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  • 桑原

    公開日: 2020年05月29日
  • 先生のお話

もしかしたら麻痺?家族でもわかる運動麻痺の見分け方、3つのチェック方法を解説

突然発症する脳卒中では、ろれつが回りにくくなる、片側の手足が動きにくくなるなどの症状が見られます。
しかし、軽度の症状であったり、初期の場合には麻痺なのか判断がつかない場合も多く、医師に相談すべきなのか悩みます。
本記事ではいくつかの軽い運動麻痺について、ご家族が判断する際の材料になる3つのチェック方法について解説します。

もしかしたら麻痺?

自宅でできる舌や口周辺の運動麻痺のチェック方法。観察ポイントは口角と発音

自宅でできる舌や口周辺の運動麻痺のチェック方法。観察ポイントは口角と発音

突然起こる脳卒中の兆候として、ろれつが回らないなどの舌や口周囲の麻痺があります。

●発音でろれつの回りにくさをチェックしてみよう

運動麻痺は顔面にも起こり、口周辺の筋肉にも起きることがあります。
脳卒中の場合、おでこや目のまわりは構造上麻痺は現れにくく、口周囲の筋肉は麻痺がわかりやすい特徴があります。
この口周囲の麻痺をチェックするのに有用なのが、“パ、ピ、プ、ぺ、ポ”などの破裂音を発音させてみることです。
麻痺がある場合、言いにくさが目立ったり、唇から空気が漏れたりします。

●口周囲や頬の筋肉の左右差を観察しよう

顔面神経の麻痺では、よだれや飲んだ水が片側の口角から漏れることがあります。
ろれつが回らず、顔面の神経麻痺が疑われるときには、唇の両端の口角や鼻の横にあるほうれい線が左右対称かどうかを観察しましょう。
口をとがらせて口笛を吹いてもらい、左右が対象かどうかも観察ポイントとなります。

手に麻痺があるか疑わしいときのチェック方法。腕や手の運動麻痺の見分け方

手に麻痺があるか疑わしいときのチェック方法。腕や手の運動麻痺の見分け方

脳卒中などによる片側の手や腕の運動麻痺のチェックの仕方をご紹介しましょう。

●スピードで判断。手の素早い動きで軽い麻痺が判断できる

片側に起こる軽い麻痺の場合には、巧緻性と呼ばれる細かい動きやスピードのある動きが行いにくくなります。
利き手ではお箸を使うなど日常生活の動作で、いつもと異なることを認識できます。
しかし、麻痺によるものか判断がつかない場合もあります。
そのような場合には、

  1. 1.座った状態で膝の上に両手をおく。
  2. 2.膝の大体同じ場所に、手首をひねって今度は手のひらを上にしておく。

これをできるだけ速く繰り返し行います。

軽い麻痺がある側のみ速度が遅くなる、または手のひらもしくは手の甲をおく膝の位置が定まらないといった症状が見られます。

●ドロップアームテストなら左右差がわかりやすく、ご家族でも麻痺の判断がしやすい

軽い片側の麻痺の場合には、腕を上げるなどの動作ではなかなか運動麻痺があるのか判断がつかないことがあります。
そのような場合には、ドロップアームテストで片側に麻痺がないのかチェックしてみる方法があります。

  1. 1.まっすぐ立ち、両手を肩の高さまで上げます。
  2. 2.手のひらを上に向け、目を閉じ、手が下がらないように保ってもらうよう声をかけます。

軽い麻痺がある場合、手は肩の高さを保てず、落ちてくるため見分けることが可能です。
もうひとつ指の麻痺を簡単に見分ける方法として、手のひらを上に向け、指全体を強く開き、指を反らせるようにすると、麻痺がある側の親指が前方に突出し手のひらにくぼみができます。
このような症状が急に現れたときには、医師に相談するようにしましょう。

麻痺が疑わしいときのチェック方法。足の麻痺はこうして見分ける

 麻痺が疑わしいときのチェック方法。足の麻痺はこうして見分ける

麻痺が重度の場合は歩けない、立てないなど、一目瞭然の足の運動麻痺。
ここでは軽度の場合にご家族でも可能なチェック方法をご紹介します。

●歩きにくさや物につまずくだけではない。足の運動麻痺はこうしてチェックする

脳卒中で起こる運動麻痺のなかには軽くて、麻痺があるのかないのか判断できないという場合もあります。
歩きにくさや物につまずくのは、年齢による体力や筋力の衰えのせいなのではと判断できないときは、以下のチェック方法を試してみましょう。

  1. 1.立っている状態で膝を曲げないようにして、指先が床に触れるように前屈する。
  2. 2.軽い麻痺がある側の膝は、伸ばした状態を保てず曲がってくるのが特徴です。

立ったまま行うときは、支えられる人が隣で助けるようにして行うようにしましょう。

●寝ている状態での足の麻痺のチェック方法。歩かなくても判断可能

ベッドの上でも脳卒中による軽い麻痺を見つけることは可能です。
その際のチェック方法をご紹介しましょう。

  1. 1.両方の足の股関節と膝を90度曲げ、足を浮かせます。
  2. 2.そのまま保つようにすると、麻痺のある側の足は姿勢を保てず落下してきます。

このように歩かなくても、軽い片麻痺の有無を判断することができます。
またもうひとつの観察方法として、仰向けになってもらい足のつま先が外側を向くかどうかチェックする方法もあります。
軽い麻痺がある場合は麻痺側のつま先が外側に向きます。
このような観察ポイントとともに、ほかの症状と照らし合わせて脳卒中が強く疑われる場合には、医師に相談するようにしましょう。

ご家族の脳卒中が疑わしいとき、この3つの麻痺チェック方法を。疑わしいときは早めに医師に相談を

脳卒中では突然の麻痺を引き起こしますが、麻痺は脳卒中の程度や起こった場所によって大きく異なります。
しかし、明らかな麻痺がない場合には、緊急の受診が必要なのかどうか判断に困ることがあります。
今回ご紹介したような軽い片麻痺を見分けるテストとさまざまな症状を照らし合わせて、運動麻痺が疑わしい場合には早急に医師の診察を受けることをおすすめします。

参考:
田崎義昭,斎藤佳雄:ベッドサイドの神経の診かた 改訂18版.南山堂,東京,2016,pp.40,160−162.

  • 執筆者

    桑原

  • 1998年理学療法士免許取得。整形外科疾患や中枢神経疾患、呼吸器疾患、訪問リハビリや老人保健施設での勤務を経て、理学療法士4年目より一般総合病院にて心大血管疾患の急性期リハ専任担当となる。
    その後、3学会認定呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士の認定資格取得後、それらを生かしての関連学会での発表や論文執筆でも活躍。現在は夫の海外留学に伴い米国在中。
    保有資格等:理学療法士、呼吸療法認定士

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