができます。

●みそ汁などは1日何杯なら飲んでも問題ないのでしょうか。

みそ汁には200ccに2gの塩分が入っているといわれています。
この考え方でいくと、1日に3杯のみそ汁を飲んだら、1日の塩分はほとんど摂取したことになってしまいます。
ただ、日本高血圧学会では、逆にみそ汁を飲むことで血管に良い作用があったと報告されています。
みそは発酵食品であり、ミネラルやアミノ酸が多いなどの良い側面もあることから、健康面での恩恵も期待できます。
塩分が多いというだけで、特定の食品を極端に制限する必要はありませんが、塩分を控えることは意識してほしいので、みそ汁は薄味で1日1杯までにするなど、味の濃さや飲む量を工夫してみてください。

まとめ

今回は心臓リハビリテーション指導士の資格を持つ浦波氏に、心臓の健康を考えるうえで有用なポイントをお伝えいただきました。
今回ご紹介いただいた有酸素運動や減塩などの考え方は、心臓への負担軽減につながるだけでなく、ほかの生活習慣病を予防するうえでも恩恵があるでしょう。

プロフィール

浦波 唯史(うらなみ ただし)

理学療法士の資格を取得してから14年間、臨床で経験を積む。心臓リハビリテーション指導士・専門理学療法士(運動器)などの資格を有し、さまざまなフィールドで活躍してきた。2016年からは東京都渋谷区に拠点を置く「さくらナースケアステーション」で訪問リハビリに携わり、地域に根ざした事業所づくりに尽力している。

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