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新型コロナウイルス

新型コロナウイルスによるクラスターが発生したときの対応・対策とは?

新型コロナウイルスの第3波により感染者が増加してきているなかで、筆者が勤務する病院では院内クラスターが発生しました。
新型コロナウイルスの感染力は強く、感染予防を徹底していたとしてもクラスターが発生する可能性は大いにあります。
今回は新型コロナウイルスの感染者が出た場合、そしてクラスターが発生した場合にどのような経緯をたどるのか、その対策、収束に向かうまでを紹介します。

コロナウイルス感染者を確認した 医療現場の対応・対策

最初に新型コロナウイルスの感染者が確認されてから

最初に新型コロナウイルスの感染者が確認されてから

新型コロナウイルスの感染者が確認されたら、病棟閉鎖や保健所・行政への報告、職員や患者さん、患者さんのご家族への報告などさまざまな対応が必要となります。

●感染者の発症日、感染期間を特定し接触者を確認する

新型コロナウイルスの最初の感染者が確認されたら、まず陽性者の発症日、感染期間を特定し、感染期間に接触した職員、患者さんのリストアップをします。
感染者が出た病棟スタッフは感染対策を徹底し病棟業務に従事します。
感染者と濃厚接触をしていた場合は出勤を停止する場合もあります。

●保健所や行政への連絡

感染者が発生したら保健所や行政に報告し、その後の感染対策やPCR検査の判断を仰ぎます。
現状の感染対策について報告し、職員がとるべき行動の指示を受け、病棟業務に従事します。

●感染対策委員会を開催する

感染対策委員会をすぐに開き、発生した状況や感染対策の再確認・共有、病院機能の継続・中止の決定をします。
また、職員や患者さんの家族への説明方法、メディアへの対応方法などについても共有する必要があります。
外来での診療が行われている場合は、外来患者さんへの対応についても協議が必要です。
感染が判明した病棟への出入りをする職員を限定し、他病棟をまたがないように対策します。
更衣室などの共有部分も分ける必要があります。
感染対策委員会は毎日開催し、現状の報告、今後の対策を更新していくことが重要です。
他病棟での感染対策の再確認や、クラスター発生病棟への応援の手配、物品の不足がないかの確認・調整が必要になります。
また、PCR検査の結果については随時ウェブサイトにて更新し、情報を公示します。

接触者のPCR検査の実施、ゾーニングの実施

接触者のPCR検査の実施、ゾーニングの実施

保健所や行政の指示に従い、接触者のPCR検査が実施されます。
筆者が勤務する病院では1回目のPCR検査で患者さんと職員数名の陽性が確認されました。
検査結果により、陽性患者さんや同室の患者さんはそれぞれ隔離され、病棟内でゾーニングが行われました。
陽性が判明した患者さんは重点医療機関もしくは専門病棟へ転院・転棟します。

●ゾーニングとは

ゾーニングとは、患者さんをレッドゾーン、イエローゾーン、グリーンゾーンの3つの領域に分け、感染拡大を防止する方法です。
感染者が判明していない最初の段階では全病室をレッドゾーンとして対応しなければならない可能性があります。
感染者はレッドゾーンへ隔離し、その同室の患者さんもいったん別室のレッドゾーンへ移動し様子観察をする必要があります。
同室患者さんの陰性が確認されたらイエローゾーンに戻します。

1)レッドゾーン

感染者
感染者と同室であった患者さんの病室(陰性であればイエローゾーンへ移動)

2)イエローゾーン

それ以外の患者さんの病室

3)グリーンゾーン

廊下やナースステーションなどレッドゾーン、イエローゾーン以外の場所

レッドゾーンに入る場合はフルPPE(個人用防護具)で対応し、二次感染を防止します。
PPEについては徹底し、ガウンや手袋の処理には十分に注意します。
PPEの着脱方法は保健所や行政からの指導があり、情報を全職員で共有しておく必要があります。
特にPPEを脱ぐときが重要であるため、第三者がチェックしながら行うことが望まれます。
動線についても職員内で共有・徹底し、経路が交差しないようにします。
物品の持ち込み、持ち出しは原則禁止とし、イエローゾーンからグリーンゾーンへ持ち込む場合は十分に消毒・洗浄してから持ち込みます。
PCR検査の結果により収束に向かうに従って段階的にゾーニングを解除していきますが、解除には十分注意が必要です。

クラスター収束までの期間、その後の対応

クラスター収束までの期間、その後の対応

保健所や行政の指示に従い、随時PCR検査を実施し、全員の陰性が14日間継続した時点でクラスターの収束となります。
収束後は病棟機能をクラスター前に徐々に戻していきます。
クラスター収束後は各部署でただちに振り返りを行い、クラスターが発生した原因や各部署でできること、今後の対応・対策について協議し、周知することが重要です。
情報を共有しておくことで応援体制や指示系統が明確になると考えられます。
筆者はコメディカルの部署に属するため、業務は一時停止になり、再開までに期間を要しました。
業務が停止していても他部署の業務を手伝うことは可能です。
筆者は看護スタッフや介護スタッフが手薄になっている病棟にて食事介助や買い物業務、清掃活動を行っていました。
自分たちにできること・できないこと、責任の所在や指示系統が明確になれば、対応もスムーズになり、各部署間での業務の負担割合も軽減すると考えられます。

患者さんやスタッフへの心のケアも重要

クラスターが発生して病室内から出られない状態が続くと、心身機能の低下は必ず起こります。
自分がいつ感染するかわからない状態で過ごすことになるため心理的な負担は計り知れません。
患者さんの命を守ることはもちろん重要ですが、日々の様子に変化がないか観察し、少しでも不安な気持ちを軽減できるように努めることも重要です。
また、病棟スタッフも自分がいつ新型コロナウイルスに感染してもおかしくない状況の中で業務を行っています。
患者さんへの心のケアはもちろん、スタッフの心のケアも重要です。
ストレスフルな環境で働くことになるので心身ともに疲弊している方が多いため、周りのスタッフや家族、友人はちょっとしたねぎらいの言葉や感謝、優しさを持って接することでストレスも少しは軽減されると思います。

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