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慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断されたら・・・?すぐに実践したい7つのセルフケアを呼吸療法認定士が教えます

死亡原因の第9位である慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、肺と気管支の病気です(日本呼吸器学会)。
COPDと診断されたら、どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。
その原因や対策、セルフケアについてお伝えします。

COPDと診断されたら…?

1.COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは? COPDの原因や具体的な症状

COPDという名前の病気をご存じでしょうか?
ここではまず、COPDとはなにか、その原因、症状について皆さんに知ってもらうべく、ご説明することにしましょう。

●COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは?

COPDは、呼吸器の病気である慢性気管支炎や肺気腫などをまとめてこう呼んでいます。
日本呼吸器学会によりますと、COPD患者は全国で約530万人、40歳以上の中高年では8.6%の方がCOPDにあてはまるといわれています。
喫煙が原因となって、中高年で起こる生活習慣病の一つでもあり、息を吐きだしにくくなることが特徴です。

●COPD(慢性閉塞性肺疾患)の原因

COPDの最大の原因とされているのは喫煙であり、日本呼吸器学会によりますと喫煙者の15〜20%に起こるとされています。
炎症を起こした肺や気管支からせきやたんが出たり、気管支が細くなるために空気が流れにくくなったりします。
また、肺の細胞が破壊される肺気腫になることにより、酸素を取り込んだり、二酸化炭素を体の外に排出したりすることができなくなります。

●COPD(慢性閉塞性肺疾患)の症状は動作時の息切れ!そのほかの症状は?

COPDの症状は
1)歩行時や階段の上り下りなど運動したときに呼吸が苦しくなる
2)慢性的なせきやたん
が特徴的で、時折喘息のような症状が現れる方もいらっしゃいます。

2.セルフケアで大切なことは7つ!禁煙、食事、運動、それ以外には?

ダメージを受けた肺や気管支を完全に元に戻すことはできません。
症状が急激に悪化すると命に関わることもあるため、悪化しないようにセルフケアを行うことが最も大切です。
COPDの原因は喫煙といわれていますから、最も大切なのは禁煙ですが、ここでは禁煙を含めた7つのことについてご紹介致します。

●禁煙

COPDを引き起こす原因である喫煙は、COPDを悪化させる最も大きな要因でもあります。
たんやせきの症状の原因にもなり、呼吸機能を低下させます。

●食事

さまざまな理由で栄養障害を起こすために、日本のCOPDの患者さんはやせ形が多いといわれています。
やせ形が多い原因として、呼吸筋を多く使うためエネルギーが必要、食事がすすまない、胃腸の働きが低下する、抑うつ状態になり食欲が低下する、活動量が減り筋肉が痩せる、食事の際に息が苦しくなるため食事量が減ることなどが挙げられます。
タンパク質を含む魚や肉、卵、大豆製品などは筋肉をつくる元となるため、それらを多く含むメニューを心がけ、バランスよく摂取しましょう。

●運動

COPDの方は、体を動かすと特に呼吸が苦しくなるため、じっと寝ていることが多くなります。
横になることが増えてしまうと食欲・筋力低下を起こし、体調を崩しやすくなります。
しかし、運動を効果的に取り入れることで、息苦しさを軽減することが可能になります。
COPDの方にオススメする運動は下記の3種類ですが、ご自分に合ったものを医師と相談してから行いましょう。

運動

1)柔軟体操

関節、筋肉の動きがスムーズになるだけではなく、呼吸にとって重要な肺を取り囲む胸郭(きょうかく)などの柔軟性も得ることができます。

2)持久力トレーニング

歩行や階段昇降、自転車エルゴメーターと呼ばれる機械を用いたトレーニングは、心臓や肺を強くすることができます。
散歩や自宅の階段昇降などの運動も効果的ですから、日常的に行うようにしましょう。

3)筋力トレーニング

筋力トレーニングにより筋力の衰えを防ぎ、日常生活での動作がスムーズに行えるようになります。

●病気への理解

COPDという病気は長くつき合っていく必要がある病気です。
治療を受けるにも、ご自身が納得いくものでなければ継続して行うことができないため、病気に対する理解がまず必要となります。
また、病状に応じてできる運動が異なりますので、事前に医師と相談して適切な運動療法を選択する必要があります。

●薬物療法

主にCOPDに使用される薬物は、気管支拡張薬(β刺激薬、抗コリン薬、吸入ステロイド薬)で、吸入することで気道を広げ空気の通りを良くします。

●在宅酸素の重要性

COPDは肺の酸素と二酸化炭素の交換がうまくいかなくなり、呼吸不全という状態を引き起こします。
呼吸不全によって体のなかの酸素が不足すると、さまざまな臓器に影響を及ぼすため、酸素を持続的に吸入する必要がでてきます。
「酸素吸入」の必要があっても、在宅酸素療法を選択すれば入院はせずに、住み慣れた環境での生活を継続しつつ、臓器への負担軽減が可能です。

●体調管理(急性増悪を起こさない)

COPDの急性増悪とは、COPDで治療中の患者さんが感染症などにより、呼吸困難などの症状が急に悪化することをいいます。
急性増悪を起こさないように、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンなどの接種、うがいや手洗いなどによって感染症を予防し、症状の悪化を招かないことが大切です。

3.息切れ対策の強い味方!呼吸法とパニックコントロール

COPDの症状である息切れは、その苦しさから動くことがおっくうになり、日常生活が制限され、それによって精神的なストレスを引き起こすことがあります。
また息苦しい動作を行うことは心臓や肺に負担をかけてしまい、急性増悪を引き起こす可能性もあります。
そこで以下では、日常生活のなかで息切れを起こしやすい場面とその対策を、2つ挙げていきます。

●息切れが起こるのはどんなとき?知っておこう、息苦しくなる動作とその対策

COPDの方が日常生活において息苦しいと感じる動作は、

  • 1)腕をあげる:洗濯物を干す、洗髪、被り物の服の着脱、高所にあるものを取る
  • 2)腕を繰り返し使う:掃除機をかける、拭き掃除、歯磨き、入浴(体を洗う動作)
  • 3)おなかを圧迫する:草むしり、下にあるものを取る、ズボンや靴下を履く
  • 4)息を止める:洗顔や排便、食事、重いものを持ち上げる

などがあります。
息苦しいときの対処法としては、
「息苦しくなる動作を行うまえに呼吸を整える」
「口すぼめ呼吸をしながら、動作の途中で息を止めないようにする」
ことです。
口すぼめ呼吸とは、息を吐き出すときに口をすぼめてゆっくり吐き、鼻から息を吸う呼吸法です。
この呼吸法を行うことで、気管支を広げることができるのです。
口すぼめ呼吸と腹式呼吸を併用すれば、効果的に空気を肺に送り込むことができ、息切れ感が軽減し動作が楽に行えます。ただし、無理は禁物です。

●パニックコントロールは強い味方!実践方法と周知の重要性

息苦しさが強くなり慌ててしまうと、精神的にもパニックに陥ってしまうため、落ち着いて対処する方法を知っておくことが大切です。
これをパニックコントロールといいますが、ご本人だけでなく、ご家族の方も知っておくと、いざというときでも落ち着いて対処することが可能です。

1)寝ているとき

クッションなどを背中と膝の下に入れる体勢をとり、横向きの場合にはクッションを抱え苦しくない姿勢をとり、口すぼめ呼吸や腹式呼吸を行いましょう。

2)座っているとき

机があれば、肘を乗せて安定させる、クッションを机の上に乗せてもたれかかるようにし、机がなければ、両手または肘を膝の上に乗せて安定させ、呼吸を落ち着かせましょう。

3)立位

台があれば肘をつき、ない場合には壁にもたれかかるなどして、呼吸を落ち着かせましょう。

4.まとめ

COPDは長く付き合う必要があり、セルフケアのポイントや病気に対する正しい知識を得ておくことは重要です。
早期から取り組むことで健康寿命も変わってきますので、この機会に正しい知識を得て快適な生活を送りましょう。

参考: 
COPD 日本呼吸器学会(2018年1月23日引用)
環境再生保全機構(2018年1月23日引用)
呼吸リハビリテーションマニュアル3 日常生活の工夫(2018年1月23日引用)
呼吸リハビリテーションマニュアル1 COPDの基礎知識とセルフマネジメント(2018年1月23日引用)
呼吸リハビリテーションマニュアル2 効果的な呼吸方法(2018年1月23日引用)
呼吸リハビリテーションマニュアル4 日常生活を考慮した運動療法(2018年1月23日引用)
呼吸リハビリテーションマニュアル6 栄養療法(2018年1月23日引用)

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