在宅介護やリハビリなど健康をとり戻す生活に役立つ情報を。

  • Facebook

健康応援 OGスマイル

  • 桑原

    公開日: 2021年04月22日
  • 先生のお話

この記事に関するタグ

病院のしくみ

子ども用の集中治療室、新生児集中治療室(NICU)と小児集中治療室(PICU)の対象疾患とは?

子どもの診療科である小児科の中にも集中治療を行う部門、新生児集中治療室(NICU)と小児集中治療室(PICU)を持つ病院が存在します。
これらNICU、PICU、それぞれの特徴とその違いについて解説します。

ICU NICU PICU 違いを知っていますか?

子ども用の集中治療室は大人とどう違うのか。NICU、PICUの名称の意味とは

大人の集中治療室と子どもの集中治療室にはどのような違いがあるのでしょうか。
また子ども専用の集中治療室(ICU)それぞれの名称、2つのICUの違いとは何なのでしょうか。

●大人と子どものICUの違いは保育器の使用とさまざまな使用機材のサイズなど

大人の集中治療室とは異なり、子どもの集中治療室では体の大きさに合わせてベッドのサイズが大きく違います。
NICUにおいては生まれたばかりのお子さん、PICUにおいても新生児の場合には保育器を使用することになります。
また人工呼吸器に関しても肺の容量が小さいため、それに合わせて機器やチューブ、体に貼付する心電図の電極なども異なります。
赤ちゃんが集中治療を受けるためには特別な設備や機材が必要であるため、大学病院やこども病院などの比較的大きな施設にのみ、診療科が存在することが多いです。

●NICUとPICUの名称の意味は?子ども用の2つのICUの大きな違いについて

NICUは(Neonatal Intensive Care Unit、新生児集中治療室)、PICUは(Pediatric Intensive Care Unit、小児集中治療室)を意味します。
これら2つのICUの違いは対象となるお子さんがいったんNICU(もしくは病院)から退出してしまうと、感染管理の観点からNICUには入室することができなくなることです。
たとえばNICUから退院後に何らかの感染症や具合が悪くなって再入院ということになっても、NICUに再度入室して治療を受けるということはありません。
また手術などの治療後、必要な治療や処置がNICUで行えない場合には、PICUに入室することもあります。

NICUは生まれた直後から高度な治療が必要な子どもが治療を受ける集中治療室

NICUは生まれた直後から高度な治療が必要な子どもが治療を受ける集中治療室

NICUといえば、低出生体重児が入るところというイメージを皆さん持たれているのではないでしょうか。
実はNICUの対象となる疾患はほかにもあります。

●NICUとは、生後間もなくから何らかの集中的な医療が必要な場合に入院する部屋

NICUは生まれたときに小さく生まれたお子さんや生まれて間もなく集中した治療が必要な身体状況にあるお子さんが入室する部屋です。
出生前より母体もしくは胎児に何か問題がある場合には、あらかじめこのNICUが併設された施設での出産を勧められることもあり、出産後入室するべきか否かを判断されます。
NICUは一般の産婦人科病棟や新生児室、小児科病棟と異なる独立した入院スペースで、面会人数、時間が制限され、治療が優先されます。
特に保育器に入っていて酸素吸入が必要な場合などには、赤ちゃんを抱っこしたり、触れたりすることが難しい場合もあるので、担当医や担当の看護師さんに相談しましょう。

●対象は低出生体重児、呼吸・心臓などさまざまな臓器に何らかの問題があり治療が必要なお子さん

対象は低出生体重児、呼吸・心臓などさまざまな臓器に何らかの問題があり治療が必要なお子さん

NICUで集中的な治療を受けるお子さんの病気の原因はさまざまです。
小さく生まれたお子さんや、早産だった場合には呼吸器や心臓に何らかの障害を持って生まれてくることも多く、そのケアが必要になることもあります。
ほかにも遺伝疾患や生まれつきさまざまな臓器に障害を持って生まれてくるお子さんも生まれた直後から集中的な治療のためにNICUに入室することになります。
NICUに入室するとNICUの専門医と専門家の医師が連携をとって、高度な医療を提供します

PICUは手術後や高度かつ集中した治療が必要な15歳以下の子どもの入院部屋

PICUは手術後や高度かつ集中した治療が必要な15歳以下の子どもの入院部屋

PICUはまさに集中治療室の子ども版。
どのような施設に設置されどのような患者さんが入室しているのでしょうか。

●PICUは地域の基幹病院や大学病院、こども病院にあるが数はそれほど多くなく、地方の場合、県全体・県を越えてカバーすることも

PICUは地域の基幹病院や大学病院・こども病院などの比較的大きな病院に併設されていることが多い、比較的新しい小児科の診療科の一つで近年その数が増えています。
PICUは大人のICUと異なり、入室の対象となる数が少ないため、地域や県の比較的規模の大きな病院に併設されることが多く、入院が必要となるときにはお住まいの地域からは遠方の病院になることもあります。

●対象疾患は手術後や外傷、感染症など実にさまざま。対象年齢も赤ちゃんから15歳まで

集中治療医学会はPICUの対象をおよそ15歳以下のお子さんとしています。
先にもご説明したように、新生児であっても一旦病院を退院した場合には、PICUが併設していれば、PICUへの入室となります。
またその対象は骨折や挫傷などの外傷、肺炎などの感染症、脳梗塞などの中枢神経疾患、心臓病や重症の不整脈などの循環器疾患、その他大きな手術の後などに、24時間体制での治療や看護が必要となった場合、診療科や病気の種類に関係なくケアを受けることとなります。

NICUやPICUの違いは年齢層や退院したかどうかやケアの必要性

NICUという名前は、テレビや病院などで見たり聞いたりしたことがある方もいらっしゃるとは思いますが、PICUについては初めて聞いたという方もおられるかもしれません。
子どものICUはベッドや患者さんのサイズだけではなく、使う機材なども異なるため特別に対応できる機器、医師や看護師が必要となり、限られた施設にわずかな数の病床の配置となっています。

参考:
日本集中治療医学会 PICUよりみなさまへ(2021年3月9日引用)

  • 執筆者

    桑原

  • 1998年理学療法士免許取得。整形外科疾患や中枢神経疾患、呼吸器疾患、訪問リハビリや老人保健施設での勤務を経て、理学療法士4年目より一般総合病院にて心大血管疾患の急性期リハ専任担当となる。
    その後、3学会認定呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士の認定資格取得後、それらを生かしての関連学会での発表や論文執筆でも活躍。現在は夫の海外留学に伴い米国在中。

    保有資格等:理学療法士、呼吸療法認定士

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)